ネットで色々な調べ物をしていると、「時代の変化」を感じる事がある。
「当たり前のことだろう」と、言われればそれまでなのだが、様々な広告がネット上に溢れるようになり、新聞社のサイトであっても、PRコンテンツを設ける事でサービス提供をしている、ということも多くなってきている。
新聞社側としては「有料会員」を増やすことで、紙による購読収入をカバーしようとしているのだが、それだけではカバーしきれずに、いわばテレビのCMと同じようにPRコンテンツを設ける事で、収益を上げるようになってきている。
そのようなPRコンテンツは、最初からPRと表記することで、何かと問題になっている「ステマ」ではない、ということを示している。
そのようなコンテンツを見ながら感じたのが、今日のタイトルだ。
家庭用テレビの市場で数年前に注目されたのが、4K、8Kと呼ばれる鮮明な画像だ。
確かに、鮮明な画像で臨場感あふれるスポーツや映画、時にはゲームを楽しむという提案は、生活者の気持ちをキャッチしたかもしれない。
だが、4Kから8Kになるにつれ、テレビの画面サイズも大きくなっていった。
日本の住宅事情で、8Kの50インチのテレビが置ける家庭は、どれほどあるのだろう?と、常々疑問を感じていた。
何より、テレビの視聴スタイルが大きく変り、「テレビ番組を見る」という目的よりも、ゲームをしたりネット配信されている映画を観たりする、というスタイルに変わっているのでは?と考えている。
「テレビ」という道具が、「テレビ」を必要としていない、という状況になりつつあるのが、今なのでは?ということなのだ。
とすると、次ぎに「テレビ」が求められるのは、やはり「音」ということになるだろう。
臨場感あふれる映像に、モノーラルのような音では興ざめしてしまう。
RPGのようなゲームであれば、ゲーム中の臨場感を感じたいと思うかもしれない(私自身は、ゲームをしないので間違っていたら訂正をして欲しい)。
そして昨年あたりから「ドルビーアトモス」という音響システムを取り入れた、テレビが登場している。
そのPRコンテンツが、朝日新聞に掲載されていたのだ。
「ドルビーアトモス」という音響システムは、以前映画館や音響メーカーのリスニングルームにあった「ドルビーサラウント」と呼ばれた音響システムが進化したもののようだ。
一言で言うなら「音が3次元で降ってくる」ということのようだ。
スポーツ観戦や「コロナ禍」で一般的になったon-lineによる音楽ライブなどは、あたかもその場にいるような臨場感が楽しめる、ということらしい。
システム的に素晴らしいものであっても、日本の場合「とても高い壁」があるような気がしている。
それは、住宅事情だ。
日本のマンションで「臨場感あふれる音響システムを楽しめる」だけの、防音された部屋がどれだけ販売されているのだろう?
それは戸建てであっても同じで、狭い敷地に猫の額ほどの庭もないような住宅環境で、このような音響システムのテレビを楽しむ、というのはなかなか難しいような気がしている。
おかしな話だが、このような音響システムを搭載したテレビを普及させるためには、まず日本の住宅環境を整えるというところからスタートしなくてはならないのではないだろうか?
それは「一つの技術革新が、様々なところにまで波及し、生活そのものを変えていく」という、一例のように思えるのだ。
最新の画像[もっと見る]