日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

視点を変えよう!支援の方法は一つじゃない

2021-01-17 20:03:22 | ビジネス

愛知県下で「緊急事態宣言」が発令されて、初めての週末。
本来であれば、「新年会」等で賑わうはずの繁華街も、夜の8時には店を閉めなくてはならなくなった。
理由はご存じの通りだが、飲食店などの店主さんたちは「飲食業が悪者扱いされている」と、感じていらっしゃるのではないだろうか?
当然、店を閉める時間が長くなるのだから、既に売上が下がっている時にもっと売上が減少するような要請には、「政府の無策のツケを飲食業に押し付けるな!」という、怒りもあるだろう。
文春オンライン:ランチ自粛にサイゼリヤ社長「ふざけんなよと」創業者が語った「最悪のときこそ最高なの」の”真意”

記事の内容はともかく、サイゼリヤの社長が「ふざけんなよ」と思ったこと、おそらく多くの飲食業に携わる人たちの思いの言葉だろう。

そんな話ばかりが聞こえる中「なるほど!そういう方法もあったのか!?」という記事が、Huffpostにあった。
Huffpost:ハイネケン、コロナ休業したバーのシャッターに広告出稿。「シャッター広告」でお店を支援

確かに、店を閉めている=シャッターを下ろしている、という状況だ。
その「シャッター」を「看板」としてみれば、それは「広告スペース」となる。
実際、多くのお店のシャッターにはお店の名前が書いてある。
お店は閉まっていていても、「ここに〇〇(というお店)がありますよ」とアピールをしているのが、シャッターということになる。
「アピールスペース=看板」と考えれば、営業できないお店に代わって製品広告を出せば、お店は閉めていてもそれなりの賃貸料(というのだろうか?)が、入ってくる。
製品広告を出している企業側とすれば、人目にも付きやすいし話題にもなりやすい、という広告効果が期待できる、というメリットがある。
最近多くみられる映像ビジョンの広告は、アピール効果は高いかもしれないが費用も掛かるだろう。
とすれば、広告を出す企業側にとってもシャッターを貸すお店側にとっても、WIN-WINの関係の支援策なのではないだろうか?

そしてこのような「シャッターを広告看板にする」というアイディアは、「シャッター街」と言われるようになった古い商店街の活性化にもつながるかもしれない。
というのも、実家のある米子に帰省する度に感じることの一つが「街が薄汚れている感」がある、ということがあるからだ。
理由は、人口の減少により街中に住む人も商店も激減したため、「街の手入れ」がさなくなってきているからだ。
人の手でつくられたモノ・サービスは常に手入れをしなくては、そのモノ・サービスがどんどん陳腐化し忘れ去られてしまう。
とすれば、人を呼び寄せるための策をしなくてはならないはずだが、それが上手くいっていない、というのが多くのシャッター商店街の問題だろう。
とすれば、ハイネケンが「新型コロナ」で閉店を余儀なくされたバーのシャッターに広告を出すように、シャッターそのものを貸し出す、という方法もあるのではないだろうか?

シャッターを貸し出すメリットは、収入という面だけではなく落書き防止という点でも効果があるのでは、ないだろうか?
上述した「街が薄汚れている感」の中には、シャッターの落書きも含まれているからだ。
企業に貸し出すだけではなく、美術系の学生さん等に「シャッターというキャンバスに絵を描いてもらう」という企画、「シャッターアートコンテスト」のような企画があっても面白いかもしれない。

ハイネケンのシャッター広告による飲食店の支援は、是非日本の飲料水メーカーさんも企画して欲しい、と思っている。
そしてこの広告のアイディアを、「新型コロナウイルス支援」と捉えるのではなく、もっと柔軟な「活性化策」として考えてみても良いのでは?と、考えている。