日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

文化にはお金が掛かる、だから・・・

2012-05-07 18:33:04 | アラカルト
大阪の橋下市長が、大阪市立楽団の廃止(?)を表明したようだ。
「橋下市長殿、いきなり市音楽団「ジ・エンド?」(紹介記事は読売新聞)

大阪市が自前の音楽団を持っていたコトを知り驚いたが、橋下さんの狙いは別のトコロにあるのでは?という気がしている。
もちろん、市が音楽団を持つコトを継続させる云々では無い。
楽団員である市職員に「どうしたら、存続できる音楽団になるのか?」というコトを考えさせたいのでは?と言うことだ。

確かにオーケストラを運営・維持していくのは、とてもお金が掛かる。
昨年4月、米国のフィラデルフィア管弦楽団が経営破綻した、と言うニュースもあった。
フィラデルフィア管弦楽団と言えば、米国のオーケストラでも人気が高く、リッカルド・ムーティー氏など世界的に有名な指揮者が在籍し、日本でも人気のあるオーケストラだったと思う(現在、フィラデルフィア管弦楽団は再建中)。
そんな世界的人気の高いオーケストラでも、破綻するコトがある。
音楽だけでは無く、「文化にはお金が掛かる」と言っても過言では無いと思う。
このGW中には、九州・武雄市が図書館の運営をツタヤに委託、と言うニュースもあった。

「高い文化的サービスを市民に提供する」と言うのは、自治体の一つの役割でもあるとは思うし、教育という面から考えれば、とても重要なコトだと思う。
しかし、市職員でなくてはその様な「高い文化的サービスを市民に提供できないのか?」と、言われれば別だと思う。
むしろ市職員では無く、本当のプロの演奏家としてステージに立つほうが、良いかも知れない。
なにより、大阪市立楽団の演奏を聴きに来ている観客は、大阪市民だけでは無いと思う。
とすれば、大阪市民が楽団の維持・運営費を負担する意味は、あまりないような気がする。
そもそも「1回の出演料6万3000円以内」と決めている条例が、おかしいのでは?
この様な条例を廃止するのと同時に、市から独立したオーケストラとして活動をする方が、より幅広い音楽・演奏活動ができると思う。
そうすれば、定期的にミニ音楽サロンをリーズナブルな価格で、公共施設以外の場所で提供したりするコトも可能だろう。
様々な音楽を多くの人に聴いて、楽しんでもらう、というコトが、音楽活動にとって一番大切なコトだと思うからだ。
クリスマスの頃、大阪を拠点に活動しているスポーツ団体などと共同で、チャリティー演奏会と言う、チョット変わった企画なども組みやすくなるとおもうし、その様な活動がオーケストラの存在を身近にさせるのでは?
公共性の高い文化団として、社団法人や公益法人として活動する方法もあるはずだ。

文化事業にはお金が掛かる、だから維持・運営をする為にアイディアを出すコトが大切なのだと思う。



平穏な日が、贅沢

2012-05-06 20:29:16 | 徒然
長かった今年のGWも、今日で終わり。
明日からは、またいつもの日常へと戻っていく。
それにしても、今年のGWは何となく落ち着かなかった様な気がする。
昨夜の地震だけではなく、今日は猫の目のようにクルクルと変わるお天気。
寒暖の差も例年より、あったのでは?と思う程だった。

長期の連休となると高速道路での事故はつきものだが、今年は例年に比べ多かったと言うか、事故の規模が大きかった様に思う。
その事故も、全国各地で起きた。
そしてGW後半は、登山者の事故。
それも中高齢者の事故が多かった。
中高齢者の登山人気というのは最近のコトでは無いし、元気な中高齢者が増えてきたコトも事実だ。
実際事故に合われた方々は、登山歴の長い方が多かったようだ。
「元気さ」と「登山歴の長さ」が、慢心を生み事故に繋がったのだろうか?

そう考えると、何も無い平穏なコトが贅沢に思えてきた。
取り立てて何がある訳では無いが、なかなか読めなかった本をタップリと読み、近所であったチョットしたイベントで、東日本大震災の被災者の方々が作られたと言うクッキーを買い、そのクッキーを食べながら、また本を読んで過ごす・・・。
気が向いた時には、近くの緑地公園まで季節の花を楽しみながらの散歩。

時には観光地などに行かない連休も、アリだと思った。
一人暮らしだからこそ、だからなの知れないが・・・。

「買い手の責任」

2012-05-05 20:02:37 | 徒然
私的にお伺いさせて頂くブログに、30代前半?と思われる男性のブログがある。
とても感性の豊かな方で、日々の出来事をとても素敵な表現で書かれている。
その方のブログに「買い手の責任って」という内容があった。

作る側には、PL法によって責任が発生するようになっている。
売る側にも、様々な規制や法律がある。
そして「買い手側」には「消費者保護法」という法律があり、その法律の基消費者は守られている。
その意味で「買い手側の責任」というモノは、無いように思える。
でも、本当にそうだろうか?

例えば、バイキングなどで食べきれない程皿に盛った料理。
結局食べきれなくて、廃棄。
同様に、安いからと言う理由で買ったけど食べる前に消費期限が切れ、結局ゴミとなってしまった食品・・・。
確かに、お金を払ったのだから関係無い!と言われればそうなのだが、お料理を作った人、その食材を作った人・・・もっと言えば、料理に使う野菜やお肉、魚などそこに関わる人たちは、とても多いはずだ。
場合によっては、外国の人たちの手によるモノだってある。

毎年「初売り」で売り出される「福袋」。
人気福袋の争奪戦はテレビのニュースになるほどだが、買った後その福袋の商品はキチンと使い切られているのだろうか?
タンス(今は「クローゼット」か?)の肥やしになって、昨今の「断捨離ブーム」でゴミとして捨てられてるようなコトになっていないだろうか?
その様に考えると、「買う側」にもそれなりの責任があっても良いのでは?と言う気がしてきた。

モノが溢れる時代にあって、「(買ってきた)モノを使い切る」という生活とは縁遠く成ってしまった様な気がする。
と同時に、その商品やサービスに掛かるはずのコストを、意識しなくなってきているようにも感じる。
「格安・激安」には、それなりの理由があり、その理由を買い手側は知るコトが大切だと思う。

近江商人の心構えとして、「三方良し」という考えがある。
作る側・売る側・買う側、この三者が互いに利益があるような商売のことを指している、と言うコトはご存じの方も多いと思う。
この言葉には「買う側も、作り手・売り手のコトを想像して、使い切る」という意味も含まれているのではないだろうか?
なぜなら、作り手や売り手の立場からすれば、「売って儲け」だけでは無く、買ってくれた人がその商品やサービスを十分使って欲しい、と言う気持ちがあると思うからだ。
そう考えると、「買い手の責任」というのは、「買ったモノを使い切る」というコトのような気がする。

これからは「買い手側の責任」というコトも、買う時には考えたい・・・そんな気がする。

発想を変えてみませんか?霞ヶ関の皆様

2012-05-04 17:29:17 | 徒然
昨年度、中央官庁や地方の出先機関で働く国家公務員の、深夜や未明に帰宅する為に利用したタクシー代が、2年ぶりに30億円を超えたそうだ。
省庁のタクシー代30億円突破か(紹介記事は中日新聞)

深夜や未明まで働く、と言うのは激務なのだと思う。
思うのだが、チョット発想を変えてみる必要もあるのでは?と言う気がする。
と言うのも、一般企業で年間30億というタクシー代を払っている企業が、どれほどあるのだろうか?と、考えてしまったからだ。
もちろん、予算編成などで深夜遅くまで仕事をしなくては成らない、それこそ正月も無い状態で働かざる得ない、と言う状況にあると言うのは、毎年暮れの定番のニュースだ。
でも、本当に恒常的に深夜や未明まで仕事をしている、と言う人がどれだけいるのだろう?
そして、深夜や未明まで仕事をし、タクシーで帰宅してもしっかり体を休めるコト無く、出勤しているとすれば、余り効率が良くないのでは?と言う気がするのだ。

例えば、ここ3、4年程前から世間では「朝活」がブームになっている。
疲れた頭では、高い集中力を持って考える仕事は向かない。
むしろ、朝早い時間こそ集中力で考える仕事をした方が効率も上がるし、発想力も上がる、と言うのが「朝活ブーム」の要因らしい。
これからの時期サマータイムという訳では無いが、節電も兼ね前倒しで仕事をする、と言うコトはできないだろうか?
また、10数年ほど前から多くの企業で導入された「フレックス」という仕事のスタイルを、もう少し柔軟に活用する、と言うコトはできないだろうか?

もう一つは、「官舎」などの利用だ。
官舎そのものは、比較的一等地と呼ばれる場所にある、と記憶している。
まさかその「官舎」に帰るのに、年間30億という訳では無いと思う。
であれば、空いている部屋などを臨時の宿泊施設として使う、と言う方法は考えられないだろうか?

国家公務員の皆さんの仕事の目的は、国民にとって良いと思われる施策をつくり、実行していくことのはず。
深夜遅くまで仕事をしタクシーで帰宅するも、しっかり休めないまま仕事をするのは、決して効率的にも内容的にも十分な仕事ができないのでは?
その様な問題を解消する為の、発想の転換も大切な気がする。

ただ、年間30億も支払ってくれる顧客を失う可能性のあるタクシー業界としては、死活問題かも知れないが・・・。

日本酒人気を高める為には・・・

2012-05-03 08:35:14 | マーケティング
よく拝見させて頂く、マーケターの大先輩「大西宏のマーケティングエッセンス」に、日本酒につてのエントリがあった。
きっと日本酒ブームがいつかやってくる

私自身はお酒がダメな訳ではないのだが、お酒を飲みたい!と言う気分が無い。
そのため、お酒を飲む機会というのはビールなどを含めても、年に1,2回あるか無いかだ。
病気を患ってからは、再発リスクを下げるためお酒の席でも「ドクターストップなんです」と、お断りをさせて頂く。
ただ、会社員時代は仕事で宴席に付き合うと、随分お酒を頂くコトが多かった。
その中で分かったことの一つに、「お酒には、チーズや軽いスナックでOKなモノとそれなりの肴が必要なモノがある」というコト。
例えば、カクテルなどには余り肴が必要無い。
ビールなども、肴を選ぶタイプでは無いと思う。
それが日本酒となると、どうしても肴が欲しくなってしまう。
別に手の込んだ和食でなくても良く、漬け物でもチョットした和え物でもそれは構わないのだが、ポテトチップスや唐揚げとはどうも相性が良くない様に感じる。
また、10数年前知人から「イタリアンと日本酒って、相性が良いんですよ」と勧められ、トマトベースのあっさり系イタリアンを一緒に日本酒を頂いたコトがあるのだが、とてもマッチしていて美味しかった。
と言うコトは、日本酒を「国酒」として国家戦略として、国内外に広める為にはどうしても「食」と言う部分が必要になってくると思う。

日本全国各地にある酒蔵には、美味しいお酒がある。
と同時に、その土地に根付いた食もあるはずだ。
その様に考えると、「日本酒を売り出す=地域全体の食を含めた文化を売り出す」と言うコトにもなるはずだ。
と言うよりも、そのくらいの範囲で考えなくては難しいと思う。

また大西さんも指摘されている、日本の悪いイメージの多くは戦後しばらく見られた、質の悪い合成酒のイメージだと思う。
今では、合成酒であっても決してその様な飲み口の日本酒は無いと思う。
もちろん、飲み過ぎによる二日酔いや悪酔いなどは日本酒に限ったコトでは無いはずだ。
とすれば、コンビニやスーパーで見かける「紙パック入り日本酒」のような手軽さでは無く、おしゃれなビンのボトルの方が、イメージを変えるコトができるのでは?
ラベルなども、ワインラベルのように「集める楽しさ」と言う要素も必要かも知れない。

昨年から、お料理の分野では「麹」が注目されている。
それまで「麹」といえば、味噌や醤油、お酒をつくる「菌」という程度だったが、今では「素材の味を引き出す万能調味料」として、人気になっている。
それまでスーパーで売られている「乾燥こうじ」など品切れになったコトは無いと思うが、年明けから、品切れ状態が続いている。
それだけでは無く、麹とお米と水=日本酒の副産物・酒粕なども健康に良いと、注目される様になってきた。
そんな時だからこそ、日本酒を売り出すチャンスかも知れない。

仮眠の後に要注意

2012-05-02 08:30:00 | アラカルト
先日FMラジオを聞いていたら、チョット興味を引く内容のCMを聞いた。
それは「ドライバーの皆さん、仮眠の後に要注意」と言う内容。
それで気になって、チョット調べてみた。

豊田市にある自動車学校のHPに、連載コラムがあり「高速道路の意外な落とし穴」と言う記事を見つけた。
コラムを読むと、仮眠そのものに問題があるわけでは無く、仮眠後なかなか脳が活動をしないので、仮眠後軽いストレッチなどをして、15分後くらいに運転をするのがベスト、と言うコトらしい。

「疲れたら仮眠を取りましょう」というコトはよく聞く言葉だが、仮眠後のこの様な知識が、自動車学校などで教えられているのだろうか?と、免許の無い私は考えてしまった。
そして、関越自動車道で起きた観光バスの運転手の居眠り運転による事故のことを、思いうかべてたのだった。
確か、事故を起こした運転手は、途中の休憩所で運転席で突っ伏す様に眠っている姿を、乗車客に見られている。
とすれば、日頃の疲れ+仮眠で、頭が活動する前に運転を始め、散漫な状態で運転をし続け、再び居眠りを始めた、と言う可能性もある。
その様な状況の検証と、再発事故防止策を早急にする必要があるのは当然のことだが、「仮眠後の運転」についての知識・情報提供も重要なのでは?

GWもいよいよ後半。
お天気の心配もある様だが、上手な休憩の取り方が運転の上手なドライバーというコトになるのだと思う。
家族サービスも重要だと思うが、「GWだから・・・」とクルマで遠出をしなくても、近場でのんびりゆったり・・・と言う過ごし方も一案だと思う。
なせなら。長期の休みの終わりがけに見るニュース映像の、疲れ果てたお父さんドライバーの姿は、何とも可哀相な気がするからだ。



クールビズと節電、そして原発

2012-05-01 17:33:30 | 徒然
今月の5日に、一時的に日本中の原子力発電所が停止するらしい。
そして、今日から前倒しで始まったのが「クールビズ」。
見方を変えれば、「節電の季節が始まった」というコトかもしれない。

「クールビズ」そのものは、随分と定着し始めた感があり、始まった当初「環境の為に、軽装で・・・」と言う、言い訳めいた説明文のポスターも必要無いのでは?と思う様になってきた。
そして以前の様な、「クールビズ=かりゆしファッション」で無くなりつつあることは、歓迎すべきことだと思う。
やはり、その土地ならではの涼やかな素材があり、その様な素材で新しいファッションを作っていく、と言うコトは地域産業の振興にも結び付くだろうし、ユニークな「クールジャパン」が生まれる可能性もあるからだ。

そして、昨年から始まった「節電生活」。
こちらも、昨年一夏経験したコトで、随分と落ち着いている様な気がしている。
「生活の工夫を楽しむ」という、新しい価値観が生活者の中に生まれ、定着しつつある様に感じる光景に出会うコトが多くなってきた様に感じる。

しかし問題なのは、この様な「暮らしの工夫」ができにくい、産業の分野だろう。
今年のGWは、9連休という企業も多くあり、中には11連休という企業もある様だが、問題となるのは、GW明け。
昨年の様な、変則的な稼働日を設けるコトに難色を示している企業も既に多くある。
特に製造業などは消費する電力も多いため、今後の電力消費に大きな影響を与えるコトは、十分想定される。
だからこそ、野田さんは「今年の夏は、原発(稼働)ゼロも選択肢の一つ」と、やや強気ともとれる発言ができるのだろう。

野田さんの発言の趣旨が「原発を稼働させなければ、電力需給が間に合わない。それでも良いのですか?」というのであれば、産業界的には「原発稼働容認」というコトになるかも知れない。
ただ、この様なコトが繰り返されるコトは、産業界に取ってプラスでは無いはずだ。
とすれば、産業界側が考えるのは「自分たちで電力を作る方法」ということにまで発展する様な気がしている。
太陽光発電の様な不安定ではない、地熱発電や小規模水力発電などを求めて、移転するコトまで考える企業も出てくるかも知れない。
それだけでは無く、先日エントリした「光産業創成大学院大学」で成功したような、ユニークな発電システム開発に本格的に乗り出す企業が出てきてもおかしくは無いだろう。

その様に考えると、今年の夏は単なる「節電の夏」ではないかも知れない。
そんな夏になるコトを、やや期待している。