日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

この風景をあの子供たちに・・・

2005-11-06 21:56:55 | CMウォッチ
テレビCMが、すこしづつ変わってきた。
秋ヴァージョンというわけではなく、一種のメッセージCMが目を引く。
その一つが、拙ブログで2回ほど紹介している日清のカップヌードル「NO BORDER」シリーズ。
今回は、地上にある様々な「BORDER」ではなく、「BORDER」の無い宇宙。
先日帰国した、宇宙飛行士野口さんが話していた「とても美しい地球」が、テレビCMとしてみることができる。
もう一つは、野口さんがスペースシャトルで食べた「宇宙食・カップヌードル」も。

このテレビCMは、本当に長い間シリーズ化され、様々なことを、美しい映像で静かに提議してきた。
前回の「子供たちの笑顔」編では、戦火で祖国を追われた子供たち。
この春は、「戦場の少年」だった。
一連のCMから今回のCMを見たとき、あの子供たちに宇宙から見た「NO BORDER」を見せたいな~と思った。
先週、元ライブドアの役員の方が日本人初の宇宙旅行に行くことが決まった。
お金の問題ではなく、今一番宇宙から見える風景を見る必要があるのは、あの子供たちのような社会状況にある子供たちのような気がして、切ない話題に思えた。

もう一つ、フジフィルムのCM。
ジョン・レノンの「イマジン」をバックに、奥様であるオノ・ヨーコさんがジョンと一緒に撮ったいくつかの写真が、映し出される。
中には、「ローリングストーン紙」の表紙を飾った、有名な写真もある。
写真に込められた「思い出」や様々な瞬間。
写真というモノが持っている、「記録媒体」という力を感じさせるCMでもある。
でもそれは、センセーショナルなモノではなく、人の豊かな表情に彩られた「しあわせな」時間を切り取ったモノだ。
これまでも、フジフィルムのCMは、「家族の思い出」などをテーマに展開してきた。
「写真」が一番身近で、大切な瞬間を残すことができる・・・そのようなメッセージを伝えてきている。
ただ、今回のジョン・レノンとオノ・ヨーコさんの出演している「Phot is・・・」というCMは、何らかのメッセージを受け取って欲しいといっているような気がするのだ。
「あなたにとって、大切な人は?思い出は?その思いと同じだけ他の人にも目を向けて欲しい・・・イマジンのメッセージを感じて欲しい」そう、オノ・ヨーコさんが言っているように感じるのだ。

同じ頃から始まった、二つのCM。
単なる偶然なのだろうか?

毎回紹介させていただいている、カップヌードルのプロダクションノートを読むと、やはりあの宇宙から見た地球は、あの子供たちに見てもらいたいな~と思うのだ。