毎日新聞のWebサイトを見ていたら、「企業よりも自治体や国の方が、説明責任が求められるようになってきているのだな~」と、感じる記事があった。
毎日新聞:検証・ふるさと納税で問われる使い道「奇跡の町」から学べることとは
「ふるさと納税」については、先日にも話題があった。
Sankei Biz:「ふるさと納税で稼いでもらっちゃ困る」地方自治体の自立を妨げる”霞が関の罪深さ”
ネットサイトを見ていても、様々なECサイトが「ふるさと納税サイト」を立ち上げ、返礼品のリストを公開している。
その自治体内で生産され、市場の人気がある商品が「ふるさと納税返礼品」となっている場合が多いようだ。
一昨年だったか?返礼品として適切ではない、として、大阪の泉佐野市をはじめとする3市町村は「ふるさと納税」を募集している自治体から外されたということもあった。
最終的には、最高裁で泉佐野市の訴えを認めるという結果になったが、この時問題となったのは「ふるさと=該当自治体との関連性の有無」という点だったように、記憶している。
Diamond on-line:ふるさと納税、「国vs泉佐野市」の最高裁判所でも残った根源問題
とはいえ「ふるさと納税返礼品サイト」では、納付額に対して返礼品がどのようなモノなのか?という点に注目されたコンテンツになっているし、ネット上では「お得な返礼品情報=納付額よりもリターンが多いと感じる返礼品」などの紹介サイトが目に付く。
数多くの返礼品の中から「ふるさと納税」に選んでもらうためには、地場産業などとは関係が無くても、納税してくれる人が魅力的であると感じられる返礼品を用意する必要がある、ということを、泉佐野市などは示していたのだと思う。
そのような「納付額に対してどれだけリターンが多いの?」という価値観から、納税者の意識が変わりつつある、というのが、毎日新聞の記事なのだ。
記事を読んでいくと、いくつかのポイントがある事に気が付く。
その中でも「納付された税金の使い方」について、報告をしている、という自治体に納付額が増えている、という点は上述した「納付額に対する高リターン」への期待ではなく、「ふるさと納税」が始まった頃の「ふるさとを支援したい」という気持ちの人たちが、増え始めているのでは?と、感じさせる。
「ふるさと納税」をする人達の動機は、様々だ。
例えば、熊本で大地震が起きた時、被害が大きかった自治体に対して「返礼品不要」の「ふるさと納税」が増えたという。
このような、突発的な財政困窮状態に対して「ふるさと納税」という方法で、支援してもらえることは、自治体にとっては大きなメリットだっただろう。
それから、より社会が求めているのは「税金の使い方」について、興味が移り始めているようだ。
考えてみると、このような「税金の使い方=透明性と説明」が明快にされる事で、「自分のお金がどのように使われたのか?」という納得が重要であり、使われ方が公正であれば継続して納税しても良い、と考える人たちが増えてきているのは当然だろう。
それは「ふるさと納税」に限ったことではなく、国の税金の使い方もまた「透明性と公正さ」が求められるようになってきている、ということでもあると思う。
毎年のように会計検査院から発表される「税金の無駄遣い」に対して、どの省庁からも説明を聞いた記憶がない。
それは国民と政治の信頼関係を、政治側が持ちたくない!と表明しているように思える。
そのコトに、霞が関とその中心にいるはずの国会議員たちは、気づいているだろうか?