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「数字」のつくりだす「イメージ」ー新型コロナの重症化率・致死率と感染者数と累計死亡者数ー

2022-12-22 20:09:54 | アラカルト

昨夜遅く、「新型コロナ」の致死率についてのデータが、厚労省から発表された。
厚労省:新型コロナの重症化率・致死率とその解釈における留意点について (PDFファイル)

PDFファイルの為、一部を抜き出すことができなかったのだが、ファイルの3~5ページの表に注目して欲しい。
3ページ目の世代別の令和4年の1月~8月までの重症化率と重症者が亡くなった致死率を見ると、高齢になればなるほど重症者も増えるし、致死率も増える、ということが分かる。
特に80代を越えると、重症化率も致死率も、急激に増える。
増えると言っても、90代は3%程度の致死率だ。
これは、「新型コロナ」が、流行し始めた2020年頃から、ずっと言われ続けていることだ。
だからこそ、政府は「新型コロナワクチン接種」の対象を高齢者から始めたのだ。

4,5ページは、季節性インフルエンザ、新型インフルエンザA(H1N1  pdm2009 ) と、新型コロナウイルスの重症化率と致死率が、年齢別になっている。
この表を見ると、今現在流行している「新型コロナウイルス」は、従来の季節性インフルエンザや新型インフルエンザに比べると、重症化率も致死率も低い、ということが分かる。
とすれば、今の状況は「新型コロナ」ではなく、「季節性インフルエンザ」等の感染拡大防止に努めるべき、ということになる。
しかし、今でも「新型コロナ」は「感染症2類相当」であり、「季節性インフルエンザ」は5類だ。
このようなデータを基に「新型コロナ及び季節性インフルエンザ対策」を考えるならば、インフルエンザの予防ワクチン接種を、もっと積極的に行うべきなのだ。

確かに今現在の「新型コロナワクチン」は、「季節性インフルエンザ」にも効果的であると、宣伝をしている(ようだ)が、生活者の多くの関心は今だに「新型コロナ」であり「ワクチン接種=新型コロナワクチン」だという気がしている。
その理由は、毎日発表される「陽性者数と死亡者数」だけだからだ。
厚労省:データからわかるー新型コロナウイルス感染情報ー

「陽性者数が2万人を超えた」とか「亡くなられた方の累計は54,365」という数字だけを知ると、その数字の大きさに驚き、予防策を徹底しなくては!という気持ちになるのは、十分に理解できる。
しかし注目して欲しいの刄「陽性者数が2万人を超えた」と「重症者数」は、同一ではない。
おそらく陽性者の多くの方は、「ちょっと酷い風邪」という程度だとすると、その発表される「数字」そのものの意味が、なんだろうか?ということになる、
まして、死亡者数の人数が累計となってしまえば、単純に陽性者数と死亡者数の数字の意味は全く違ってしまう。

ところが数字の背景となる情報(=陽性者数は1日分、死亡者数は累計)に注意せずに、「数字だけ」で騒ぐようなことになってしまう。
厚労省だけではなく、そのデータを情報として伝えるメディアも、「数字のイメージ」という点を、もっと考えた発表をしてほしい。
それが無くては、いつまでも「不要な不安」ばかり煽られて、いつまでたっても「新型コロナウイルスは、怖い」と、生活者に刷り込まれてしまうのではないだろうか?