積水ハウスの「地面師」による詐欺事件で、今日犯人グループの一部が逮捕された。
逮捕できたことは、良かったと思うのだが、この事件どこかスッキリしないところがある。
それは、積水ハウスが「地面師」と呼ばれる詐欺グループに引っ掛かり、50億を超すお金を詐欺グループに振り込んでいたことだ。
しかも、本当の土地の所有者が、何度か「取引に問題がある」と指摘をしていたにもかかわらず、それを無視していたという。
時事通信:真の所有者指摘も無視=偽造書類見抜けずー発覚後社内対立・積水ハウス
実際の土地の売買をしたことが無いので、土地取引についての知識は無いので違っていたら指摘をしていただきたいのだが、土地取引をするときには、法務局などへ出向いて、土地の所有者の確認を最初にするのでは?ないだろうか?
いくら廃業をした旅館と言えども、駅前の一等地のような場所の土地だ。
戦後直後のように、誰の土地なのか?境界線はどこなのか?全く分からない土地ではないだろうし、最近問題になりつつある「相続者が多すぎて、交渉がなかなか進まない」というような、土地でもないのでは?
実際の所有者は、当然登記もしていたはずだ。
登記簿などを、しかるべき役所で確認をしてから、土地取得の為の交渉を始めるのでは?
この廃業をした旅館の土地を、大手ディベロッパーである積水ハウスが、仲介業者を通して土地購入をするにしても、仲介業者の言いなりで紹介され、契約を結ぶというのも、いくら狡猾相手だとしても解せないのだ。
大手ディベロッパーであればこそ、そのようなチェックは厳しくしているのが、当たり前だと思っていたのだが、どうやら違っていたようだ。
では、何故そのようなビジネスの基本中の基本である「裏どり」をせずに、土地の売買契約を結んでしまったのだろう?
売却価格が、想像していた金額よりも少なく、契約を急がされたのだろうか?
それとも「このチャンスを逃したら、二度とこのような優良物件は見つからない」と、思い込んでしまったからだろうか?
当たり前のようにいくつもの疑問を感じてしまうのだが、詐欺グループのほうが相当上手で、そのような疑問を一つひとつに信頼が置けるような嘘をつき続けることができた、ということだろうか?
なんとなくだが、積水ハウス側が何等かの理由で「思い込んでいた」という、気がするのだ。
よく「嘘」は「100%嘘だと、白々しさを感じてばれるが、嘘の中に本当のことを少し入れると、人は信じやすくなる」と言われているが、まさにそのような「嘘話」だったということだろうか?
大きな物件を建てる時には、様々な嫌がらせのようなものがあるとは聞くが、企業そのものが土地取得に対して「他人事」のような仕事をしていたことが、「嘘」を見抜けなかった理由のような気がしている。