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今年は70年代アメリカン・ロックに注目?

2008-01-03 20:15:43 | CMウォッチ
お正月を迎え、テレビCM等も少しづつ新しい内容のモノになってきた。
その中で、懐かしい音楽を聴くことができる。
その一つが、JOMOの「ファイティング編」で使われている「名前の無い馬」だ。
この楽曲を聞いて「懐かしい」と感じる世代は、50歳前後の人たちだろう。
オリジナルは、イギリスで結成された3人組のアメリカ人バンドだった「アメリカ」は、その透明感のある楽曲と歌声で、「ウェストコースト・サウンド」と呼ばれるようになり、若い女性を中心に人気になっていった。
ほぼリアルタイムで聞いていた私も、大好きな楽曲の一つである。

もう一つが、ユニクロのCMで使われている「サタデー・イン・ザ・パーク」だ。
こちらは、頻繁にテレビCMに使用されたり、ゆったりとした休日のFM番組などで聴かれることがあるので、ご存知の方も多いだろう。

この2つの楽曲は、日本で思われているほどほのぼのとした感じの楽曲ではない。
「名前の無い馬」といっても、動物の馬の事ではないといわれているからである。
70年代当時、アメリカ社会は出口の見えないベトナム戦争と、その反戦運動が繰り広げられていた。
それだけではなく、若者たちの間にはドラッグが蔓延し始め、社会問題にもなりつつあった。
そのドラッグの売人の事を指している隠語ではないか?とも言われていていたのである。

「サタデー・イン・ザ・パーク」は、その息が詰まりそうな社会の中で週末だけは、公園に行って、ピクニックをしようという内容だ。
何よりもシカゴという(ブラスロック)バンドは、社会的メッセージが強いバンドでもあった。
「長い夜」などのヒットと共に、「1968年8月29日シカゴ、民主党大会」と言う楽曲がある。
シカゴというバンドそのものが、混沌としたアメリカ60年代後半に結成され、登場したバンドだということも楽曲に反映されているのだ。

そんな薀蓄はともかく、このような楽曲がCMソングとして起用される背景にあるのは、単なる懐かしさだけではなく、普遍的なオリジナリティーがあるように感じている。
ここ数年の洋楽・特にロックと言う分野については、行き詰り感を持っている。
リリースされる楽曲が、似たりよったりというか新鮮さが感じられないのだ。
それはJ-POPと言われる分野でも同じで、ヒット曲の多くはタイアップソングが殆ど。
ヒット曲=名曲だとはいえないのだが、30年後「あ~懐かしい」といって、口ずさめる楽曲がどれだけあるのだろうか?
CMに起用されると言うのは、ある意味時間を経ても変わらない何かを持っている楽曲だともいえるのではないだろうか?

そういえば・・・以前から気になっていたコトがある。
暫く前にヒットしたジャネット・ジャクソンの「Somone to Call My Lover」では、アメリカのヒット曲「ベンチュラ・ハイウェー」をサンプリングしていたように思うのだが、オリジナルの良さが伝わってこないように感じたのは私だけだろうか?