日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

被災地支援のカタチが変わり始めた

2012-07-12 17:46:12 | ビジネス
サントリーという企業を説明する時、「サントリー文化」というコトを外す訳にはいかない。
それほど、サントリーという企業は「お酒をつくる企業」というだけでは無い、側面を持っている。

もちろん、日本には文化活動に熱心な企業も少なくない。
世界的に誇れるブリジストン美術館のブリジストン(現在は「公益法人・石橋財団」が運営)や、ベネッセが瀬戸内海の直島全体で展開をしてる「アート活動」などがある。
ベネッセの「アート活動」の場合、直島とその周辺の島で美術展が定期的に行われ、それがいまでは海外からも注目される美術展となりつつある。
その中でも、サントリーは「サントリー芸術財団」を持ち、「サントリーホール」や「サントリー美術館」など、文化事業にも熱心な企業として知られていると思う。
「サントリー芸術財団」そのものは、公益法人化されているので基本的には企業としてのサントリーとは、別の団体と言えるのだが、その活動の歴史を考えるとやはり「サントリー文化」の一つとして見るべきだと思う。

そのサントリーホールで、この夏チョット変わった演奏会が有る。
若いミュージシャンによる 『みちのくウインド・オーケストラ』世界へ Swing!-パリ、ニューヨーク、ウィーンの若きアーティストと一緒に-と言うタイトルの、コンサートだ。
「みちのく」というコトバが有る通り、昨年の東日本大震災で被災した中高校生の吹奏楽部の生徒たちと海外の若い音楽家たちとの交流コンサートだ。
おそらく、被災した東北の子どもたちにとってはとても素敵な体験となるのでは?

それだけでは無く、サントリーはウィーンフィルと共同で「音楽復興基金」を昨年設立している。
11月には、ウィーンフィルのメンバーが来日し、東北でワークショップを開いたり、コンサートを予定している。
世界的な交響楽団のメンバーから、直接指導を受けながらのワークショップというのは、日本では珍しいと思う。
随分前に、ジュリアード音楽院の「若い音楽家のためのワークショップ」というのをテレビで見たことがあるが、講師として登場するのがジュリアードの教授として招聘されたばかりのウィントン・マルサリスやヨーヨー・マ。
ワークショップに参加している若い音楽家たちの輝く様な目は、とても印象深く、こんなワークショップが日本でもあったら良いのに・・・、と思ったコトを思い出した。

震災から1年4ヶ月が経過し、被災地の人たちの生活も変わり始めただろう。
未だに住居や仕事への不安が有る中での生活だと思う。
それでも、被災直後と同じ支援では意味をなさなくなってきているはずだ。
継続的な支援は必要だと思うが、その支援の内容は少しずつ変わり始め、企業の支援内容も変わってきている、企業が得意とする分野での支援。
そんな気がする、サントリーの被災地支援活動だ。