日々是マーケティング

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「考える」=「ゴールという目的の道筋」

2022-12-18 20:04:37 | アラカルト

しばらく前から気になっている記事が、Huffpostに掲載されている。
Huffpost:職場での「よく考えて」、何を、どう考えればいいのか?具体的な対策を教えます 

日本の企業が「how-to」的な指導から「よく考える」指導に代わりつつある(ように感じている)。
この背景にあるのは、学校教育の中で「how-to」よりも、「よく考える」というあり方に代わりつつあるからだろう、と想像している。
いわゆる「詰め込み教育」からの脱却ということだ。

とはいうものの、社会ではビジネスの「how-to本」の方が、人気があるように感じている。
本を読みながら、「自分だったらどうする?」という、疑問を持ち、その回答を考える、という習慣がないからだ。
それだけではなく、「仕事に不慣れな人であっても、一定水準以上の成果を出す」ということを考えると、意味や理由を理解せずに半ば機械的な回答を出すことの方が、「合理的」とされている。

ただそのような「合理的」という考えから「自分で熟考する」ということは、応用はできても時間がかかりすぎる。
だからこそ、「どのように考えれば良いのか?」という、方法の理解が必要ということになるのだ。
読んでいただくと分かると思うのだが、この記事は社会的生き辛さを持っている人達を対象として、書かれた内容になっている。
しかし「生き辛さを感じている人」に限ったことではなく、最近「考える事が苦手」なのかな?と、感じる人が多くなってきているように思う。
そのような人達の多くは「考える事に慣れていない」のでは?という印象を持っている。

と同時に、この記事を読んだときしばらく前にベストセラーとなった、あるビジネス書を思い浮かべた。
その本のタイトルは「The Goal」。
発刊された時には、書店で平積みされていたので、読まれた方も多かったのではないだろうか?
私は、書店で平積みされている本の厚さで挫折をしてしまったので、本そのものは読んではいない。
ただ「目的を理解し、目的を達成するためにどうすれば良いのか?」と、考える事はこの本が登場する前から、ビジネス本では再三言われ続けてきたことだ。

にもかかわらず、それができにくいのは「目的」が「目標」になったりして変質してしまうからなのでは?
何より「目的」そのものが組織として共通理解がされていないと、「目的の本質」が違うモノになってしまう。
「The Goal」の中では「企業の最大の目的は『利益』である」と書かれているようだが、その「利益」でも「顧客利益」なのか?「自己利益」なのかで、随分違ってくるはずだ。
このような一見当たり前のようなこと柄を共通認識しないと、目的そのものがズレてしまう。
当然「よく考える」前の時点で、バラバラな方向性に向かって進もうとしている。ということになる。

そのようなことが無いように「思考の道筋」ということも必要になってくるのでは?
それは「あぁなれば・こうなる」というような単純なモノではなく、起きうるであろう様々な問題点を洗い出しておく必要がある。
「問題点の洗い出し」という目的設定をする必要がある、ということなのだ。

とすれば、最初から「大きな目的」を掲げるにしても、その下にある「目的を達成するための小さな目的」を考え、積み重ねていく必要がある。
おそらく「考える事が苦手」という人の多くは、そのような「考える道筋」を辿ることが、苦手なのでは?という気がしている。