このところ、話題となっている「中国からの気球」。
アメリカにほど近いカナダの五大湖近くで撃墜されたことは、記憶に新しい。
その後、日本でも同様の話題があり、日本の場合昨年だったか?東北地方で目的された気球と今回追撃された気球の形状が、ほぼ同じであったことから、麻生副総理は「(中国からの気球を発見すれば)撃墜の可能性を明確にする必要がある」という趣旨の発言を麻生派の会合でしたようだ。
日経新聞:麻生太郎副総理「撃墜の可能性明確に」、気球対応を巡り
このような発言をすると、中国側からは不快感を示す話が出てくる。
当然と言えば当然なのだが、麻生副総理の言っているのは「気球について」であって、「中国からの気球」とは断言をしているわけではない。
政治家としての言葉を濁しながらも、その「気球はどこから来たものなのか?」ということを言っているため、中国側が反発をしている、という「政治の駆け引き」のようなことに発言だ。
そして多くの日本人は、麻生副総理の「気球」は中国から飛来している気球を指している、と感じているはずだ。
この米国上空で見つかった気球に対する米国側の対応は、国民世論に後押しされ撃墜したような印象がある。
米国側は、この気球の飛行ルートを辿り、米国にとって気密性の高い場所に飛行している、ということを把握してから撃墜したように思える。
撃墜の理由は、米国の軍事施設上空を通過していたからだ。
単なる気球であれば、見逃すような事もあったかもしれないが、今回撃墜された気球は明らかに遊びや気象情報収集という目的とは思えない飛行ルートだったのだ。
この一連の「気球の動き」をニュースなどで知った時、以前中国が「人民大会」だったと思うのだが、「今後中国は宇宙をも領土とする」という趣旨の内容を議決していたことを思いだしたのだ。
中国の言う「宇宙をの領土にする」ということは、宇宙基地などを想定していたのではなく、衛星などを使った攻撃などにより情報を手中に収め、武力的にも経済的にも優位に立つ、ということだったのだ、ということに気づいたのだ。
以前から言われている事だが、「これからの戦争」はこれまでのような戦闘からネットなどの情報システムを攻撃するような方向へと向かう、ということが現実的なモノへとなりつつある、というのが今回の「中国の気球」だったのではないだろうか?
今回は気球だったが、長距離のドローンなどを使えばその攻撃計画はより多様化するかもしれない。
実際の戦闘員(という言葉が正しいのかわからないが)が、戦地に赴くことなく相手国の生活者に大打撃を与える、ということでもある。
現在のロシアによるウクライナ侵攻は、「エネルギー」と「領土」の取り合い、という点も含まれているので、軍事侵攻という方法をとったのでは?という気もしている。
「資源の取り合い」が、今後の紛争の対象となっていく可能性は高いと考えているのだが、となれば軍事侵攻をしつつ、侵攻した国を支援する国に対しては、衛星などを使った未来型の戦争を仕掛けるのでは?ということなのだ。
果たして、日本はそのような「変化する戦い方」についていけるだけの人財を育てているのだろうか?
防衛費増というのであれば、アメリカから戦闘機を購入するよりも、未来型侵略戦争に対応できる人材を育成するほうに使った方が良いのでは?と思っている。