「マリ・クレール」の復刊

ここ数年、女性向けファッション誌の休刊が相次いでいた。
もちろん創刊もあったが、休刊する雑誌のほうが多かった様な気がする。
そんな中、「マリ・クレール」が復刊すると言う。
『マリクレールスタイル』

今回の復刊には、いわゆる「おとなの事情」の様なモノを、感じないわけではない。
なぜなら、基本は読売新聞社系の出版社・中央公論新社が讀賣新聞の販売店を通じて販売をする、と言うのが基本のようだからだ。
やはり雑誌の売り場の中心は書店だと思うのだが、逆に「日本一購読者数が多い」と言われている新聞販売店経由でファッション誌を届ける、と言うのは、在庫などのリスクが少なくて良いのかも知れない。
だからと言って、私が「マリ・クレール」読みたさで讀賣新聞を購読する、と言うコトとはしないと思う。

その「マリ・クレール」だが、何も雑誌で読む必要は余りないかも知れない。
と言うのも、今回の復刊ではインターネットやインターネットラジオなどで、情報を流していくと言う、「マルチメディア化」の中の一つとしての雑誌という形態のようだからだ。
実際、「ＶＯＵＧＥ　ＮＩＰＰＯＮ」などは、雑誌の展開だけではなく、メールマガジンやＷＥＢサイトなどを積極的に展開している。
メールマガジンは会員向けだが、ＷＥＢサイトは、誰もが見られるだけではなく、パリやミラノなどの最新コレクションがいち早く見られる様になっている。
この「最新コレクションが、いち早く見られる」と言うのは、ＷＥＢならではの強みだろう。
インターネットが無かった頃などは、コレクションシーズンが終わってから専門雑誌の特別号として、見るのが普通だった。
時間的な差から言えば、３ヶ月ほど遅れだったと思う。

とすれば、今回の「マリ・クレール」も、最新のパリの情報をＷＥＢサイトでチェックしながら、詳細は雑誌で読む、と言うコトになるのかも知れない。
ただ、今の日本の女性がどれほど「マリ・クレール」という、ファッション誌に興味が有るのか？と言う点が、とても気になる。
と言うのも「マリ・クレール」のライバル雑誌「ＥＬＬＥ」と重なる部分も多く、日本のファッション誌とも購買層が重なる部分があるからだ。
その中で、讀賣新聞販売店通しで購入する読者、となると相当限られてくるのでは？

今のファッション誌は、雑誌という形態と連動してＷＥＢサイトで最新情報を発信するのが、当たり前のようになってきている。
「マリ・クレール」という雑誌のブランド価値は、とても高いモノがあった。
しかし、その価値を今でも持っているのか？と言うと、やや疑問なトコロが有る。
とすれば、限られた販売ルートでの復刊は、プラスとなるのだろうか？