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女性マーケターから見た日々の出来事

ロシアに対する経済制裁から考える

2022-04-18 12:42:51 | ビジネス

朝日新聞のWebサイトの見出しを見ながら、日本でも考える必要があるのでは?という気がした記事があった。
朝日新聞:あれもこれも輸入頼りだったロシア「初めて知った」国内生産を阻む壁は

有料会員記事なので、全文を読むことはできないのだが、記事の一部を読むだけで決して「対岸の火事」ではないのでは?という、気がする内容だ。
農業分野において、カロリーベースとはいえ日本は輸入に頼らざる得ない。
今回のロシアのような、政治的理由で輸入制限をされたり、経済制裁をされなければ大丈夫、と思っているとリスクがあるのでは?という気がしている。
それは「地球温暖化」によって、農作物そのものの生産が世界規模で変化してきている、という点だ。
生産国の状況が悪くなれば、輸出を減らし国内を優先させるのは、当然のコトだろう。
ということは、日本が輸入している農作物は、輸入先の国の状況によって制限を受ける、ということでもある。

それだけではなく、国内メーカーが積極的に海外へ生産拠点を移したことで、日本国内での生産力は低下している。
確かに、人件費の安い国で生産をすれば、それだけ生産コストは下がるということになる。
場合によっては、原材料から製品の製造に至るまでを一貫して海外の拠点工場で行うことができれば、原材料などの運搬コストなども下がるので、メーカー側にとってのメリットは大きい。
その結果として、日本の生産力の低下は免れないという状況になっている。
それが、自然環境の変化によって、あるいは相手国の政治的事情によって、これまで通りに行かなくなる、というリスクを含んでいるということになるのでは?という懸念だ。

まして今は、円安という状況になっている。
人によっては、ロシアのルーブルよりも日本の円のほうが、状況的には問題が大きい、という方もいらっしゃるようだ。
その理由はお分かりだと思う。
ロシアのルーブルの国際的価値が下がる理由は、今回のウクライナ侵攻に対する「経済制裁」によるものだ。
それに対して、日本はそのような目立った不安材料が見当たらないのに、円安傾向が続いている。
もちろん、ロシアのウクライナ侵攻により、ドルやユーロに対して動きがあるのは当然だが、(一応)政治的にも安定をし、それなりの経済力があると思われていた日本の円が、ずるずると円安に進むというのは、それだけグローバル経済の中での日本の生産力を含む経済力の低下と考えられるからだ。

今朝、FM番組を聞いていたら「100均ショップ」の話があった。
今や日本人の生活の中にすっかり溶け込んだ感のある「100均ショップ」だが、この円安傾向+様々な値上げにより、経営そのものが厳しくなりつつあるという。
経営を保つ為には、「値上げ=100均ではない商品ラインナップの充実を図る」ということになるのだが、今の生活者の給与などを考えると様々な値上げに耐えうるだけの所得を十分に得ているのだろうか?という疑問が出てくる。
何故なら、日本人の平均給与はここ30年近く下がるコトはあっても、上がることはほとんどなかったからだ。
しかし30年以上前よりも、様々な生活コストは上昇している。
このような状況は、決して良い経済状態とは言えない、という指摘だった。

ロシアの経済状況は、経済制裁による悪化が主な理由として挙げられるはずだが、では日本はどうなのだろう?
そろそろ「安い=善」という考えから脱却し、必要なコストは正当な価値を認め国内での生産力を上げるコトを、日銀をはじめ考え直す時期に来ているのではないだろうか?
少なくとも、「日本製品」を悩むことなく購入できるだけの所得が得られるようにする必要があると思うのだが・・・。



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