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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

けじめのつけ方-船場吉兆にみる役員人事-

2008-01-12 23:04:25 | ビジネス
今日、一つに企業について2つのニュースがあった。
それが、船場吉兆の民事再生申請と新役員人事についてだった。

「船場吉兆」と言えば、大阪の老舗料亭として有名だったが、昨年暮れ福岡の百貨店で販売していたお菓子の製造年月日の偽装に始まり、ギフト向け商品の原材料の偽装などが次々と発覚し、「老舗のれん」に大きな傷をつけた。
もう一つ問題になったのは、次々と発覚する偽装問題に対しての対処法だった。
最初は「現場のパート社員などの勝手な判断だった」と言って、会社ぐるみの偽装ではなかったと主張していたのだが、最終的には企業ぐるみの偽装だったと言うことが発覚したのだ。
その謝罪記者会見でも、一種異様な光景に生活者の多くが目を奪われた。
社長である息子のとなりに座っている取締役員の女将である母親が、逐次、謝罪コメントを小声で指示をしていたのである。
息子と言っても、既に40代半ばの大人である。
昨年発覚した、企業の不祥事で謝罪会見をした同族企業の多くの社長や取締役は、40代~50代でそれなりのことばで話をしていた。 
その意味で、一種異様な印象となった記者会見だった。

そして今回役員人事を一掃し、新人事で企業再生を目指すということになったのだが、謝罪記者会見でイロイロ指示コメントをしていた女将が、社長として就任する事になったのだ。
「船場吉兆」側としては、「顧客との継続的関係性が必要」と言う判断だったようなのだが、その判断については既に疑問の声があがっている。
当然だろう。
あの謝罪記者会見で、小声でアレコレと社長に指示を出す姿を見れば、また同じコトを繰り返すのではないのか?と言う疑念と、結局、社会が突きつけたレッドカードを理解していない人が残ると言う印象しか与えないのだから。

このような不祥事が起きた場合だからこそ、「顧客との継続的関係性」のために人事一新をしなくてはならない。
それが、企業の一つのけじめだからだ。
それだけではなく「船場吉兆」と言う名前(=のれん)を残すのであれば、同族がいつまででも居座ってはいけないように思うのだ。
それがわからない限り、顧客は「船場吉兆」と言う料亭に対して疑念と不信を持ちつづけてしまうのだ。