日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「管理下にはあるが、制御はできない」ということか・・・

2015-10-12 19:49:45 | 徒然

東日本大震災が起きてから4年が経つというのに、全く先が見えないのが「東京電力福島第一原子力発電所」だ。
そして時間の経過と共に「放射能」という言葉の怖いイメージは残っているのに、事故そのものの記憶は薄れつつあるように感じる。
それは「強制避難地域」に指定されていた地域が、次々と解除されるようになってきたことで「事故そのものは、収束に向かいつつあるのかな?」という、印象を受けるからかもしれない。
しかし、現実は違うようだ。

今朝のYahoo!のトピックスに「フクシマ事故」により、強制避難地域に指定された県や市が、東京電力を相手取り訴訟を起こす、というニュースが取り上げられていた。
他にも「放射能で汚染された土」の仮処分場として提供していた地権者が、期限の3年が過ぎようとしても全く進展がないことに怒っている、というニュースもあった。
毎日新聞:福島第1原発事故 東電と6県1市係争 損害賠償など
産経新聞:地権者不満「約束は守れ」廃棄物袋劣化 漏洩に懸念、心理的にも圧迫

このようなニュースを聞き思い出すのは、安倍さんが2020年の東京オリンピック開催に向けてのプレゼンテーションの時、「原発事故に関しては、アンダーコントロールされている」と、国際舞台で言い切った言葉だ。
このプレゼンテーションの時ですら、「アンダーコントロールなどされていない」という、ツッコミが全国各地で巻き起こったという気がしている。
よくよく考えてみると、安倍さんの言った「アンダー(=管理下)にある」という点は、間違ってはいなかった、という気がしている。
言い換えれば「管理下にはあるが、制御はできていない」ということなのだ。

そもそも「汚染水」が増え続けている理由というのは、地下水がどんどん建屋に流れ込んでいるため、だと言われている。
建屋の真下に地下水が湧き出ているのであれば、地下水を止めることは難しいとは思うのだが、「流入している」というのであれば、水脈に沿って汚染されていない地下水を汲み上げるとか近隣の川につなげる、という方法もあるのでは?と、素人考えで思ってしまうのだ。
「汚染土壌」についても、これまで様々な研究施設などが「分解方法」を試みている。
そのような研究所と一緒になって、なぜ早い処理法を考えないのか不思議だった。

しかし、「管理下」という点だけで考えると、「汚染水や汚染土壌の処理」が進んでいなくても、問題はない。
というのも今日、新しく経産相になられた林幹雄氏が、福島第1原子力発電所を視察した、というニュースがあったからだ。
穿った見方だと思うが、林さんがいかれたコトで「政府の管理下にある」という、アピールだけはしっかりできたのではないだろうか?
政府にとって大切なことは、「制御」ではなく「管理下にある」、ということが大切なのだと思う。
だからこそ、打つ手打つ手が失敗をしても、積極的に様々な意見を聞くことなく、税金を投入するコトができているのだ、という気がしている。