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日本のヒットドラマが海外へ ‐クールジャパンの新しい方向性‐

2023-12-22 20:20:12 | マーケティング

今朝FM番組を聞いてたら、「政府肝いりのクールジャパン事業は、ことごとく失敗をしているのにな~」と、感じる話題があった。
それが今年の夏ドラマで話題になった、TBS系列で放送された「日曜劇場・VIVANT」だ。

放送時から、人気が高く続編の期待等もあったと思う。
話題としても、同じ時間枠で大ヒットとなった「半沢直樹」で主演を演じたのち、ドラマなどから遠ざかっていた堺雅人さんが主役。
脇を固める俳優陣も、そのほとんどが主役級だったこと、「半沢直樹」をはじめ同じ時間帯で放送された重厚感あるドラマの監督を務められていた、福澤克雄さんのTBS最後のドラマとしても、話題になった。
その為TBSでは、ドラマを盛り上げる為に様々なスピンオフ(?)番組も制作していた。
それほどまでに、ドラマを制作するTBS側が力を入れた、ドラマでもあった。

その「VIVANT」が、Netflixで世界190以上の国と地域で、配信されることになったという。
TBS:日曜劇場「VIVANT」Netflixで世界配信決定! 

Netflixと言えば、今では米国映画の最高賞とも言われる「アカデミー賞」に、ノミネートされるような作品を制作するようになっている。
そのNetflixが全世界190以上の国と地域に向け配信をするとなれば、Netflix側もそれなりの本気度がある、ということだろう。
少なくとも、ある程度の配信利益が出る、と見込んでの配信契約をしたと考えるのが自然だ。
そしてこの「VIVANT」の成功が、今後日本ドラマの海外進出となる可能性はある。

そして思い出すのは、「クールジャパン事業」の素となった、日本アニメの力だ。
元々日本のアニメは、世界でも人気が高くアニメのキャラクターを真似るコスプレーヤーも世界各地にいる。
毎年8月に名古屋で開催される「世界コスプレサミット」等は、日本アニメの人気の高さを表すイベントだと言える。
それだけではなく、今年の6月6日付けビルボードグローバルチャートで、YOASOBIの「アイドル」が1位を獲得している。
ご存じの方もいらっしゃると思うのだが、「アイドル」という楽曲は、アニメ「推しの子」の主題歌だ。
Billboard Global Chart:YOASOBI「アイドル」が米ビルボード・グローバル・チャート "Global Excel U.S"で首位獲得 

このようなアニメ人気にあやかり政府の旗振りで行ったのが「クールジャパン事業」だったのだが、ことごとく失敗し、累計で50億円以上の赤字を出していると、記憶している。
そんな赤字はどこ吹く風、という感じで日本のJ-popやドラマは、海外から注目され、買われているのだ。
ドラマ「VIVANT」に関しては、放映時から海外での公開があるのでは?と、噂されていたと思うのだが、「やはり」という感じで世界配信が決まった。

そう考えれば、それなりのドラマや映画をつくれば海外からの買い手が付き、Netflixのように100を超える国や地域での配信がされる、という時代になっている、ということでもある。
そしてこれからのクールジャパンの方向性を示しているのでは?という、気がしている。