日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

SNSが変えるネットビジネス?D2C

2019-10-24 21:02:14 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトを見ていたら、アマゾンが戦々恐々としているビジネスが、急進しているという。
と言っても、日本での話題ではなく米国での話だ。
日経新聞:米ネット直販、アマゾンも揺るがす SNS駆使で台頭

日経の記事は、有料会員向けの記事の為、記事内容全体がつかみにくいと思う。
D2Cについて、分かりやすそうな記事があった。
DIGIDAY:「D2Cは新しい概念ではなく、顧客との関係性だ」オイシックス・ラ・大地株式会社・執行役員 奥村孝司氏

日経の記事にもあったように、D2Cという直販販売というのは新しいビジネスモデルではない。
分かりやすいところだと、PCのメーカー直販サイトだろう。
ネット上で、大まかな価格を知り、ベースとなるPCにCPUなどのバージョンを選び、自分が欲しいPCをつくる、という方法だ。
私が現在使っているPCは、このような方法で購入したものだ。
何故なら、市販をされているPCにはゲームなどがあらかじめインストールされている為、ゲームなどをしない私にとっては不必要だったからだ。
そして、ゲームなどがインストールされていない分、市販されている同等のスペックのPCよりも比較的安価である、という点も魅力の一つだ。

PCのようにある程度規格が決まっていると、このような「自分仕様」のPCをネット上でつくり、見積もり提示をしてもらい、購入の検討をする、ということはし易いだろう。
もう一つメリットがあるとすれば、C2C(「生活者と生活者」)という商取引よりも、遥かに安心感がある、ということになると思う。
それはご存じの通り、C2Cには「商品に対する補償」という点で、常に不安があるからだ。
実際、購入した商品を手に取ってみなくては、ネットで見てイメージ通りのものなのか?という、保証はないに等しい。
何よりも、C2Cで過去問題になったのは「盗品」を、販売していたということが発覚したことだろう。
それに比べ、D2Cは企業側との直接販売ということもあり、安心感と保証がある。

今は企業がSNSを積極的に利用し、企業PRをしている。
これまでの広告との違いは、SNSを使った企業PRは個人との繋がりが持てる、という点だろう。
「商品を購入する・しない」ではなく、「企業に親しみを持ってもらう(あるいは、共感性の創造か?)」という点で、メリットがあるはずだ。
そのようなSNSでつくられた「企業と生活者との直接的な関係」は、規格化されたモノを顧客に合わせたカスタマイズ化しやすいだろう。

もう一つ考えられるのは、中小零細企業にとってもビジネスチャンスとなるかもしれない、という点がある。
元々中小零細企業の不利な点は「大量生産ができない」ということがある。
しかし、生活者と直接つながることで「オーダー注文」という方法が可能になる。
これはファッションに限らず、家具などにも当てはまることだと思う。
そしてSNSによる繋がりが、中小零細企業にとって「大企業の下請け」では気づけなかった「モノづくり」を、見つけることができるかもしれない。

まだまだ、D2Cビジネスの輪郭が見えづらいところもあるが、様々な視点で注目する必要があるかもしれない。