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有力政治家と地方の関係

2022-12-28 20:02:08 | アラカルト

Yahoo!のトピックスにも取り上げられて入いる杉村大蔵氏の「有名な政治家を抱える県は衰退する」という記事。
的を得ている、というか多角的な見方をすると「地方の衰退理由の一つ」が分かるような気がした。
中日スポーツ:杉村大蔵「有力な政治家を抱える県は衰退する」改正公職選法について、「的を射ている」と賛同の声 

改正される公職選法というのは、国会議員の全体数は変わらないが、一部地域では、議員定数が増減する、ということになる。
この時、削減されるのは「有権者が少ない県」ということになる。
逆に増えるのは、「有権者が増えている都道府県」だ。
このような「有権者」が少ない地域の方が「投票率が高く」。逆に「投票率が低い」地域の方が「有権者が多い」という傾向は、長い間続いていることだ。

「投票率が高い」からといって、本当に政治に興味があるのか?と言えば、「自分たちの街にお金を落としてくれそうな人」には興味があっても、「政治に興味があるわけではない」という場合の方が、多いのでは?という気がしている。
長い「日本の政治は、利益誘導だ!」と言われてきたが、それはある意味、本質を突いているように思っている。
しかし、「利益を誘導してくれる議員」の数が減ってしまえば(あるいは、いなくなってしまえば)、その「利益」をあてにしてきた自治体は、衰退していくであろう、ということは誰もが分かるはずだ。
議員の数が増えても・減ってももともと投票率の低い地域は、「政治そのものに興味がない」というだけではなく、ある程度の都市規模があるので「利益誘導」による、地域経済の活性化などへの関心もそれほど高くないとも考えられる。
地域経済の活性化に対する関心が高くない、というよりも「地域そのものに興味が高くない」というべきかもしれない。

もう一つ考えられるのが、「有力議員の引退」等による、パワーバランスの変化だ。
有力議員であっても、いつかは政治の舞台から去る日はやってくる。
その時、地元の定数が減っていれば、自分の親族に引き継がせたくても、引き継ぐ地盤が無くなる、ということも考えられる。
世襲と言えども、前任であった親世代とは持っている「力」が、まったく違う。
そのために同じ党内から立候補を出すことも、難しくなるだろう。

ただ、これまでの「利益誘導型地域活性化」の多くは、必要としているのかわからないインフラ整備事業であったり、特定の業種に対しての利益還元となるような内容だったりしていたのでは?という印象を持っている。
むしろ「利益誘導」ができなくなった地方自治体は、「自分たちで税収を増やす」ということを真剣に考える必要がある。
「自分たちで税収を増やす」ということが考えられる自治体と、考えられない自治体との「格差」が、今後起きてくる可能性は高くなるような気もしている。