日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

グローバルな時代だからこそ、大切なモノ

2022-12-04 20:40:00 | アラカルト

FMを聞いていたら、「なるほどな~」と感じる話があった。
TFM 復興支援PROGRAM Hand in Hand:デザインの力で気仙沼を発信! 『BLACK TRADE BREWING』 

番組タイトルを見ていただければ分かるように、東日本大震災の被災地を応援する番組としてスタートをし、その後新たな震災地となった地域の復興支援をレポートし、「復興中の現在」を伝える番組だ。
番組そのものは、おそらく10年位継続的に放送されていると思う。

その中でも特に、番組制作のきっかけとなった「東日本大震災」の被災地における復興状況のレポートは、継続的に放送されその度に、「地域活性化」について様々な視点やアイディアを感じる事がある。
例えば、東日本大震災の復興のシンボルとも言われている「JR女川駅」周辺。
この復興の為の街づくりの拠点となっている「JR女川駅」を、どのような位置づけとして考えるのか?ということに、当時の小学生(だったと記憶している)が、被災した女川駅を背にしたとき「新しい街の始発点」という風景を想像したという。
その言葉に、復興計画の担当者を含め関係者が「ハッとした」という話がある。
この「街の始発点」という発想から、今現在の「JR女川駅」の再建が始まり、周囲の街づくりが始まった、ということになる。

そして今回の放送で、考えたことは「グローバルな時代だからこそ、地域文化を知ることの大切さ」という点だ。
よく言われることだが、「海外に行くと、日本人としてのアイデンティティとは何か?」お言うことを考えさせられる。
海外の中でも欧米では、自分のルーツとなる文化を知っていることを聞かれることが、少なくないからだ。
「英語や他言語が話せる」ことが、グローバルな人間ではなく、自分のルーツとなる文化を理解し、話せることがグローバルな人間と認められる、ということでもある。

ただ残念なことに、このような視点で地域文化に対しての教育が、しっかりとされているのだろうか?と、疑問に感じる事が最近多くなってきている。
「英語を含む外国語教育」に対しては、熱心な親御さんは多いようだが、自分たちのルーツとなる文化に対して積極的にかかわらせる親御さんは、少ないように感じている。
様々な日本的な年中行事なども、商業主義的なイベントと化しているような気がすることがある。
一般的な年中行事ですら、そのような傾向がみられるのだ。
地域のお祭りやその土地のいわれなどは、知る由もないだろう。
そもそも、学校でもそのような授業はほとんどなくなってきているのでは?という、気がしている。
もちろん、学校の授業で教える・教えないというのは、地域差があるだろうし、指導要綱などでも特に記述がされていないのかもしれない。

そのような状況で、この番組の「自分は、自分たちの地域のことを知らなかった」という言葉は、とても重要だと感じたのだ。
グローバル化の時代だからこそ、世界で活躍するためには、「自分のアイデンティティ」となる生まれ育った地域の文化やその土地のいわれなどを知る必要があり、それが「グローバルな教養」と認められるのではないだろうか?という気がしている。