日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

状況分析の大切さ

2021-01-06 11:20:04 | アラカルト

明日「緊急事態宣言」をするかどうかを判断する、と発表した菅政権。
「緊急事態宣言」は、緊急にするから「緊急事態宣言だろう」という指摘がされている。
「ご指摘の通り」であることには違い無いのだが、安倍前首相の頃から「対新型コロナ対策」のタイミングを考えれば、このようなものかもしれない。

この「緊急事態宣言」を前に、「Go Toキャンペーン」の見直しが決まった。
「Go Toトラベル」に関しては、一旦中止。
「Go Toイート」は、中止というわけではないようだが、飲食店に対して営業時間の短縮要請が出ている。
拙ブログでも「Go Toキャンペーン」、特に「Go Toトラベル」に関しては「感染拡大の要因になったのでは?」という指摘を再三してきたので、「Go Toトラベル」の一旦中止は現状を考えれば必要だと考えている。
その一方で、飲食店に対する営業時間の短縮要請はどうなのだろうか?という、疑問もあるのだ。

というのも、昨年の春~夏の頃のような飲食店でのクラスター発生よりも、高齢者施設や病院でクラスターが発生しているというニュースが多くなってきているからだ。
高齢者施設や病院でクラスターが発生すると、収拾がつかなくなる可能性が高くなるのでは?と、考えるからだ。

高齢者施設であれば、入所している方そのものがリスクの高い高齢者ということになる。
「重症化しやすい環境」という視点で考えれば、飲食店よりもそのリスクは高いはずだ。
一人重症者が出てしまえば、あっという間に施設そのものが「重症者病棟」のような状況になりかねないのが「高齢者施設」である、と考える必要があるのではないだろうか?

同様に病院でのクラスター発生も、「重症化しやすい環境」にあるのでは、ないだろうか?
病院などでクラスターが発生してしまえば、その病院そのものを一時閉鎖をする必要があるだろうし、そのような状況になれば逼迫した医療体制そのものが、崩壊の要因となってしまう。

ニュースで取り上げられる内容は、全国で発生しているクラスターの一部だと思う。
そもそも「感染ルートが追跡ができない」という場合のほうが、遥かに多くなってきている。
とすれば、飲食店だけを対象に営業時間の短縮要請をするのではなく、「現在の感染者がどの場所で多くいるのか?」という、発生場所などの分析を進め、集中的な対策を取るという発想も必要なのだと思う。
逆に感染拡大防止策を徹底している飲食店や小売店に対しては、通常通りの営業を認めるなど、柔軟な対応策が経済を動かすという点では、検討する必要があると思う。

そしてそのような場所に対して、日本の大学や企業が研究を進めている「ウイルスの不活性化システム」を、実証実験を兼ね導入する、ということも必要なのだと思うのだ。
実際、ノーベル物理学賞を受賞した名大の天野教授のチームと民間企業が共同で「新型コロナ感染力抑制ロボ」の商品化を目指している。
中日新聞:ゆけ!感染力抑制ロボ 名大・天野教授チームなど 今春商品化

「新型コロナ」に限らず、状況分析をし・分析結果から考えられる施策は、どのような場面でも必要だろう。
そのような「状況分析力・分析結果を活かす多角的発想」は、これからますます必要とされるのではないだろうか?