1948年 東京で元大臣邸に侵入した
32歳の男が住人を脅して1,200円を奪いました。
しかし、被害者が3,000円奪われたと
嘘の金額を伝えたことを新聞で知って憤慨し、
戸塚署に出頭して逮捕されました。
この窃盗犯、怒りで自分の立場ってもんを
完全に忘れてしまっていますが
何に対して怒ったのでしょうかね。
被害者の嘘の所為で逮捕された際に
1,800円分罪の重さが変わることに対して?
自分を陥れようとしている被害者への怒り?
窃盗被害に乗じて不幸アピールをする
被害者の姑息さに対しての怒り?
なんにせよ僅か1,800円程度の違いに
そこまで拘らなくてもと思ったのですが、
今の感覚で考えると僅か1,800円だけれども
当時としては大金だったのかもしれないと
1948年(昭和23年)の貨幣価値が
気になったので少し調べてみました。
昭和初期の物価指数からすると
昭和初期の1円は、令和では640円ほどの
価値となるようです。凄い違いですね。
上の窃盗事件は昭和の中頃なので
1,800円を640倍する訳にはいかないので
給与面から比べてみると
昭和初期の小学校教諭の初任給が約50円程度、
昭和34年前後頃は、2万円程度、
現在は、約20万円程度のようです。
昭和34年の給与の2万円から比べてみると
現在は、10倍の20万円なので
この比率を当てはめて1,800円を10倍しても
18,000円としかならず………。
上の窃盗犯が警察署に出頭してまで
正確な窃盗額を告発する必要があるような
金額でもなさそうなんですよね。
人間、完全なる善人がいないように
完全なる悪人もいないようなので
人によって許容できることと出来ないことの
違いがあったりするものですが、
上の窃盗犯は、自分の立場を完全に忘れる程
嘘つきに対して強い怒りを感じる性質で
正義感に駆られての行動だった?
そして、
その窃盗犯の性質を把握した警察と被害者が
申し合わせて被害額を盛ることで
怒りに駆られるであろう窃盗犯を誘き出したとしたら
凄いのですが、どうなんでしょうかね。
顰蹙を買うかもしれませんが
1つの犯罪行為を理由に及び腰にならずに
自分の正義を主張した上の窃盗犯の態度は、
悩みの状態から抜け出すための
1つのヒントになるかも知れません。