一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・石橋幸緒天河⑧

2010-07-29 00:42:11 | LPSA金曜サロン
5月14日のLPSA金曜サロンは、1部が松尾香織女流初段、2部が石橋幸緒天河の担当だった。
この日の私は仕事が忙しく、駒込入りが遅くなり、1部の松尾女流初段とは対局いただくことができなかった。「今年松尾女流初段に全敗だったらマッカラン贈呈」という約束をしてしまった私としては、1局でも多く戦いたい。それゆえに今回の「不戦敗」は痛かった。
さて石橋天河との指導対局。この日の石橋天河は大きなマスクをつけて登場した。ひどい風邪をひいていたようだが、それでも指導対局に臨む姿勢には感銘を受けた。石橋天河に将棋を教えていただく機会はなかなかないので、ありがたいことであった。
将棋は前月に引き続き、石橋天河の「ゴキゲン中飛車」。攻めの銀の代わりに、左金がスルスルと5四まで出てきた。初めて見る手だ。「イシバシに定跡なし」というところか。しかしこれでもよければみんなが指しているはずだ。
異形にして、多少ハンデをつけたほうがいいでしょう。という石橋天河の主張が聞こえてくるようだった。
☖6五金。図々しい金である。しかし以下☗6六歩☖5七歩成に☗6五歩は突っ張りすぎた。ここはふつうに☗5七同銀でなんでもなかった。☗6五歩以下は☖5八と☗同金☖2七金(☗同飛は☖5八飛成)と、激しい戦いに突入した。
その後の局面をひとつ掲げておく。



☖6九銀に☗6七玉まで。下手はやや駒損をしているが、上手も1九の金が遊んでいる。まだ下手も指せると思っていた。ここで石橋天河は☖5六角成!
まったく考えていなかった。こういう、素人には浮かばない手を指されたときに、プロとアマの才能の差を感じてしまう。いつぞやの、横歩取りの超急戦の将棋で、☖7八角成と空成りで捨てる手を指されたことがあるが、それを思い出した。
☗5六同玉と取りたいが、☖5一香が厳しい(5筋に歩が利かない)。それで泣く泣く☗5六同金と取ったが、☖4七飛と王手金取りに打たれ、上手の攻めがつながってしまった。
以下私も☗3一飛と反撃するが、これがのちの☖4二銀を誘発した疑問手で、また形勢を損ねた。さらに8六から打つべき香を8五から打ったため、☖7四金から☖8五金と香を取られる手が生じ、最後は挟撃形の惨敗となってしまった。
感想戦に入ったが、どうも釈然としない。なにかうまく誤魔化されたような気がする。どこかに有利になる手順があった気がする。しかしそこが未熟な悲しさで、分からない。ただ、☗3一飛と☗8五香が疑問手だったことは確かだ。
石橋天河も体調がわるい。「ご不満のようですけど…」と言って、指導対局は終わりになった。
ひとつだけ分かったことがある。体調不良の女流棋士は、下手に緩める余裕を忘れてしまう、というものだ。
コメント (5)
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