一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

平成21年度・女流将棋名局ベスト3

2010-07-07 00:46:37 | 女流棋戦
私が勝手に選んだ、「平成21年度・女流将棋名局ベスト3」を発表する。
もちろん全局は把握していないので、私の目にとまった中から選んだ。なお選局の中には、LPSAの公認棋戦と準公認棋戦も含まれている。

第1位 平成22年2月16日 第3期マイナビ女子オープン・挑戦者決定戦 斎田晴子女流四段-甲斐智美女流二段
私はタイトルを争う番勝負より、檜舞台に立つかどうかの挑戦者決定戦に魅力を感じる。
本局は、主催社である毎日コミュニケーションズ様のレポーター公募に応募し、運よく選ばれたため、当日は東京・将棋会館にて、中盤以降を勝又清和六段らの解説で堪能した。
将棋は、決勝戦にふさわしい優劣不明の名勝負。微妙に形勢の針ゆれ、最後まで目が離せない熱戦となった。
甲斐女流二段の勝局後、矢内理絵子女王との共同会見があったが、ふたりの抱負を聞いて、甲斐女流二段が女王を奪取すると思った。

第2位 平成21年7月18日 第3期マイナビ女子オープン・予選決勝 久津知子女流初段-鈴木環那女流初段
これはご存じ、一斉予選の公開対局での一局。だが決勝局は途中で帰ったので、この将棋は最後まで観ていない。帰宅後、毎コミのサイトを見ると、久津女流初段が勝ちあがっていたので、驚いた。久津女流初段には失礼だが、実力、人気ともに鈴木女流初段が上だと思っていたからである。
棋譜を見ると、久津女流初段が優勢の局面から逆転されたものの、粘り強い指し回しを続け、容易に決め手を与えない。受けが丁寧で、女流棋士とは思えない指し手だった。最後は入玉を果たし、万策尽きた鈴木女流初段の投了となった。
総手数215手。2時間半以上の熱闘に、終局後は拍手が起こったそうである。思えば第2期の中倉彰子女流初段-伊藤明日香女流1級(当時)戦も、予選1回戦ながら、終了時は感動の拍手が起こったものだった。
手数が長いから名局とは限らないが、久津-鈴木戦の拍手は、本戦に進むことがいかに大変なことか、身をもって示してくれたことへの、両雄への感謝の表れだった。

第3位 平成22年3月22日 LPSA第34回1dayトーナメント・けやきカップ決勝戦 島井咲緒里女流初段-藤田麻衣子女流1級
島井女流初段は、昨年のLPSA公認棋戦にほとんど不参加だったから、本局は復活をアピールする絶好の機会。いっぽうの藤田女流1級は本局が現役女流棋士としての最後の対局であり、どちらも負けられないという背景があった。
序盤から中盤まで見応えのある攻防が続いたが、そこで藤田女流1級に痛恨の見落としがあって、島井女流初段が勝勢。しかし飛車を渡して詰めろをかけたのが危険な手で、藤田女流1級が王手ラッシュに出て、一遍に島井玉が危うくなった。
大詰めに来て、詰むや詰まざるやの手に汗握る終盤。しかし島井女流初段が逃げ切り、嬉しい優勝となった。
藤田女流1級は残念な結果だったが、最後までおもしろい将棋を見せてくれた。現役生活は短かったが、完全燃焼したのではなかろうか。

今年度も、各女流棋士の熱戦を期待したい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする