日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「人が出会う場所」が必要だ

2022-12-08 20:12:21 | アラカルト

ファッション専門誌のWWDのサイトを見ていたら、「コロナ禍後」に必要なモノとは何か?と、考える記事があった。
WWD Japan:渋谷・神南の公演のファッションイベント盛況 仕掛け人は設計事務所 

「コロナ禍」になる前から、東京に行く機会がほとんどなく、まして渋谷などは30年以上前に行ったっきりで、今の渋谷を知らない。
ハロウィンなどで、大騒ぎをする渋谷の交差点位しか、思い浮かばない。
その程度の情報しかないので、渋谷から神宮南あたりで、空き店舗が増えているというイメージを持っていなかった。
やはりここ3年ほどの流行り病で、人出が減ったことで撤退をする店舗が増えている、ということなのだろう。

そのテコ入れ策を打ち出したのが、大手設計事務所の日建ということのようだ。
日建側としては、街の活気を取り戻すことで新たな店舗設計の依頼があるのでは?という、期待があるのだと思う。
もう一つあるとすれば、「街のリノベーション」だろう。
「街の活性化」というよりも、「街をつくり変える」というニュアンスで「リノベーション」の方が、イメージしやすいと思う。

その中心となるのが、「公園」ということのようだ。
確かに「公園」という場所は、様々な人が集まりやすい場所でもある。
都会の公園では、ボール遊び禁止とか、大きな声を出さない、砂場は撤収という状況になっているとは聞くが、緑あふれる公園であればそのような規制はあまり関係がないのかもしれない。
そのような場所で、ゆったり・のんびり時間を過ごす、というのは「コロナ禍」の中では、贅沢な時間となっているような気がしている。
何より、「コロナ禍」で「人と出会う」ということが制限されてきた為に、社会全体が「対人」という感覚を失いつつあるのでは?と、感じることがある。
何より、室内に籠る生活が長くなることで、どことなくイライラしている人が増えているのでは?と、感じる場面が増えている気がしている。

以前から、日本の社会は「自己責任の社会」と言われ、個人に対して厳しいことが多い。
それが「コロナ禍」によって、よりいっそう強くなってしまったのでは?ということなのだ。
とすれば、緑豊かな公園で様々なイベントやマーケットを見てまわるだけでも、気分は随分リセットされるのでは?
その「気分のリセット」がされることによって、また新たな活気が街に蘇ってくるということへの期待が、あるのではないだろうか?

「街に活気を取り戻す」為に一番必要なことは、「人が集まる場所がある」ということだ。
人が集まることで、情報が交換され広がっていく。
これが「楽市楽座」の考えのもとだったはずだ。
街に賑わいを取り戻すことで、また新たな人を呼びより一層の賑わいとなる。

そしてこの仕掛けをしているのが、日建という設計事務所である、ということもまた、重要なポイントだろう。
ファッション関係、物販、飲食と様々な業種が集まるとなると、全体のバランスを考えなくてはならない。
どの業種にも属さないことで、ある種の公平性を保つことができるはずだ。

一見何の関係もない業種が、中心となって「人が集まる場づくり」を仕掛けるのは、違和感を感じるはずだが、むしろ関係がないからこそ、自由に人が集まれる場を仕掛ける事ができるのでは?と、考えている。