日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

これが現実?-自給率40%以下の日本の食卓-

2008-01-16 22:12:24 | ライフスタイル
毎日新聞のWEBサイトに、とても興味深い記事があった。
東北大の学生食堂に15日、焼きイモとふかしイモ、リンゴだけという…だ。

日本の食品自給率が40%以下だと言うことは、多くの人が知っている事実だろう。
それが具体的に見せられると、「え!こんなの?」と多少なりともショックを受ける。
「戦中・戦後の日本じゃないのだから、もう少しイロイロなものが食べられるだろう・・・」などと言う思いは、一掃されてしまうようなメニューだ。
もしかしたら、戦中・戦後の日本の食事より、貧しいかも知れない。

今、スーパーマーケットに行くとブラジルから輸入される鶏肉、鮭はチリ、アメリカ産ブロッコリーなどが、当たり前のように並んでいる。
しかも、国内産のものに比べると安価だ。
原油の高騰などから考えれば、輸送などのエネルギーコストのかかる輸入食材は高くてもいいはずなのに、なぜか安い。
実際、多くの家庭では物価上昇を感じ、実質賃金の目減りが続く中では、家計を考えれば「安全・安心」さえ保障されていれば、安価な輸入食材に頼りたくなるのは当然だろう。

もちろんそのような不思議な現象だけではなく、農家そのものが激減していると言うこともその背景にはある。
ところが、ここにきてバイオエネルギーの中心となる大豆やとうもろこしなどが、急騰し食品ではなくエネルギーへの転換材料として取引をされるようになってしまった。
個人的には、食べものをバイオエネルギーとして使うと言う発想も、思惑で投資するコトにも違和感があるのだが、今の経済と言う視点から見れば大きな流れとなりつつある。
そんな見方をすれば、大豆もとうもろこしも輸入に頼っている日本は石油だけではなく、バイオエネルギー資源も乏しい国だと見られてしまうのだ。
「一人負け・日本」という今の日本経済は、このようなコトも考えられるのではないだろうか?
もちろん「官製不況」と言うことも、あるとは思うが・・・。

もう一つ、この記事を読みながら感じたことがある。
それは「もし、東京ならこのメニューは、どのようになるのか?」と言うコトだ。
日本国内で食材の奪い合いのようなことが起きれば、全国どころか世界中の食材が集まる東京に、どれだけ出荷されるのだろうか?と言うことなのだ。
実際には、そのようなことはないとは思うが、都市部になればなるほど「自給率」そのものは下がるのではないだろうか?

「自給率を上げる」と言うコトは、単に食べものを確保すると言うだけではなく、環境問題とも密接に繋がっていると考える時代がきていて、都市部で「エコ・ライフ」だとか、「LOHAS」と言っている場合ではないように思えるのだ。