1953年 京都市の山林内で
和歌山県の60歳の助役と48歳の女性が
心中しました。
この二人は30年前に恋人同士だったが
最近再会して30年前の想いが燃え上がり
行方不明となっていました。
30年前に、どのような別れを経験したのだろうか。
1953年ですから本人達は、真剣に愛し合っていたけれども
歳の差とか、家柄とか、何かの理由で家族や
周りの人達の反対にあって別れることになったのでしょうか。
まだ若い二人にとっては、
周りの圧力に抗い切れず別れる選択をするしかなく
そして、互いに家庭を持っていたけれども
二人は、偶然に再会したことで相手への想いを
抑えきれなくなり大人の関係を持ってしまった。
それによって一層気持ちが燃え上がった故に
互いの家族、今後の二人の関係等、
様々な気持ちや感情が絡み合って混乱し、
最悪の選択をしてしまったのでしょうか。
別れの選択をする前まで、
あるいは互いが家庭を持つ前まで
二人の時間を巻き戻すことが出来たのなら
このような選択を取ることも無かったと思われますが、
お互いが純粋過ぎたことが招いた悲劇かなと。
時間を巻き戻すことは出来ませんが
互いの強い想いを優先して
それまでの家族との絆を断ち切る決断をして
新たな生活を始めることは出来ます。
お互いにとってその選択が
より幸せなものとなるかどうかは分かりませんが、
自分達の決断次第で出来ることです。
自分達の強い想いを優先して
それまでの家庭を捨てることも出来ない位に
その時のお互いの家庭も同様に大切だったのでしょう。
だとしても相手への強い想いを断ち切ることも出来ず、
ではと秘密の関係を続ける選択を出来ず、
行くことも、戻ることも、留まることも出来ず
人として社会の一員として綺麗に生きようとし過ぎた故に
追い詰められ最悪の選択をしてしまったのかなと。
最悪の選択をする位なら
自分達が汚れる選択をして欲しかった。
所詮人間なんですから
自分が汚れていないと思える生き方は出来るにしても
完全無欠に綺麗に生きぬくことなんて不可能に近いんですよね。
汚れに汚れたゴールドであろうとも
その価値も輝きも失われることは無いように
私達もまた同じであることを忘れなければ、
最悪の選択だけはしないで済んだように思うのです。