先日、Huffpostを見ていたら「太っ腹!ルーブル美術館!」と、思わず声を出しそうになった記事があった。
Huffpost:パリのルーブル美術館、「全作品」をウェッブサイトで無料公開へ。名画「モナリザ」含む48万点以上
収蔵品48万点以上の作品をウェッブ上で無料公開、というのはなかなかの決断を要するものではなかったのか?と、想像するのだが、やはり「新型コロナ」の世界的感染拡大により、来館者が激減したということも理由のようだ。
収蔵作品をウェッブで公開することで、「新型コロナ」の世界的感染拡大が収束した時、再び来館し生で作品を鑑賞してもらいたい、という考えがあるのだろう。
そしてこのような動きは、米国の「メトロポリタン美術館」や「シカゴ美術館」でも起きているようだ。
「メトロポリタン美術館」や「シカゴ美術館」は、「新型コロナ」が流行する前から公開をしているようなので、もしかしたら「美術教育」という理由でウェッブ公開をしていたのかもしれない。
「ルーブル美術館」の様に「新型コロナ」の世界的感染拡大が理由であっても、日本にいながらにして「世界の名作」と言われる美術作品を観ることができる、ということはとても意義のあるコトだと思う。
特にここ3,4年盛んに言われるようになってきた「ビジネスパーソンのためのアート思考」という点だけを取り上げても、元々美術館に行くことがあまりなかった男性ビジネスパーソンにとって、大きな利点だと思う。
残念に思うのは、日本の美術館がこのような動きに追従していない、という点だ。
何故なら、流出した作品が多いとはいえ「浮世絵」や近代美術作品など、まだまだ日本の美術館に収蔵されている作品が多い。
個人的には京都の国立近代美術館が収蔵している「日本の着物(衣装)」等は、海外のファッションデザイナーに与えた影響も大きいという解説も含め、公開して欲しい作品群だ。
このような作品を自由に観て「自分だけの美術館」を創るコトも、楽しいだろう。
実際、雑誌「和楽」のウェッブサイトでは「自分だけの美術館をつくろう だれでもミュージアム」という企画を提案している。
上述した「ビジネスパーソンのためのアート思考」等と堅苦しいことは言わず、また蘊蓄を聞く必要もない。
(和楽Webのアート作品の読み物は、これまでのアート解説とは違うので、読んでいて面白い)
「芸術」そのものは「芸」の「術」なのだから、頭であれこれ考えるよりも心を開放して、感じる事が一番だからだ。
その感じたことに「何故?どうして?」と、思考を深めていくことで「これまでとは違った見方が身につく」だけのことだ。
であれば、まずは「芸術を観てみよう!」じゃないか。
しかも、世界中の芸術作品が自宅で見られる「どこでもアート」の時代がきているのだ。
その時代に、日本の美術館も遅れを取らずに作品発表をして欲しい、と思うのだ。
そして「新型コロナ」が収束したら、生の作品を観に出かけたい。