日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

テキストに従うのではなく、テキストから考えるコトのほうが大切かもしれない

2022-05-02 16:49:45 | ビジネス

和楽Webを見ていたら、面白い記事があった。
和楽Web:日本の離乳食は「超丁寧」だった。海外から学ぶ、気軽な離乳食の進め方

拙ブログに来られる方の多くは、男性だと思われるので「離乳食」そのものに興味がないと思う。
「離乳食」に限らず、育児全般に関してどれだけ実践をされているのか?という点で、「育児をしたいが、現実は難しい」という状況にある育児パパも数多いのではないだろうか?
実際、日本の男性の「育児休暇」の取得率はとても低い。
低い理由について、あれこれ述べる必要はないと思う。
日本の社会全体が「育児の中心は女性」という意識が強い為、「育児の中心は女性」ということになっているのでは?
そのことを云々する気はない。
それぞれの家庭の事情が違う為、声高に「男性も育児参加!」といったところで、現実が許さないという状況と潜在的社会意識を変えなくては難しいだろう、と考えている。

今回この記事を取り上げたのは、「離乳食」という切り口から諸外国との比較の違いから、「何を変えなくてはいけないのか?」という点だ。
記事にあるように、日本の育児書はこと細かく子どもの成長に合わせたknow-howやhow-toのようなモノが、書かれているコトが多い。
育児経験はなくとも、育児経験のある友人たちとの会話から、そのようなことを実感することも多々あった。
育児書に書かれているコトが、標準的な成長でそれ以外だと成長が遅れているのでは?とか、自分の子育てに問題があるのでは?と、不安になる新米ママも数多くいるのだ。
そこに、実母や義母から「自分の頃は、〇〇だった」という、助言まで入ってくる。
しかもその助言が、事細かな内容であれば、実践経験があるということも含め、忠実にしなくてはならないという思考に陥りやすい、というのも日本の子育て環境なのでは?という、指摘をしている記事のように読めるのだ。

そしてこのような状況は、何かに似ているのでは?という気がしたのだ。
それは、「成功ビジネス本に翻弄されるビジネスマンの姿」と重なるような気がしたのだ。
本来であれば、ビジネス本を読んで「自分ならどうするのか?」と、考えるコトのほうが重要なはずなのに、書かれているknow-howを忠実に行えば、自分でも成功するという、思い込みだ。
まして、相手はhow-toやknow-howで通用する相手ではない。
何故なら、相手は「人」だからだ。
how-toやknow-howは、技術的なモノであって「道具の一つ」でしかない。
「アイディアの道具」といえば、わかりやすいかもしれない。
「育児書」をテキストだと考えれば、「テキストに従う」のではなく「テキストから自分ならと考える」コトで、その考える幅は広がっていく。
決めごとを少し減らすことで、見えてくる様々なモノ・コトがあるのだ。

おそらくこの「海外の育児」を知る事は、自分が知らない方法を教えてくれるというよりも、「もっと大らかに考えましょう」ということを示唆してくれているのだと思う。
同様に、ビジネスの世界でも「ビジネスの基礎知識」となる大地は必要だが、「know-howやhow-toというテキスト」に縛られるのではなく、そこから「自分ならどうする?」という「考える種」だと考える必要があるのでは?