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女性マーケターから見た日々の出来事

時代の変化と共に変えていくのは、スポーツも同じ

2019-01-18 20:25:30 | スポーツ

横綱稀勢の里が、引退を発表した。
横綱となってから、怪我による休場が続いたうえの連敗では、辞めざる得なかったような気がする。
それだけ「横綱」という地位は相撲の世界では、厳しくも期待される力士だといえる。
ただ、一部では「日本人横綱」にこだわった相撲協会に潰された(といっては失礼だが)のでは?という、話も聞く。
相撲ファンではないので、なんとも言えないが、確かに今の横綱という地位にいる力士の出身地は日本ではない。
「国技」といわれながら、日本人横綱がいないという事実は相撲協会の焦りがあったのかもしれない。

横綱という地位にある日本人力士が活躍した時代は、いつの頃だっただろう?
ここ数年の相撲界の話題は、「暴力事件」ばかりが目立っていた。
それは時には「かわいがり」という名前で呼ばれることもあったが、傍から見れば「可愛がっている」のではなく「鉄拳制裁」のようにしか見えなかった。
同じようなことが、何度も繰り返され問題視されてきたにもかかわらず、変わることが無かった。

何故変わることが無かったのか?と考えると、「強くなるためには、暴力も必要」というような意識が、スポーツ界のあちらこちらにあったからではないだろうか?
確かに私が中学・高校の頃は、「炎天下でも水を飲むな」などという指導法が、一般的だった。
同様に「精神と肉体を鍛える為には、選手を追い込む必要がある」などという精神論的、指導も当たり前のようにされてきた。
その名残が、今でも大手を振って通用している、というのが現状なのかもしれない。
その顕著なスポーツが、相撲ということになるのかもしれない、と稀勢の里の引退のニュースを見て感じたのだ。

一方、世界を舞台に活躍する選手たちの多くは、上述したような「精神論」のトレーニングはしていないのでは?という、気がしている。
例えばサッカーなどは、プロのフィジカルトレーナーがついて、ポジションごとに必要なトレーニングをしているはずだ。
食事にしても、スポーツ専門の管理栄養士さんがついて、食事のメニューを作成したりしているし、既婚選手の奥さんなどを対象とした「料理教室」を開いているチームもあると聞く。
おそらく、テニスの錦織選手なども単身米国へ行った頃から、そのようなトレーニングのプロが技術面だけではなく、トレーニング全般のサポートをしてきたのではないだろうか?
そのような体制ができていなければ、世界のトップクラスの選手として活躍すること自体、難しくなっているというのが今のスポーツ界なのでは?

そう考えると、相撲界も部屋ごとの親方が指導するだけではなく、トレーニングや食事のプロのサポート体制を組む必要があるのでは?
それは「怪我をしにくい体づくり」にもつながっていくのでは?という、気がするのだ。

海外出身の力士と比べると、日本人力士の体は一昔前のお相撲さん(体形)という印象がある。
日本人力士・海外出身の力士と分け隔てなく、力士を育成するにしても日本人力士の足りない部分を補うようなトレーニングは、差別ではなく必要だと思うのだ。
今までの「稽古」を否定しているのではない。
「国技」であっても、時代の変化と共に「稽古」そのものを変え、食事などを含めたサポート体制を変えていかなくては、相撲そのもの魅力が無くなってしまうような気がするのだ。