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防衛費の増額に思う

2022-12-11 21:38:25 | 徒然

先週、にわかに話題となっている「防衛費の増額」。
現在話題となっているのは、その原資だ。
増税なのか?国債の発行なのか?という点で、岸田首相の「段階的増税」という発言によって、「様々な物価が上昇し、実質賃金が上がっていないような状況での増税は、国民から反発を受ける」という内容の発言が、与党内から出ているようだ。
産経新聞:首相、防衛費増額で国債否定 増税「複数年かけ段階的に」 

今のような円安の状況で、増税をするとなれば国民からの反発は必至だろう。
増税の矛先(?)は、企業にも向いていることから、財界からの反発も予想される。
「憲法九条を守る」という趣旨で活動をされている団体とは別に、今の状況での「防衛費増額」は、防衛という視点ではなく、経済という視点で反対が出る、というのが今の日本の経済状況なのではないだろうか?

ただ、防衛費増額の前に一つ考えたいことがある。
それは、過去の領空・領海侵犯に対しての日本政府の態度だ。
覚えていらっしゃる方も多いと思うのだが、「尖閣諸島の度重なる領海侵犯」ということがあった。
この時、海上保安や海上自衛隊は、領海侵犯をした潜水艦の国籍を把握していた、と言われている。
しかし、日本政府は領海侵犯を犯した国に対して、積極的な抗議を行うことは無かった。
一節には、「経済関係を重視して」ということも言われていたと思うのだが、「領海侵犯」と「経済関係」は、同一の問題ではないはずなのだ。
例え相手国が、国連の常任理事国の一つであったとしても、日本の領海に堂々と侵入をし、それなりの調査活動を行っていたのだ。
独立国として、日本は正式なルートを通して、「遺憾」ではなく「抗議」をすべきではなかったのか?という、気が今でもしている。

このような「領空・領海侵犯」を繰り返すことで、相手の国々は日本の「弱腰外交」と呼ばれる外交政策を、見てきたのでは?ということなのだ。
「経済問題」としてすり替えたのは、第二次世界大戦後の「敗戦国・日本」という立場があったからなのでは?という気がしているが、それとは別に独立国・日本という立場もあるはずなのだ。
確かに、米国の「核の傘の下」で日本は、飛躍的な経済成長を遂げる事ができた。
それは紛れもない事実だ。
「米国の核の傘の下」にいるから、米国の顔色を窺い、「経済発展が目覚ましく、経済互恵関係重視」という理由で、「領空・領海侵犯を繰り返す国」に、「抗議をしない」ということは、果たして日本という国の利益になっているのだろうか?という、ことなのだ。

最初の弱腰な対応が、今「防衛費増額」ということに繋がっているのでは?という検証を、何故誰もしないのだろう?
その部分を政府がきちんと明言をせずに、「防衛費増額」という点だけをクローズアップされるようであれば、過去「防衛費増額は、日本が武力強化に乗り出し、危険なことだ」という近隣国の喧伝に使われるだけのような気がするのだ。