日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

子育て環境の発想を、変えてみては?

2016-11-01 19:36:10 | ライフスタイル

今日のYahoo!トピックスに、資生堂が保育所事業の運営受託事業のための合併会社を設立する、というニュースが取り上げられていた。
資生堂ニュースリリース:資生堂とJPホールディングス、事業所内保育所の運営受託を事業の柱とした合併会社を設立

ご存じの通り、資生堂の社員の多くは女性だ。
当然、「働くお母さん」も、他の分野の事業所などと比べると、多いだろう。
その視点で考えれば、今回の資生堂の取り組みは、「働くお母さんの支援策」として、とても有効だと思う。
「保育所落ちた」という匿名のブログから、「保活(保育所に入所させるために、生まれる前から保育所に申し込むなどの活動)」や、保育所不足という問題がクローズアップされた。
母親が安心をして働く環境は、東京をはじめ大都市部になればなるほど、厳しいという現実がある、と言われる。

元々「女性が働きやすい企業」として、資生堂は評価されてきた。
そのことを考えると、今回の「事業所内保育所」というのは、働くお母さんたちにとって「働きやすい環境」を企業が整える、という好例だと思う。
でも、それで本当に良いのだろうか?
なぜなら、「女性が多い職場に事業所内保育所」ということは、あくまでも「育児の中心は、女性任せ」とも考えられるような気がするからだ。

今朝のFM番組を聞いていたら、日本の男性が1日の間で子どもと接する(=子育てに参加している)時間は、わずか1時間7分。
そのような現実を受け「パパ・クォータ制」のように、父親になった男性にある一定期間半ば強制的に「育児休暇を取得させる」という、考えが出てきているという。
リポビタンD TREND EYES: 「パパ・クォータ制」導入検討 男性の育休取得率は増加するか
もし、本気で「パパ・クォータ制」の導入を検討するのであれば、男性社員が多い企業ほど「事業内保育所」を設置の検討も必要なのでは?という気がしたのだ。
もちろん、延長保育は無し。

「延長保育無し」にしないと、保育士さんも残業を余儀なくされる。
「事業所内保育所」設置の意味は、単に「子どもを預けやすい環境づくり=親が働きやすい環境づくり」ではなく、「働き方そのものを見直す」切っ掛けづくりとなることが重要なのだと思う。
「就業時間内に、いかに質の高い仕事をするのか?」という、仕事そのものに対する取り組み方だけではなく、ライフスタイルにまで影響するコトになると思う。
そのくらいの「子育て環境」を作らないと、いつまでたっても「子育ては、女性任せ」になってしまうのでは?という、気がするのだ。