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岸田総理の所信表明「デジタル田園都市構想」って?

2021-12-07 20:13:10 | アラカルト

今朝FM番組を聞いてたら、昨日の岸田総理の所信表明演説の中にある「デジタル田園都市構想」について、取り上げていた。
事業構想:岸田総理大臣 所信表明演説デジタル田園都市に4.4兆円

FMで聞いていた時は、「デジタル田園都市構想」の予算額は2桁程少なかったような気がしたのだが、4.4兆円規模となると、大きな予算額という印象を持つ。
予算規模ではなく、その内容の方が重要である、ということには変わりはないのだが、総花すぎてあれもこれもと「盛り込みすぎ」という気がしてくる。
「所信表明演説」という場面なので、どうしても総花的な話になってしまうのは、仕方ないとは思うのだが、「デジタル田園都市」の目的とは何か?という点をもっと絞ってくれた方が、分かりやすい気がする。

この「デジタル田園都市」の肝となるのが「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」だ。
昨年あたりから盛んに目にすることが多くなった感のある「DX」だが、その意味となると「???」という方のほうが多いような気がする。
調べてみると「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(Wikipediaの経産省による定義より)」ということになるようだ。
もっと分かりやすい言葉にするなら「データとデジタル技術を活用することで、(市場)競争上の優位性を確立」ということらしい。

このDXと「田園都市計画」とが、どう結びつくのか?という点だ
実は、この「田園都市計画」というのは、故大平正芳総理の時にも言われていたことであり、その後も「首都移転」などによって、東京一極集中から地方分散という構想が「生まれては消え」ということが繰り替えされてきた、という事実がある。
それほど、東京一極集中から地方への分散は難しいのだ。
日本を丸ごと「つくり替える」位の覚悟というか、気持ちを持たない限り、現在の東京一極集中は終わらないだろう。
だからと言って、地方がこのままある種の閉塞感を持った状態が続くことは、決して日本経済にとってプラスではない、と思う。
何故なら、地方経済が行き詰ると日本の経済そのものが、行き詰ってしまうからだ。
というのも、東京は地方から「人・モノ・カネ」が集まっている場所だからだ。
逆に言えば、地方経済がダメになってしまうと、東京も早晩ダメになってしまう。
それは日本経済だけではなく、経済に支えられている国そのものもダメになってしまう、ということを示している。
(ここでは、ドラマ「日本沈没」のような災害による損失は、加味しない)。

とは言っても、今まで「東京一極集中」が崩れなかったのは、東京が持つ発信力や情報量だった(と考えている)。
それがITやデジタル技術、何より網目の様に張り巡られた情報のネットワークであるインターネットの普及により、「地方でも様々なチャレンジがしやすい環境」になりつつある。

岸田総理の言う「新しい資本主義」や「デジタル田園都市計画」そのものは、イマイチよくわからない所が多々あるのだが(私の場合)、少なくとも今の若い世代は「東京で暮らす以上の価値」を地方から発信することができれば、生活者の流れは変わっていくのかもしれない。