日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今の若者たちのほうがリアリスト?

2019-01-03 20:38:20 | アラカルト

日経新聞のコラムCOMEMOに大阪ガスエネルギー文化研究所の池永さんの「明日の夢を見る人と、今日を懸命に生きる人の違い」というタイトルのコラムがあった。
COMEMO:明日の夢を見る人と、今日を懸命に生きる人の違い

ここ2,3年感じることがある。
それは「今時の若者、凄い!」ということだ。
コラムで取り上げられているような若者たちだけではなく、東日本大震災の被災地で新しい事業をはじめようとする若者たちも多い。
海外に飛び出し、クラウドファンディングなどを利用して、社会事業家を目指す若者たちもいる。
何とも頼もしいではないか。

もちろん、そのような若者たちだけではないことはわかっているが、私が20代だったころ、これほどの行動力があっただろうか?と考えると単純に「凄いな~」と、感心してしまうのだ。
そして彼らは、「若さに任せて(あるいは「若気の至り」のようなノリで)」社会事業家を目指しているのではない。
キチンと、市場を調査し、収益が上がる見込みをたて、事業化をしているのだ。
「大企業にいれば一生安泰」と言われていた時代では考えられない、「自分ができること。自分でなくてはできないこと」を考え抜いた行動力のように思うのだ。

池永さんが描いている「明日の夢を見る人」の多くは、自分らしく社会と積極的にかかわろうとしている若者ではなく、「大企業にいれば一生安泰」というような「安泰思考」の中年以上のほうが多いのでは?という気がしている。
このようなことを書いている私自身もまた、「明日の夢を見る」タイプなのだと感じる点が、多々ある。

ただ、「今を懸命に生きる人」をサポートすることができるのは、様々な経験をしてきている中年以上の世代なのでは?
今の社会は「世代の隔絶」のようなことも言われている。
「バブル経済」を挟んだ「バブルを経験している・していない」という世代の違いだ。
バブル経済を経験している世代は、「モノの豊かさ」というものを知っているし経験をしている。
バブル経済が良い・悪いという問題ではなく、「経験」という視点でみた場合の違いだ。

今の若者たちが、リアリストであればこそ彼らの夢を具体化できる知恵を持っているのは、バブルという社会的豊かさの恩恵を受けた世代なのではないだろうか?
だからこそ「あの頃は良かった」的なノスタルジーに浸るのではなく、積極的にリアリストである若者たちに「君たちの考えを教えて」と、アプローチする必要があるのではないだろうか?
もちろん、「バブルなんて知らない」という世代は「バブルの頃って、どんなことが起きていたの?」と聞いてみることも大切だろう。
実際のところ「バブル」で踊っていたのは一部の不動産と金融業くらいで、多くの企業は「バブルだ」と浮かれているような状況ではなかったのに、社会全体が浮足立っていた特異な時代だったし、そのような時代は今後くることは無いだろう。
だからこそ、「世代の隔絶」ではなく「世代の融合」で、知恵を出し合いサポートすることが必要なのではないだろうか?