一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロンファイナル・中倉宏美女流二段⑬・ありがとう、金曜サロン

2011-01-13 00:23:09 | LPSA金曜サロン
巷では「タイガーマスク現象」が起きている。ちょっと偽善のニオイを感じるのは私だけだろうか。

昨年9月24日のLPSA金曜サロン、2部は中倉宏美女流二段の担当だった。どっぷり日は暮れ、中倉女流二段が「夜のナカクラヒロミ」に変身する。時間的に見て、この中倉女流二段との指導対局が、駒込金曜サロン最後の対局となる。
この日はこれで8局目。昨日書いたように、この日の金曜サロンは、最後のサロンを楽しもうと会員が集い、満席状態だった。ローカル線なら廃止の侘しさがあるが、LPSAのそれは発展的解消ともいえ、明日への希望がある。
対局の前に改めて挨拶。
「(芝浦に移ったら、なかなか行けないと思うので)これが最後の金曜サロンになると思います」
と中倉女流二段をおどす。事実芝浦サロンのシステムを見ると、女流棋士の担当は1日1人に減る。それが本来の姿かもしれないが、1日2人システムに慣れた常連から見ると、サービスの低下を意識せざるを得ない。
「そう言わずに、また来てください」
と優しく返す中倉女流二段であった。
中倉女流二段との金曜サロン指導対局は、これで18局目。私の三間飛車に、中倉女流二段の一目散穴熊。私は例によって☗8八飛と振り直し、☖6四歩に☗5六銀と出、☗6五歩と歩交換が出来ては、まずまずの序盤だと思った。
☗5八飛と回り、☗5六歩と銀取りに歩を突く。以下☖6六歩☗5七金に☖5六銀が中倉流。☗同金☖6七歩成☗同銀に☖8七飛成ときた。銀損しても飛車が成れれば指せる、との大局観に基づくものだが、私もトクした銀を8八に打ち、竜を追い払う。
☖6九角☗7八角☖5八角成☗同金。私は銀ドクだから、切らせる方針だ。
☖7四歩に☗4六角と竜取りに打つ。以下☗7三歩成とと金を作れては、こちらが手厚い。容易に負けない局勢である。しかし☖4五金の角取りに☗5四歩の垂らしは功を焦った。ここは大人しく角を自陣に引き、次に歩の垂らしを狙うべきだった。
本譜は角金交換から桂を取られたうえ飛車を下ろされ、☖9九飛成と香を補充されては、こちらに指し切り筋が出てきた。
頼みの綱は中倉女流二段が6面指しであることだが、それよりけっこう時間が押しており、閉席の9時までに6局が終わらない可能性もでてきた。私はそちらのほうが気になっていた。
☗7九金とトラの子の金を打ち、☖8七竜と追い返す。ここでうっかり☗6七金寄と指しそうになったが、それは☖7八歩成があるので不可。私は☗5二と左と指した。中倉女流二段が戻ってくる。私は提案をした。
「先生、ここで指しかけにしたいと思うのですが、いかがでしょうか」
「あっ、いえいえ、まだ指せますよ」
「いえいえ時間もだいぶ押してるし、ここで指しかけのほうが…」
「じゃあそうですね、これは私の負けで…」
「いえいえ局面は完全な私の負けです。まあきょうは駒込最後だし、勝敗をつけないほうがいいでしょう。ありがとうございました」
一礼すると、私は指導対局を終了させた。参考までに、記念すべき最終局面を、以下に掲げておこう。

これでLPSA金曜サロンが終了した。金曜サロンでの指導対局は、2008年3月14日の藤森奈津子女流三段戦から、2010年9月24日の中倉女流二段戦まで、計183局。平手89勝70敗1指し掛け、香落ち8勝4敗、角落ち9勝2敗という成績だった。
しかしたいへんな対局数である。もし金曜サロンに行ってなかったら、けっこうなおカネが残ったんじゃないか? などと考えてはいけない。いままでに使ったおカネ以上の見返りを、私はいただいた。それはLPSA女流棋士との交流であり、新しくできた棋友であり、週に一度の心から笑えるひとときであった。
ありがとう金曜サロン。本当にお世話になりました。
コメント (3)
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