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EV車と寒波

2025-01-11 21:20:20 | ビジネス

年末から今月にかけ、日本列島に寒波襲来している。
昨日の朝は、名古屋でも薄っすらと雪が積もり、午前中は雪が舞うような寒さだった。
考えてみれば、40年位前はこのような寒さや降雪が当たり前だったのかもしれないのだが、あまりにも昔のことなので記憶が定かではない。
逆に、このような寒さと降雪で思い出されるのは、昨年、米国北部を襲った大寒波だ。
特に問題となったのは、テスラが販売をしていたEV車とその高速充電ステーションが機能しなかった、という点だ。
Forbes: 「EVの航続距離」は、氷点下の気温で大幅に減少 その原因と対策 

Forbesの記事は、昨年の1月の記事で、丁度昨年北米を襲った大寒波で露呈したEV車のウィークポイントを指摘した内容となっている。
なぜ、このような記事を思い出したのか?というと、Youtube等で頻繁に登場するEV車の広告を見ながら、昨日の寒さを実感していたからだ。

以前から、指摘されていた事だが、EV車と高速充電ステーションは、寒さに弱いと言われてきた。
寒さに弱いというよりも、その性能が大きく損なわれるといった方が良いのかもしれない。
高速充電ステーションの問題は、EV車に充電する為の接続部分が凍結してしまう、という点が大きな問題のようだが、電気が通っているので急いで凍結部分をとかそうとしても水や温水をかける訳にはいかない。
それ以外の方法で、凍結部分を安全にとかす方法を考えなければならない。
とはいえ、性能そのものが大きく損なわれているので、充電時間もかかってしまう、ということになる。

ではEV車はどうなのか?
おそらくいつも通りの走りは、期待できないだろう。
とすれば、EV車の魅力そのものが、減ってしまう。
排気ガスを出さない等の環境性能としての魅力はあっても、クルマ本来の「走る=移動する」という目的が失われてしまうことの方が、問題となるの明白だろう。

排ガス等の問題を解決しつつ、環境性の高いクルマという点はもちろん、様々な自然環境の中で、クルマ本来の性能を失わないコト、という点が重要になってきている、ということになる。
それを示したのが、昨年北米に襲った大寒波だとすると、今年頻繁にYoutube等に流れるEV車は、そのような問題点を解決しているのだろうか?
クルマを必要としている地域の多くは、公共交通機関が十分に提供されていない地域が多い。
1時間に1本のバスを待つことができる人は、どれほどいるのか?
というよりも、クルマで移動する生活に慣れてしまった生活者に、公共交通機関を使うことの心理的ハードルは高くなりすぎているのでは?

個人で所有するEV車の高速充電システムであれば、車庫の中に設置すれば解決することもできるだろうし、家屋に隣接するようにつくられたビルトインガレージであれば、ガレージそのものを暖めることもできるかもしれない。
ガソリンスタンドのような高速充電ステーションの場合は、場所や天候に左右されないようなステーションつくりが、必要となるだろう。
今までのガソリンスタンドの延長線のような発想では、これから先様々な自然環境の変化に対応できない、ということでもある。

昨年、北米を襲った大寒波。
今年の日本の例年にない大雪等、クルマ本来の目的を十分果たす為のEV車の性能とはなにか?ということを、改めて問題提起をされたような気がする。
果たして、日本の自動車メーカーはどのような「こたえ」を出すのだろうか?




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