日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「お米」は、嗜好品になりつつある?

2014-09-15 20:55:28 | ビジネス

いろいろなトコロで「今年の米価は、下がる」と言われているようだ。
国内でお米を中心に取引情報を扱っている「日本農産情報」という会社のWEB頁を見ると、「最安値をキープ」という文字が目に飛び込んでくる。
日本農産情報トップページ

「米価が値下がっている」と言うことなのだが、実際スーパーなどの店頭に並ぶお米の価格をみていると、余り実感がない。
背景には「農協」という存在が大きいのでは?と言う気がしているのだが、その「農協」そのものの解体論などが出はじめている。
そんな中、日経BPが出版している「おとなのOFF」という雑誌で、「お米の特集」を組んでいた。
おとなのOFF: 「あなたが知らない本当に美味しい米」

取り上げられているお米は、聞き馴染みのない名前のお米があったりして、なかなか興味深い内容だった。
そして「今やお米は、嗜好品」になりつつあるのでは?と言う気がしてきた。
と言うのも、ここ数年で様々なタイプのお米が流通する様になってきたからだ。
一昔前のように「新潟県魚沼産コシヒカリ=美味しいお米」というのではなく、「お料理に合わせてお米も選ぶ」とか「季節に合わせて、夏は食欲が落ちるのでサッパリ系、新米が美味しいシーズンはもっちり系」などと、季節やお料理に合わせてお米を選ぶことが、お米を美味しく頂く方法なのでは?と言う気がしたからだ。

育ち盛りのお子さんがいらっしゃるご家庭なら、1ヶ月のお米の消費量はそれなりの量を消費するだろう。
しかし、今の人口構成や世帯構成を考えると、1ヶ月10㎏程度かも知れない。
「お米離れが進んでいる」と、単純に考えるよりも「消費する人そのものが減っている」と考えた方が、良いと思う。
もちろん、今の日本の食事事情を考えると「主食=米」ではなく「主食=お米時々パンやパスタなどの麺類」だと考える方が自然だと思う。が、「消費する人が減っている」のであれば、その「消費する人」の生活スタイルにあわせた「提案」が必要なのではないだろうか?
それが「お米の嗜好品化」と言うことなのだ。

実際、アイリスオーヤマでは「小分けのお米」で販売をし、人気になっている。
精米したお米が劣化する前に、美味しく頂けるだけの量をパックしてあるのが、人気の秘密だ。
そう考えると「家庭用お米貯蔵庫」という、新しい白物家電として登場するかも知れない。
当然「美味しいお米を食べる為に」お米マイスターがいる様なお米屋さんで、自分の好みを相談しながら、お米を少量づつ購入する、と言う人もでてくるだろう。
そうなってくるとお米屋さんの仕事は、「米農家さんと生活者を結び付ける」ということになるかも知れない。
当然、今までの様な「農協」の仕事では、生活者の期待に応えられなくなってしまうだろう。

米価が下がる=農家の危機ではなく、ビジネスのスタイルを大きく変える切っ掛けとなるかも知れない。
そのキーワードが、「お米は嗜好品」という発想なのだと思う。


「栃木」、「姫路」、「豊岡」・・・共通するモノは何?

2014-09-13 20:49:19 | トレンド

このところ、ネットであるものを探している。
探し物をしている時に目に付くのが、「栃木」、「姫路」、「豊岡」という地名。
時々、「東京」とか「岡山」という地名を見つけることもある。
おそらくこの春くらい前までは、この様な地名が表示されていなかったと思うのだが、この夏ぐらいから急に目に付く様になってきた感がある。
それまでは「日本製」という言葉でしか表示されていなかった、と思うのだが・・・。

「なぞなぞ」の様な内容で、申し訳ない。
私が探しているモノが何か、おわかりになっただろうか?
私が探しているモノは、皮革製品。
その中でも、財布やカバンなどだ。
長い間使っていたカバンが、そろそろお役御免・・・と言う状態になりつつ実はカバンを探していたのだ。

少し前までは「イタリア製」と言う言葉を多く見かけたのだが、この夏ぐらいから「イタリア製」と並んで、日本各地の地名を見かける様になってきている。
そして日本各地の地名が付いた皮革製品には、きまって「日本製」という言葉がついている。
鞣しから製品まで、日本国内で行っている、と言うことだ。
皮革の原産地は不明だとしても、日本で鞣し作っていると言うのは、どこか安心感がある。

実はこの「日本製」の流れというのは、2,3年前から出はじめた傾向だ。
アパレルなどの通販サイトをみていると、「安心の日本製」という言葉が目に付く。
中国製に比べると、安価ではないが「安心」と言うトコロに、価値がある。
その「安心」からもう一歩進んだ感のあるのが、この皮革製品の「栃木レザー」とか「姫路レザー」ということになる様に思う。

皮革製品の生産地としての「姫路」というのは、何となくわかる。
何故なら、近くに靴の製造で有名な神戸があるからだ。
「阪神淡路大震災」で一番被害が大きかった「長田地区」は、日本の「ケミカルシューズ」の産地として有名だった。
その意味で、神戸そのものが靴づくりの街だといっても良いと思う。
しかし「栃木」が、皮革の産地だとは知らなかった。
「栃木」産の皮革が、どのような特徴があるのかは知らないが、これまで余り知られていなかった「地場産業」が脚光を浴びる様になってきた、と言うのは生活者の大きな意識変化だと思う。
そして「牛皮革なら栃木産。鹿革なら山梨、木綿素材なら○○」という様に、自分が使いたい素材に合わせて、産地を選び出し自分がデザイン(アイディア)したモノを持つことが、おしゃれだと言う時代がやってくるかも知れない。
それはファッションの分野に止まらず、日用雑貨や家具など「住まい」や「生活全般」にまで、広がっていく可能性がある様かも知れない。






朝日新聞と自浄機能

2014-09-11 21:28:34 | 徒然

昨夜、朝日新聞社で「記者会見」が行われた。
その内容については、ご存じだと思う。
いわゆる「吉田調書」に関する記事の訂正と社長の引責辞任が、主な内容。

その「記者会見」について、事前に資料が配布されていたようで、弁護士ドットコムのサイトに掲載されていた。
弁護士ドットコムニュース:朝日新聞社が「吉田調書」報道についての会見で発表した資料(全文)

会見に先立ち配布された資料を読むと、一部メディアが朝日新聞の「吉田調書」に対して疑問を呈する前から、社内で検証の動きがあったようだ。
しかし、その検証をすること無く他のメディアが騒ぎはじめたので、再検討を始め訂正をするコトになった、と言うことがわかる。
言うなれば、自社の記者たちの言うコトに対して信頼が薄いというか、現場の記者たちを軽んじていた、とも読み取れる。

そして穿った見方かも知れないが、自社の記者たちが検証しようとする動きに対して、社として動かなかったことを明らかにするコトで、朝日新聞という企業の「自浄機能が果たされている」ということをアピールしている様にも読み取れる。
違う言い方をするなら「朝日新聞は、自浄機能を持った公明正大な企業です」という記者会見のようにも見えるのだ。
確かに、企業のトップである社長以下編集の責任者が辞任をした。
でも朝日新聞ほどの大メディア企業であれば、関連会社への転籍・出向(あるいは再就職)などは簡単にできるだろう。

しかし本当の「訂正と謝罪」と言うのは、池上彰さんが指摘された「従軍慰安婦問題」なのではないだろうか?
この点については、ほとんど触れることも無く記者会見が終わっている。
朝日新聞側としては、8月に「検証記事」を掲載したのだから「訂正は終わっている」と、思っているかも知れない。
実際の記事を読んでみると、読者側としては「訂正をしている」という印象を受ける内容ではない。
唯一訂正されてのか?と言う箇所は、「女子挺身隊と慰安婦を混同していた」という点くらいだろう。

そもそも「女子挺身隊と慰安婦を混同する」していたこと自体新聞社として問題で、この記事を書いた記者は「現代史」を全く知らない、調べることすらせずに記事を書いていた、と言うレベルの問題だ。
それを編集する側もチェックをしていなかった、と言うお粗末さは「謝罪」とか「訂正」以前の問題だと思う。

今日の朝刊には改めてこの記事について、朝日新聞が大きく紙面を割き、これまでの経過や謝罪分らしき記事を掲載している。
読んでみると、終始「自己弁護」に終わっている様に読めてしまう。
現社長は「道筋を付けてから退任」ということを記者会見で話していたが、大切なことはその「道筋」が見えていないと言う点だと思う。
昨日の記者会見だけをみていると、「朝日新聞には、遅まきながらも自浄機能がある」と言っているだけの様にも思えてしまうのだった。
そして朝日新聞を批判している他社は、大丈夫なのか?と言うとそれも疑問なトコロがある。
その背景にある「スクープ合戦」の様な新聞社の体質そのものが変わらない限り、一部のネットユーザーから言われている「マスゴミ」という言葉はなくならないのでは?と、思ってしまうのだった。


Appleとファッション

2014-09-11 19:16:40 | ビジネス

昨日の早朝発表された、Appleの「iPhone6とAppleWatch」。
「iPhone6」に関しては、以前から様々な噂が流れていたためそれほど大きな驚きはなかったようだが、「AppleWatch」の発表は大きな驚きを呼ぶ発表だったようだ。

既に多くの方が「AppleWatch」について書かれていらっしゃるので、その未来性などについては書く必要は無いと思う。
むしろ私が気になったのは、今回の発表会で多くのファッションジャーナリストが招待されていた、と言う点だ。

日本の通信会社の新作モデルの発表会なども同じだと思うのだが、この様なIT機器の発表会で招待されるのは、IT関連のメディアか経済関連のメディアが中心だと思う。
もちろん、一般新聞社などもその中に含まれると思う。
一方、ファッション関係というのは、ITと一番離れている様な印象がある。
これは、ITとファッションの仲が悪いと言う訳では無く、「結びつき」という点で距離感がある、と言う意味だ。
実際、VOUGE Japanなどは紙媒体だけでは無く、積極的にネット配信をしている。
ただニュースや話題の中心そのものはファッションであり、あくまでも情報発信のツールの一つとしてネットを利用しているに過ぎない。

そう考えると、ファッションジャーナリスト達が招待されたと言うことを考えると、Apple自身が「iPhoneや新しいAppleWatch」を、これまでのITの一つという発想からもっと違う位置付けとして考えているのでは?と言う気がしたのだ。
特にAppleWatchに関しては、IT機能を持った新しいファッションアイティムと言う感覚で、使って欲しいと言う思いがあったのでは?と言う気がしている。
もちろん「ファッション性の高い腕時計」と言う意味もあったと思うが、それだけの理由でファッションジャーナリスト達を呼ぶとは思えないのだ。

それを示す一例が、「フィットネス」という機能。
今や有名ファッションブランドとスポーツブランドのコラボレーションなどは、当たり前になってきている。
アディダスやナイキなどは、特にその様なコラボレーションに熱心なスポーツブランドだと思う。
そしてこの2社は「スポーツとIT」という点でも、熱心なブランドだ。
例えば、アディダスの「miCoachi」
ご存じの方も多いと思うのだが、腕などに巻いてランニングデータを記録したりできる機能を持っている。
基本ツールとして使うのは「iPhone」だったと思う。
その様な流れがあって、今回の発表会、AppleWatchと結びついたのだとすれば、その動きは随分前からあったということになるかも知れない。
いつかファッションデザイナーとコラボレーションをした、「AppleWatch」が登場するかも知れない。


出世と学力の関係

2014-09-09 22:00:13 | ビジネス

The Huffingtonpostに興味深い記事があった。
学力と出世についてのレポートだ。
The Huffingtonpost:ハーバド大学75年の研究が明かす!将来性のある男性の特徴

「学力と出世」というと、下世話な感じがするのだがこのレポートを読む限りでは、いくら優秀な大学を卒業しても、出世できる訳では無い、と言うことのようだ。
レポートを読むと、納得できることばかり。
いくら優秀な有名大学の出身者であっても、「コミュニケーション力」がなければ仕事はできないだろう。
昨今の「成果主義」という考えからすると、意に反している様にも思えるが、実は「成果を上げる為」には「チームとして成果を上げる必要」がある。
個人プレーだけで「成果が上がる」ほど、世間は甘くない。

一方、先日小学6年の女子児童が「中学受験で眠れない。疲れた」という内容の遺書を残して自殺する、と言う事件があった。
「中学受験」や「お受験(=小学校受験)」が、都市部では当たり前のように言われ、多くの児童が受験をする。
まだまだ小学生では、「何故受験をするのか?」という意味もハッキリ見いだせないまま、周囲の雰囲気に流され「何が何でも受験をし、合格しなくては!」と思い込み、自分を追い込んでしまったのか?と言う気がし、悲しいと言うよりも切なさを感じる事件だった。

おそらく「中学受験」を勧める理由は、「将来、高校受験や大学受験で苦労しない」という思いがあるからだろう。
まして有名大学の付属中学となれば、親御さんからすればその思いはより強くなるのかも知れない。
もちろん目指すはその先、「社会に出たとき、様々な面で優位」だと考えるからだろう。
確かに、日本だけでは無く海外の超が付く程の有名大学になると、学生時代のネットワークだけでもビジネスに優位となることは多いと思う。
事実日本の企業には、「学閥」というモノが存在している(今もあると思う)。

しかし、ハーバード大学が75年もの歳月を費やした研究では、決してそうではない、と言う内容のレポートになっている。
偏差値の高い大学出身者とそうではない大学出身者とでは、就職時の優位さはあってもその後の出世は違う、と言うことのようだ。
このレポートだけでは無く、実は以前読んだ「女性の管理職登用ができる人物ほど、上級管理者になっている」というレポートを読んだことがある。
今回の安倍内閣のように「女性を登用すれば良い」というのでは無く、「登用する人の能力を最大限に引き出す」という男女と言う問題ではなく、個人の力を見極める力がある人物が上級管理者になっている、と言う内容だった。

ハーバードのレポートの様に、「学力=出世」ではない。
教育は大切だが、「学力テスト」という一つの物差しで図ることへの警告だと思う。

それにしても、75年という時間を掛けてこの様な調査をするハーバード大学は、凄いな~と思う。


製品と色やデザイン

2014-09-08 19:31:37 | マーケティング

Yahoo!に掲載される(?)バナー広告は、おそらく一番多くの人が目にする広告の一つだと思う。
当然様々な企業が、最新の製品やサービスの広告を打つのもこの場所だ。
その広告効果も高いと思うのだが、「え!」とか「あれ??」というトコロで生活者の興味が終わってしまうと、その広告は成功とは言えないと思う。

昨日何気なくYahoo!のバナー広告にトヨタの「新型マークX」の広告が表示された。
トヨタ:マークX
どうやら「特別仕様」のようだ。
ただ気になったのは、「何故、黄色だったのだろう?」ということだった。
キャッチコピーなどを見ると「触発するイエロー 誘惑するブラック」ということらしく、黄色バージョンの他に黒色バージョンもある様だ。

このバナー広告を見て思い出したのは、同じくトヨタが昨年限定発売をした「ピンクのクラウン」だ。
トヨタ:ピンクのクラウン
この時も「何故、ピンクなの?しかも『桜色』のようなやわらかな色ではないのは何故?」という気がしたのだった。
この「ピンクのクラウン」は、全国で650台の受注があり完売したようだが、一体どのような方が購入されたのだろう?と、気になっている。

新型「マークX」や「ピンクのクラウン」のどちらにも共通して感じたことは、「何故その色なの?」という点だ。
私の中では「マークX」はスポーツカータイプのセダン車で、購入される方の年齢も20代~30代と言うよりも、もう一つ上の世代という気がしている。
まして「クラウン」に関しては、「いつかはクラウン」というCMコピーがあったように、「マークX」よりもまだ上の世代の方のクルマというイメージがある。
一方、「黄色」や「ピンク」という色は、どちらかと言えば若い世代の色というか、元気色という気がする。
「黄色」も「ピンク」も決して嫌いな色では無いのだが、これほど鮮やかな色というのは抵抗感がある。
服などであれば、コーディネートをするコトで着こなすことができると思うが、クルマとなるとその様な訳にはいかない。

広告で見て「素敵」だと感じても、そのクルマが街中を走っている光景は「素敵(なクルマ)」と感じることができるだろうか?
広告車両として、街中を走るのであれば「あぁぁ~、広告のクルマか!目立たないと意味ないからね」という感覚で見ることができる。
このバナー広告についても、「広告として、目を惹く」ことには成功していると思うのだが、「このクルマに乗りたい」という気持ちに生活者がなるのか?と言うのは、別の問題という気がしている。


明日と明後日の夜は、ライトダウンをお願いしたい

2014-09-07 20:22:30 | 徒然

8月のお盆の頃から、随分降り続いた雨。
昨夜も、激しい雨が降った名古屋だ。
今日は、午前中から晴れ間がのぞき、久しぶりの快晴となった。
真夏とは違い、晴れても秋の雲が広がり心地良い風が吹く。

そういえば、明日は「中秋の名月」。
例年に比べ、10日~2週間ほど早い「中秋の名月」という気がする。
その為だろうか?今年は秋の気配が少し早い気がする。
お盆前から、雨のやみ間に「虫の声」が聞こえはじめ、「今年は随分早いな~」と思っていた。
街路樹のイチョウを見上げると、7月下旬には、銀杏が黄緑色の実をつけ始めていた。
その頃日本を縦断した台風のために、随分実を落としてしまったが、「木々の季節の移り変わりの準備の早さ」に驚いた。

明日の「中秋の名月」の翌日は、今年最後の「スーパームーン」だという。
今年の「スーパームーン」は、明後日を含め3回あったはずなのだが、名古屋では前の2回は台風や雨で見ることができなかった。

秋は月だけではなく夜空に瞬く星たちを眺めるのに、良い季節だ。
ただ残念なことに、各地で「ライトアップ」される為にその風情が、すっかり感じられない気がする。
そもそも「ライトアップ」というのは、何か特別な時だけ行われていた様に思うのだが、いつの頃からか「毎日ライトアップ」になってしまった様な気がする。
LEDを使っているので、消費電力は少ないのかも知れないが、何となく「エネルギーの無駄遣い」という気がする。
それでなくても、衛星写真で見る夜の日本列島は、日本地図がわかるほど明るいと言われている。
「防犯」という意味で街が明るいのは良いと思うが、「夜の衛星写真で日本地図がわかる」程明るい」というのは、どうなのだろう?

今年は171年ぶりに「閏月」があるため、3回「名月」を楽しむことができると言う。
明日、明後日、そして「十三夜」と「後名月」の4回くらいは、「ライトダウン」をしてゆっくり秋を楽しむことはできないのだろうか?
我が家の場合、ご近所の高層マンションの建築ラッシュで「名月」を楽しめそうにはないのだが・・・。




明後日は、今年最後(だったと思う)の「スーパームーン」。

なんでも今年は、171年ぶりに「名月」が3回見られる


24時間営業って、本当に必要?

2014-09-05 20:54:13 | ビジネス

時々牛丼店やスーパーの24時間営業って必要なのだろうか?と、考えることがある。
確かに今の社会は、誰かが深夜働いていたりしている。
東京などの都市部では、それこそ深夜~明け方まで騒いでいる若者もいるだろう。
その様な人達の為に、24時間営業していなくてはいけないのだろうか?
何より昨今問題になっている「ブラック企業」と呼ばれる企業の多くが、この様な業種で占められている、と言うことを考えると「24時間営業は、ブラック企業の温床」とも言えるのではないだろうか?

おそらく「24時間営業」が、一般的になったのはバブル経済の頃だと思う。
故山口美枝さんが夜遅く「しば漬け食べたい」とつぶやき、セブンイレブンに買いに行き遅い(と言うよりも、深夜近い)食事をする、と言うCMが話題になった頃だと思う。
その頃は、「24時間戦えますか」というキャッチコピーで有名になった栄養ドリンクなども登場し、それこそ「24時間パワフルに活動する」というのが、当たり前の様に言われていたと言う印象がある。

そんな時代を経て、今を見回すと「本当に24時間営業って必要ですか?」と、言いたくなってしまうのだ。
と言うのも、深夜遅くコンビニで買い物をしたり、牛丼店やファミレスで食事をしている人がいるのだろう?と、思ってしまうからだ。
その売上げに対する収益は?と考えると、決して黒字の営業では無い様な気がするのだ。
今日の朝日新聞の「夜に働く」という連載企画では、あるコンビニ店長の様子の記事が掲載されている。
朝日新聞:夜に働く 24時間営業、その裏を知っていますか  ある店長の日々

経営という面だけでは無く、顧客サービスという視点でも本当に必要なサービスなのだろうか?
実際、我が家の近所の某大手スーパーがリニューアルした時は24時間営業だったが、今では夜11時閉店になった。
だからと言って、不便なのか?と言えば不便さは感じない。
おそらく、全国に数多とあるコンビニや牛丼店、スーパーなどは24時間営業をする必要がないのではないだろうか?
例えば、地方で高齢化が進む地域などは、その地域住民のライフスタイルが都市部の若者とは違うと思う。
もっと柔軟性のある「地域に即した営業時間」があっても良いと思うし、赤字を出し続ける経営というのは健全な経営とは言えない。
それだけでは無く、お客さんがいないのに営業する為に使われる「光熱費=エネルギー」という視点から考えれば、検討の余地はあると思う。

顧客サービスも本当の需要を考えなければ、過剰サービスになったり無駄な経費を生むだけだと思う。



朝日新聞、次はどう動く?

2014-09-04 19:27:22 | アラカルト

月1で朝日新聞に掲載されていた、池上彰さんのコラムが先月突然中止になった。
その理由が、Yahoo!などのトピックスで取り上げられるだけではなく、本日発売の週刊誌などにも掲載されている。
一方、掲載を中止した朝日新聞側は、今日の朝刊で「池上彰さんと読者に対して、大変申し訳なかった」という文章とともに、掲載中止を決めたコラムを掲載している。

掲載中止理由については、既に様々なメディアが取り上げていたので、ご存じの方も多いと思う。
今となっては「慰安婦問題」というのは、朝日新聞にとって大きな問題となってしまったようだ。
これまで一部週刊誌や新聞社が相当批判をしてきた「慰安婦問題」については、「広告掲載の拒否」か「馬耳東風」という姿勢を朝日新聞は貫いてきた。
それが池上彰さんのコラム掲載中止による、社会的反響のほうが朝日新聞にとっては「手痛かった」ということのようだ。

次に問題となるのは、池上彰さんのコラムを掲載したコトで朝日新聞は、新聞社として「どう慰安婦問題に対する間違った報道」を訂正・謝罪していくのか?と言う点だろう。
少なくとも、国連人権委員会から勧告を受けた「国家的責任を認め謝罪」に対して、その情報の発端となった新聞としての責任を取る必要があると思う。
違う言い方をするなら、国連の人権委員会に対して先日朝日新聞が掲載した「慰安婦問題について」という内容の文章を提出し、改めて「慰安婦問題と日本政府」ということを伝え、間違いを理解してもらわなくてはならないだろう。

もう一つ気になるのは、池上さんなども指摘している「謝罪」だ。
「謝罪」というのは相手がいてできることだが、この場合の「相手」とは誰だろうか?
日本国民だろうか?それとも国際社会に対してだろうか?
一番の被害者(と言うべきか?)は日本国民だと思うのだが、今更朝日新聞が「日本国民のみなさま」という内容で謝罪をしても、過ぎ去った時間は戻ってこないし、関係悪化した日韓の関係も良くなるとは思えない。
むしろ韓国側にとって「慰安婦問題」というのは、一種の「政治的カード」の様なモノとなってしまった感があり、いくら朝日新聞が韓国側に「謝罪」しても、韓国側にとってはメリットも何もないのではないだろうか。
例えば朝日新聞が「謝罪」したコトで、今問題になっている「ヘイトスピーチ」が無くなると言うのだろうか?
おそらく「ヘイトスピーチ」はなくならないと思うし、逆に韓国側の態度によっては益々酷くなっていく可能性もあると思う。

様々な状況を考えると、朝日新聞が置かれている状況というのはとても厳しい、と言う気がする。
「謝り方」だけではなく、国際社会にメディアの一つとして間違った情報をどう訂正し、間違った内容の検証を伝えていくのか?
前代未聞のことだけに、朝日新聞の社運をかけるくらいの気構えが必要な気がする。



CMって何だろう?

2014-09-02 20:43:35 | マーケティング

アメリカで話題になり先月、日本でも話題となった「アイス・バケツ・チャレンジ」。
元々は、難病「ALS」と言う病気を広く知ってもらい、治療・研究などの募金を募る為に始まった「イベント」だったコトは、ご存じの方も多いと思う。
それが、著名人が積極的に参加するコトになり話題性だけでは無く、「イベント」そのものへの疑問符のようなものまでつき始めた。

丁度そんな時、サムソンがこの「アイス・バケツ・チャレンジ」をもじった(?)様なCMを流し、物議を醸している。

Samsung Galaxy S5 ALS Ice Bucket Challenge

このCMだけではなくサムソンは、今年レッドソックスの選手を使ってオバマ大統領との「自分撮りツーショット」写真を宣伝に使ったりして、ホワイトハウスが激怒する、と言う宣伝も行っていた過去がある。
もっとも、サムソンだけでは無く自動車のヒュンダイも、今年のサッカーW杯に引っかけたブラジル国内向けのテレビCMで、ブラジルサッカー協会(?)やFIFAなどから、厳しい注意勧告を受けている。

何も韓国の企業だけの問題ではないかも知れないが、この様なニュースを聞く度に「CMの本質」というコトを理解していないのでは?と言う気がしている。
サムソンもヒュンダイも「売れれば手段は選ばない」という、発想でCMを作っている様だ。
確かに、テレビCMに代表される「宣伝」の目的の一つは、「製品・サービスを売る」と言うコトだが、それよりも大切なことは「企業からのメッセージ」という点だ。

例えば、BMWのCMに「BMWサービス コンセプトムービー」と言うモノがある。
BMWサービス:コンセプトムービー (音声あり)
このCMを見ると、短距離走の選手達が一斉に全速力で走り出し、接戦を繰り広げている中一人だけ出遅れている選手がいる。
足下を見ると何と!サンダル履き。
これでは、いくら素晴らしい選手と言えども、走れません。
と言う内容のCM。
このCMには、サムソンの「アイス・バケツ・チャレンジ」の様な、直接的な内容では無く、ユーモアもありながら「クルマの整備点検は大切ですよ。正規ディーラーで整備点検をして下さい」という、コトを映像で現している。
もちろん、最後には「正規ディーラーで整備点検を」というテロップは出てくるが、CM全体を見るだけでそのメッセージは伝わるし、「整備点検の大切さ」ということも十分伝わってくる。

本来のCMと言うのは、ユーモアなどを交えながら多くの人に「不快感を与えず、的確にメッセージを伝える」というのが、役割のはずだ。
そう考えると、CMと言うのはその企業の「表現力と社会的成熟度」を示す物差しの様な気がする。