日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

会社って何だろう?-今年起きたこと1-

2005-12-18 22:20:14 | ビジネス
大寒波が、日本をスッポリおおっている。
名古屋市東部の我が家近辺でも、昼過ぎから降り始めた雪がシッカリと積もり、「積雪5cm」くらいになっている。
というわけで、外出することも無く家に籠もり、今年あったことをイロイロ考えてみた。

年明けから頻繁に聞いた言葉に、「会社は誰のもの?」と「企業価値を高める」があった。
ライブドアや村上ファンド、楽天などが仕掛けたM&Aの度に聞いた言葉だ。
そして彼等は異口同音に「会社は株主のもの」と言い、「会社は企業価値を高める努力をしなくてはいけない」と、言ってきた。
だが、それらの言葉に違和感を覚えた人も少なくないだろう。
私自身「会社は株主のものではなく、社会のモノ」だと、拙ブログの中で何度か言ってきた。
その考えは、今でも変わってはいない。
なぜなら、会社が存在できる場所は「社会」だからだ。
そしてその「社会」を構成しているのは、その会社で働く従業員や関連会社、ライバル会社があり、それを支えているのは、その会社とは関係のないと思われる「生活者」が、商品・サービスを購入しているからである。
もちろん、「資金調達」としての「株主」の存在は大きい。
でも、株主が会社を大きくしている訳ではない。
「世界のトヨタ」にしても、株主の存在だけであれだけの企業に成長した訳ではない。

もうひとつの「企業価値を高める」という言葉も同じだ。
彼等が声高に言えば言うほど「企業価値を高める」のではなく、「株価を上げよ」と聞こえたのは、私だけだろうか?
「ファンド」という立場から考えれば、「企業価値」は「株価に反映される」ということになるのかも知れない。
でも、多くの人達は「企業価値」といった時、何を思い浮かべるだろう?
「企業収益」だけだろうか?
おそらく多くの人は「企業の社会貢献」、「社会に対する誠実さ」、「働きやすさ」、「企業理念やヴィジョン」など様々な「企業の人格」というべき要素を、トータル的に見て判断しているのではないだろうか?

企業収益が好転する中、今年言われた「企業への言葉」は「マネーゲーム」の始まりのような要素を含んでいるような気がする。
「バブル経済」といわれた「マネーゲーム」が、また始まるのだろうか?
とすれば、私たちは「バブル経済崩壊」から、何を学んだのだろう?

本当に問われているのは、M&Aに熱心な企業を含めて「企業の品格」なのではないだろうか。