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アクセスする自由があるなら、ブロックをする自由も‐マスク氏のブロック機能廃止‐

2023-08-19 19:59:45 | アラカルト

イーロン・マスク氏が「Xのブロック機能は、意味がないので廃止する」と、発表している。
日経新聞:イーロン・マスク氏、Xでブロック機能の廃止を表明 

旧Twitterを利用している方ならご存じだと思うのだが、自分とは関係なく「フォロー」をしてくる人達がいる。
この「フォロー」をしてくる人達の多くは、アダルトサイトや詐欺まがいの儲け話への誘導を目的としている。
そもそも「人」である野かも疑わしい。
正しくは「人」ではあるが、乗っ取ったアカウントで、このような迷惑行為を行っている可能性が高い。
実は、私のフォロワーさんも「最近おかしなリツイートをするな~」と思っていたら、アカウントの乗っ取りにあっていた、ということが判明したことがあった。

その方が、誤って怪しげなアカウントをフォローした為に、このようなことが起きたのかは不明だが、SNSではこのような「アカウントの乗っ取り」等が、当たり前のように起きている。
当然、SNSサイト側もそれなりの注意喚起をしているはずだが、ユーザー側もそれなりの防御策をとらなくてはならない、というのが現実だろう。

まして、「簡単にお金が儲かるから」という理由で、アダルトサイトや詐欺まがいの儲け話に誘導させるためのアカウントを使い、ランダムにフォローをしてくる人達も少なからずいるはずだ。
現在、このような行為に対する厳重な罰則がないと思われるので、ますますこのようなフォローが、後を絶たないのでは?と、思っている。

そのようなフォローに対して、ユーザー側が手を煩わすことなく接触しない方法が「ブロック」だろう。
相手は、捨てアカウントを使って、あの手この手でやってくるので「いたちごっこ」のようになってしまうとはいえ、「ブロック」という方法はユーザー側にとって有益な方法なのだ。

マスク氏は「ミュート機能があるから、それで十分」と言っているが、ミュート機能だけでは不安が残る。
というのも「ブロックをする」ということは、「今後一切関わらずに済む」という、安心感があるからだ。
その「安心感」は、SNSを提供する側にとって大きな「信用価値」を生み出していることになる。
だからこそ、AppleやGoogleがインストールアプリの条件として「ブロックができる」という項目を付けているはずだ。

これまでマスク氏の旧Twitterに対する、変革を見ていると「良い方向へと向かっているのか?」という、疑問を感じることが多々あった。
確かにMeta社の「Threads」は、発表当初話題になり登録者数もわずかな期間で1億を越したと言われたが、その後目立った話題も無く、話題という点だけでいえば、マスク氏の方が多く注目を浴びることも多かった。
「だから戦略的に、マスク氏有利」という声も数多くある聞くようになった。
確かに話題の数はマスク氏の方が多く、旧Twitter利用者が現在の相互フォローをしている人達を引き継ぐことの大変さを考え、居残っているという状況を考えれば、マスク氏の戦略勝ちのように思える。
しかし、もし相互フォローなどの乗り換えのめんどくささが解消される方法が「Bluesky」等が発表すれば、一気に流れが変わっていく可能性がある。
何故なら、市場は「話題性」だけで動いているわけではないからだ。
むしろ、SNSの重要性はユーザーが安心して使える、信頼できるという点なのではないだろうか?
その点で、マスク氏のこれまでの発言内容から感じるのは、「儲け優先」のような印象を持っている。
そう考えれば、マスク氏がTwitter社を買収した大きな理由の一つは、登録ユーザーの個人情報集め、企業へ売ることだったのでは?という、気すらしてくるのだ。