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テレビドラマのネット配信で、変わるコト

2016-11-04 19:38:44 | ビジネス

10月から始まった、テレビドラマの視聴率についての話題も、一巡したと思われるこの頃だ。
その中で、「放送開始から回を重ねるごとに、視聴率が上がっている」と話題になっているのが、TBS系で放送されている「逃げるは恥だが役に立つ」だ。
TBS:逃げるは恥だが役に立つ

回を追うごとに視聴率が上がる、というのはドラマ制作者側にとっては、うれしいコトだと思う。
ただ「逃げ恥」の人気を創りだしているのは、決して視聴率だけではない、という気がしている。
というのもこのドラマが、人気になっている理由の一つがドラマのエンディングで流れる「恋ダンス」だと言われているからだ。
リズミカルでちょっとコミカルな?動きのダンスは、「私にもできるかも?」という、気にさせるだけではなく、自裁youtubeには「恋ダンス」を投稿する人が日に日に増えている(ようだ)。
しかも、小さな子供からダンス教室の講師?と思われる人まで、投稿し「恋ダンス」を楽しんでいる。
実際、公式サイトではドラマの次回予告の前に「恋ダンス」を見ることができる。

それだけではなく、放送から1週間は無料で視聴できるようになっている。
おそらくこのようなサービスは、TBSの他のドラマでもされているだろうし、他局でもされていることだろう。
この「放送から1週間、無料視聴」というのは、ネットならではのサービスだと思うし、このサービスはこれまでの「視聴率」という物差を変えるのでは?という気がしている。

これまでテレビ番組を視聴する方法というのは、2つしかなかった。
一つはリアルタイムで視聴する。もう一つは、録画をして後で視聴するの2つだ。
ところがこの「1週間無料配信」によって、リアルタイムで見るコトができなくても、録画をする必要は無くなり、「放送時間」に縛られることなく、テレビドラマを視聴するコトができるようになった、ということになる。

これまでの経験として、「録画をしたけど、結局見ることがなかった」という、経験はないだろうか?
録画がたまればたまるほど、視聴するための時間はかかってしまう。
そのための時間を作ること自体が、難しくなり結局「見なかった」ということになってしまうのだ。
それが、1週間という区切りはあるが、放送時間に縛られることなく、自分の好きな時間に視聴できるというのは、メリットが高い。
むしろ、1週間という時間が区切られていることで、次回の放送までに見ておこう!という、気持ちにさせることができるだろう。

このメリットは、視聴者側だけではなくドラマを放送する側にとっても、メリットがある。
「ネットで視聴する」ということは、視聴率よりも確実な「アクセス件数」を、知ることができるからだ。
TBSは当然、民放なのでネット配信であってもCMは入る。
もちろん、スキップさせることもできるが、「ドラマ視聴のためのアクセス件数」は、CMを流す企業側にとっても確実な「視聴数字」として見るコトができる。
ネットの強みである「双方向性」を活用するコトができれば、視聴者の分析などもしやすいはずだ。

テレビドラマの「ネット配信」は、これまでとは違う「視聴スタイル」を視聴者側に提案するだけではなく、広告という視点でも、注目されるようになるという気がしている。