Yahoo!のトピックスを見ていたら、「なるほど!」と思う記事があった。
オートックワン:トヨタの新型車デザインはやり過ぎなのか?派手さを求める現代のトレンド
ここ数年、トヨタ車のデザイン特にフロントグリルと呼ばれる、正面部分のデザインが派手になってきている、という内容の記事だ。
確かに、ここ数年「厳めしい」というか、「鎧」のようなデザインだな~、と思うことが多々ある。
もっとシンプルなデザインのほうが、ファミリーユースのクルマならいいのでは?と、思うこともしばしばだ。
私にとっての最初の衝撃は、ピンクのクラウンだった。
クラウンという車種は、一般乗用車の中でもハイクラスに位置づけされていると思っていたので、それまでのベーシックカラーと言われる、黒や白などが当たり前だと思っていた。
それが、記念車(だったと思う)として発表された色が、ピンクだったコトは衝撃的であった。
そのピンクも優しい色合いのピンクではなく、ショッキングピンクに近いド派手なピンクであったコトに、「トヨタはどうしたのだろう?」と、心配になってしまったほどだった。
トヨタ車が多いと言われる名古屋であっても、この「ショッキングピンクのクラウン」は、ほとんど見ることはない。
つい最近見かけたのだが(ピンクのクランを見たのは発売後4回目くらいだ)、「名古屋走り」と言われる荒っぽい運転よりも荒っぽい運転のピンクのクラウンだった。
「運転する人とクルマのデザインや色の感性は、案外合致するものだな~」と、漠然と見ていた。
その後、ファミリーカーとして主婦層に人気の高かった「シエンタ」のデザイン変更があり、「このデザイン、どうよ?」という気がしていた。
ここ1年ほどで、新しいシエンタを見ることが随分増えたように思うのだが、それでも旧デザインのシエンタのほうが多いように感じている。
このような、トヨタの「迷走デザイン」が始まったのは、いつ頃からだろう?と、考えてみると、今の豊田社長になり、「クルマはスポーツだ」というキャッチコピーを頻繁に使うようになってからのような気がしている。
事実、上述した「シエンタ」は、そのようなコンセプトのCMになっている。
「クルマはスポーツだ」というコンセプトに、問題があるとは思わない。
現社長である豊田章男さんは、ご自身がレーシングドライバーでもある。
モータースポーツが趣味と言っても、過言ではないだろう。
気になるのは、それまでトヨタという自動車メーカーが創り上げてきたイメージや客層が、その「クルマはスポーツだ」というコンセプトを受け入れているのか?という点だ。
トヨタは長い間「ファミリーカーのトヨタ」という、ポジションでクルマ作りをしてきたはずだ。
「ファミリーカーのトヨタ」のコンセプトとなったのは、ご存じの方も多い「パプリカ」という車種だった。
日産が「技術の日産」と打ち出せば、トヨタは「ファミリーカー」という位置づけで市場を作り上げてきた。
むしろ「ファミリーカーのトヨタ」というコンセプトが、日本の自動車産業を大きくけん引してきたのでは?と、感じる部分が大きい。
確かに今現在「ファミリーカー」という、市場は厳しいと思う。
何故なら、昭和という時代の標準家庭像が、大きく崩れてきているからだ。
記事中にある「ソフトヤンキー」層が、経済をけん引すると言われ始めたのは、数年前だったと思う。
そしてこの「ソフトヤンキー」と呼ばれる人たちは、クルマに対する興味が他の層よりも強い。
だからと言って、「ソフトヤンキー」と呼ばれる人たちと、ファミリーユースの市場とではどちらが継続性のある市場なのだろう?
そう考えると、クルマであっても市場性を考えたデザインは重要なのだな~という気がする。