一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

LPSA芝浦サロン・船戸陽子女流二段1

2011-01-20 00:21:37 | LPSA芝浦サロン
昨年10月15日(金)のLPSA芝浦サロンは、船戸陽子女流二段の担当だった。芝浦サロンの指導対局は原則的に予約制なので、私は律義に、午後2時に予約を入れておいた。しかしこの予約制は善し悪しで、今月7日の中倉宏美女流二段の回では、体調不良につき予約をキャンセルする羽目になってしまった。
芝浦サロンの予約を電車に置き換えると、「指定席」になろうか。旅に出て特急電車に乗るとき、自由席にするか指定席にするかはむずかしい。指定席は確実に席が確保されるから精神的に余裕が出るが、好きな席(海側など)を選べないという難点がある。指定席はいっぱいなのに自由席がガラガラというときもあり、こんなとき指定席を取っていると、損をした気分になる。
ならば芝浦サロンも予約しなければいいのだが、5日の島井咲緒里女流初段のときのように、満席という場合もあるから、油断がならない。
それはさておき、船戸女流二段との芝浦初対局である。旧金曜サロンにマンデーレッスンやイベントでの指導対局も加えると、船戸女流二段とはこれが実に31局目となる。そのほかにも遊びで早指し将棋を3局指しており、女流棋士の中では最多対局である。ありがたいことだと思う。
本局は扇子サイン勝負だが、この将棋までに5連敗のワーストタイ記録中で、サインゲットの前に、その連敗を止めなければならなかった。この日も船戸女流二段はいい香りの香水をつけていたが、それに惑わされてはいけない。香りを楽しむくらいの余裕を持つことを心がけた。
☗2六歩☖3四歩☗7六歩☖4四歩。この出だしなら対振り飛車が予想できるが、船戸女流二段は居飛車党なので、雁木もある。しかし10手目に船戸女流二段は中飛車に振った。ちょっと珍しいがこれは船戸女流二段の裏芸で、平手戦の中飛車は7局目と、けっこう多い。
上手が☖7二銀と締まらないうちに、私は早くも☗4五歩と仕掛ける。実に23手目だ。人間は歳を取ることは避けられないが、将棋の指し手はいくらでも若々しくできる。いつもこのようにハツラツといきたいものだ。
☖3二金の用心に☗4四歩。1歩を手にし、以下☗2五歩と継ぎ歩をした。
上手は☖2二歩と屈服する代償に、飛車を捌いて勝負である。☖4九飛成に私も☗4八飛とぶつけ飛車交換になったが、こうなると舟囲いの下手が薄い。ここではやや指しにくさを感じていた。
お互い敵陣に飛車を打って、小駒を拾う。船戸女流二段は☖3一香と金底の「香」を打ち、防波堤を築く。これを崩す手が私に回ってくるかどうかが勝負のカギとなる。
角を換わって☖5五角☗7七角☖2八角成に☗2三歩成と、待望の3二金取りになった。以下☖5七歩☗同銀☖6五桂に、7七の角を見捨てて☗3二と、と金を取ったのが好判断だったようである。
ここからは少しずつ私が指しやすくなり、以後は端攻めも絡めて、最後は何とか上手王を寄せ切ることができた。
「あれえ? おかしい。私のほうがよかったでしょ」
船戸女流二段の、局後の第一声だった。
「そうですよねえ。私もずっと悪いと思ってました」
「やっぱり☖3二の金が重荷になりました」
私は自陣の舟囲いより上手の片美濃囲いのほうが固いと見ていたが、船戸女流二段は、金が離れているので、必ずしもいいとは思っていなかったようである。
とりあえず私は船戸女流二段との芝浦初戦に幸いし、いいスタートを切ることができた。
コメント (4)
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