日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

朝日新聞と自浄機能

2014-09-11 21:28:34 | 徒然

昨夜、朝日新聞社で「記者会見」が行われた。
その内容については、ご存じだと思う。
いわゆる「吉田調書」に関する記事の訂正と社長の引責辞任が、主な内容。

その「記者会見」について、事前に資料が配布されていたようで、弁護士ドットコムのサイトに掲載されていた。
弁護士ドットコムニュース:朝日新聞社が「吉田調書」報道についての会見で発表した資料(全文)

会見に先立ち配布された資料を読むと、一部メディアが朝日新聞の「吉田調書」に対して疑問を呈する前から、社内で検証の動きがあったようだ。
しかし、その検証をすること無く他のメディアが騒ぎはじめたので、再検討を始め訂正をするコトになった、と言うことがわかる。
言うなれば、自社の記者たちの言うコトに対して信頼が薄いというか、現場の記者たちを軽んじていた、とも読み取れる。

そして穿った見方かも知れないが、自社の記者たちが検証しようとする動きに対して、社として動かなかったことを明らかにするコトで、朝日新聞という企業の「自浄機能が果たされている」ということをアピールしている様にも読み取れる。
違う言い方をするなら「朝日新聞は、自浄機能を持った公明正大な企業です」という記者会見のようにも見えるのだ。
確かに、企業のトップである社長以下編集の責任者が辞任をした。
でも朝日新聞ほどの大メディア企業であれば、関連会社への転籍・出向(あるいは再就職)などは簡単にできるだろう。

しかし本当の「訂正と謝罪」と言うのは、池上彰さんが指摘された「従軍慰安婦問題」なのではないだろうか?
この点については、ほとんど触れることも無く記者会見が終わっている。
朝日新聞側としては、8月に「検証記事」を掲載したのだから「訂正は終わっている」と、思っているかも知れない。
実際の記事を読んでみると、読者側としては「訂正をしている」という印象を受ける内容ではない。
唯一訂正されてのか?と言う箇所は、「女子挺身隊と慰安婦を混同していた」という点くらいだろう。

そもそも「女子挺身隊と慰安婦を混同する」していたこと自体新聞社として問題で、この記事を書いた記者は「現代史」を全く知らない、調べることすらせずに記事を書いていた、と言うレベルの問題だ。
それを編集する側もチェックをしていなかった、と言うお粗末さは「謝罪」とか「訂正」以前の問題だと思う。

今日の朝刊には改めてこの記事について、朝日新聞が大きく紙面を割き、これまでの経過や謝罪分らしき記事を掲載している。
読んでみると、終始「自己弁護」に終わっている様に読めてしまう。
現社長は「道筋を付けてから退任」ということを記者会見で話していたが、大切なことはその「道筋」が見えていないと言う点だと思う。
昨日の記者会見だけをみていると、「朝日新聞には、遅まきながらも自浄機能がある」と言っているだけの様にも思えてしまうのだった。
そして朝日新聞を批判している他社は、大丈夫なのか?と言うとそれも疑問なトコロがある。
その背景にある「スクープ合戦」の様な新聞社の体質そのものが変わらない限り、一部のネットユーザーから言われている「マスゴミ」という言葉はなくならないのでは?と、思ってしまうのだった。


Appleとファッション

2014-09-11 19:16:40 | ビジネス

昨日の早朝発表された、Appleの「iPhone6とAppleWatch」。
「iPhone6」に関しては、以前から様々な噂が流れていたためそれほど大きな驚きはなかったようだが、「AppleWatch」の発表は大きな驚きを呼ぶ発表だったようだ。

既に多くの方が「AppleWatch」について書かれていらっしゃるので、その未来性などについては書く必要は無いと思う。
むしろ私が気になったのは、今回の発表会で多くのファッションジャーナリストが招待されていた、と言う点だ。

日本の通信会社の新作モデルの発表会なども同じだと思うのだが、この様なIT機器の発表会で招待されるのは、IT関連のメディアか経済関連のメディアが中心だと思う。
もちろん、一般新聞社などもその中に含まれると思う。
一方、ファッション関係というのは、ITと一番離れている様な印象がある。
これは、ITとファッションの仲が悪いと言う訳では無く、「結びつき」という点で距離感がある、と言う意味だ。
実際、VOUGE Japanなどは紙媒体だけでは無く、積極的にネット配信をしている。
ただニュースや話題の中心そのものはファッションであり、あくまでも情報発信のツールの一つとしてネットを利用しているに過ぎない。

そう考えると、ファッションジャーナリスト達が招待されたと言うことを考えると、Apple自身が「iPhoneや新しいAppleWatch」を、これまでのITの一つという発想からもっと違う位置付けとして考えているのでは?と言う気がしたのだ。
特にAppleWatchに関しては、IT機能を持った新しいファッションアイティムと言う感覚で、使って欲しいと言う思いがあったのでは?と言う気がしている。
もちろん「ファッション性の高い腕時計」と言う意味もあったと思うが、それだけの理由でファッションジャーナリスト達を呼ぶとは思えないのだ。

それを示す一例が、「フィットネス」という機能。
今や有名ファッションブランドとスポーツブランドのコラボレーションなどは、当たり前になってきている。
アディダスやナイキなどは、特にその様なコラボレーションに熱心なスポーツブランドだと思う。
そしてこの2社は「スポーツとIT」という点でも、熱心なブランドだ。
例えば、アディダスの「miCoachi」
ご存じの方も多いと思うのだが、腕などに巻いてランニングデータを記録したりできる機能を持っている。
基本ツールとして使うのは「iPhone」だったと思う。
その様な流れがあって、今回の発表会、AppleWatchと結びついたのだとすれば、その動きは随分前からあったということになるかも知れない。
いつかファッションデザイナーとコラボレーションをした、「AppleWatch」が登場するかも知れない。