日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

JR西日本だけじゃない。地方の銘品通販販売

2023-02-14 21:37:26 | マーケティング

昨日、エントリをした通りしばらく父の病気の付き添いのために、帰省をしていた。
実家に帰る時は、時間の関係もあり新幹線→在来線を利用。
帰りは、高速バス→近鉄を利用して、名古屋へ帰ってきた。
このようなルートで帰省した時の楽しみの一つに、乗り換え時間を利用した駅の売店や休憩するPAでの地元商品を買うことだ。
買わなくても、地方の様々な銘品を見て歩くだけでも、どこか楽しい気分になる。

そしてここ数年の傾向として見られるのが、JR西日本が展開をしている「せとうちコレクション」と呼ばれる、地域の美味しいものだ。
JR西日本:ふるさとおこしプロジェクト せとうちのおいしいシリーズ

瀬戸内の隠れた名産物を加工し、新幹線の車内で手軽に食べられるようになっているスナックだったり、お菓子だったりする。
私が利用するのが、岡山駅の新幹線から在来線に乗り換える時のおみやげ売り場なので、本来の岡山駅構内でもあるのかは不明だが、一般的な「お土産」とは違い、旅気分を味わいながらちょっと贅沢で珍しい瀬戸内の銘品をいただける、と人気の売り場となっている。

これに対抗しようとしているわけではないと思うのだが、名古屋に帰る時に利用した高速バスの休憩地・上月PAでNEXCO西日本が、管轄エリアの北陸・関西から九州までの銘品を集めた、オンラインショップのチラシを見つけた。
NEXCO西日本オンラインショップ:24の"ものづくり”と"すぐれもの”再発見 

以前からNEXCO西日本では、観光ガイドリーフレットのようなものをSAやPAに配布しており、その中で特集をしていたお土産や銘品などをオンラインショップで購入できるようにしているようだ。
もちろん、各地のSAやPAにはその地域ごとの銘品がおかれ、販売をされている。

おそらくこのような交通各社や高速道路各社が、積極的に「地域の隠れた銘品を販売する」という動きがあるのでは?という、気がしている。
残念なことに、私自身の行動範囲が限られているため、全国の状況は分からない。
一つ感じるのは「利用者を増やしたい」という意識の強い地域の企業ほど、このような「地域の隠れた銘品」の掘り起こしや地元高校などとのコラボレーション企画に、積極的な印象を持っている。

その理由は、改めて説明するほどではないかもしれない。
例えば、JR西日本では「せとうちのおいしいシリーズ」は「せとうちパレットプロジェクト」という、観光プロジェクトの一環として、展開をしている。
JR西日本:せとうちパレットプロジェクト 

この「せとうちパレットプロジェクト」と連動するかのように、「コロナ禍」の2022年春頃から積極的に瀬戸内地域の地方自治体がYouTubeなどで観光動画をUpさせてきている。
JR西日本のように、関西地区以外では大幅な黒字が見込めない地域を抱えているからこそ、沿線自治体と協力をしあい、積極的な観光誘致が必要なのだろう。
それは国鉄時代から続く地方とJRの観光キャンペーンから続いている関係があってのことなのかもしれない。

それに対して、運送の大動脈となりつつある高速道路各社であっても、指をくわえているわけにはいない、ということだろう。
何より、高速道路と鉄道沿線はある程度すみ分けのようなものができている。
高速道路の場合、地域的には山間部を抜くように造られているので、それまで観光スポットとして注目されにくかった地域を、網羅することができる、というメリットがある。

鉄道や高速道路各社が、地域の活性化に積極的になり始めているのであれば、それを上手に活用する事で、これまでとは違う「地域活性化」というアイディアが今後生まれてくるのでは?という気がしている。