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今更ながら「東京オリンピック2020」開催の意味を考えたい

2019-01-15 19:58:03 | 徒然

ここ2,3日ニュースで話題になっている、日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恒和氏の贈賄容疑。
支払ったコンサルティング料を、コンサルティング会社が贈賄として使ったのではないか?その事実を知っていたのではないのか?というのが、問題の争点になっている。
そしてこの問題に関しての記者会見を今日、竹田氏が行った。
朝日新聞:海外メディア「かえって疑惑深まった」竹田会長の会見 (動画・音声あり)

「この会見は、余りにも短く説明にもなっていない」という指摘が、あるようだ。
竹田氏がどこまで知っていたのかは、この会見では分からない。
ただ、それよりも本当に2020年に東京オリンピックを開催の意味を、今更ながら考えてみたいと思っている。
何故なら、この誘致プレゼンテーションで、安倍さんは「東京電力福島第一原子力発電所事故は、アンダーコントロールされている」と、世界に向け話している。
この発言をした時は、アンダーコントロール状態どころか収束の目途もたっていないときだった。
もちろん「アンダーコントロール」の意味を「管理下」と捉えるのか?それとも「事故収束の目途がたち、着々と進んでいる状況にある」と捉えるのかで、随分違うが、少なくともあの当時は半径30㎞以内の地域は立ち入り禁止だったように記憶している。

それから来年にオリンピック開催を控えた今、避難地域となった自治体と住民に対して東京電力も政府も冷たい仕打ちを始めている。
東京電力側は、次々と住民との和解を打ち切り、政府は避難地域住民に対してのサポート打ち切りを打ち出している。
それはまるで「フクシマ事故などありませんでした」という、ポーズのようにも見受けられる。

2020年東京オリンピック開催が決まったときから、既に指摘されてきた「建築・土木関係の人材および重機などの不足」による、被災地復興の遅れは、ほぼ現実のモノとなり始めている。
それだけではなく、昨年全国各地で発生した様々な大規模災害の復興も、東京オリンピック関連に取られままならない状況にあるのではないだろうか?
昨年の大規模災害は、オリンピック誘致の時には分からなかったこととは言え、東日本大震災の被災地の中でも一番復興が遅れてしまっている「フクシマ事故」の避難地域については、誘致当時から想定されていたことだと思う。

2020年東京オリンピックのテーマの一つが「東日本大震災からの復興」だったと思うのだが、住民や被災自治体に対する東京電力や政府仕打ちは、「上っ面だけを整えた復興のポーズ」と揶揄されても仕方ないのではないだろうか?
(個人的には、次に控えている大坂万博開催もいかがなもの?という、気がしている。平成が終わろうとしているのに、このようなイベントを次々と誘致するのは昭和の高度成長期の経済のテコ入れ策を感じるからだ。)

竹田会長の贈賄容疑で、2020年東京オリンピック開催が中止されるとは考えにくいが、日産のゴーン会長逮捕に対する、報復目的が含まれていたとしても、今なぜこの時期にこのような問題が発覚したのか?
それを考えると、東京オリンピック誘致の時点で何らかの無理があったのでは?という気がしている。