6日の深夜、オフクロが首筋の痛みを訴え、横になれなくなってしまった。
7日は朝からオヤジが付き添い大学病院に行ったのだが、大事はなくて、本当にホッとした。もし両親に何かあったら、自分ひとりでは何もできないことを知る。
こんなブログを書いてていいのだろうか。ほかにやることがあるんじゃないのか…。
(きのうのつづき)
(再掲)
上手(角落ち)・植山七段:1一香、1三歩、2一桂、2二玉、3一銀、3二銀、3三歩、4二金、4三歩、5六歩、6一飛、7三桂、8四歩、9一香、9三歩 持駒:銀、歩3
下手・一公:1七歩、1九香、2四歩、2九桂、3六歩、4七歩、5四飛、5八金、6七歩、6八銀、6九玉、7五歩、7八金、8七歩、8八角、8九桂、9七歩、9九香 持駒:金、歩
(△3二銀まで)
以下の指し手。▲5五角△6五桂▲9一角成 まで、一公の勝ち。
下手は綺麗に駒が捌け、十分。ここでは▲5六飛が本手なのだろうが、飛車は4段目に利かしておきたい意味もある。そこで▲5五角と飛び出した。
植山悦行七段は当然の△6五桂。右隣では指導対局が終わり、感想戦が始まった。植山七段の講義は勉強になり、つい耳を傾けてしまうが、長く聞くと決断が鈍るので、私は▲9一角成と香を取った。もし△同飛なら▲2七香と打つ。以下△1四銀▲2三金△同銀引▲同歩成△同銀▲2四歩(▲同香成ではない)△同銀▲同飛△3二玉▲2一飛成で、銀銀桂、と持って上手玉が寄るかどうか。
だが上手には△5七金の反撃もあり、かなりむずかしい。これは香取りの構想が無謀だったかと後悔し始めていた。
右の感想戦が終わり、植山七段がこちらを一瞥する。と、「はい負けました」と植山七段が投了してしまったので、私は「エエッ!?」と奇声を上げた。
私はまだ一山も二山もあると見ていたのだが、植山七段は戦意を喪失していたようだ。もしくは私の決め方が雑で、これ以上指すと上手が逆転勝ちしてしまうため、その前に投了したのかもしれなかった。感想戦後に、
「大沢さんとは角の手合いではありません。今度は香(落ち)でやりましょう」
と植山七段の言葉だったが、意味不明だった。
きょうは生徒が少なく、ほかはHon氏とSai氏が来たくらい。大野八一雄七段は手持ち無沙汰だ。そこで私がもう一局お願いした。私は居飛車。今度はガッチリ矢倉に組んだ。
では中盤の局面を記す。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2一桂、2三歩、2四銀、3二玉、3四歩、4三金、4四歩、5五金、6四銀、7三桂、7四歩、8四飛、8五歩、9一香、9三歩 持駒:歩2
下手・一公:1六歩、1九香、3六歩、3七桂、4六歩、4七銀、5八飛、6六歩、6七金、6八角、7五歩、7七銀、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩2
以下▲7四歩△同飛に、私は強く▲7五歩。△同飛なら▲7六銀△7四飛▲7五歩で先手を取るつもり。前局の大野七段の教え「中盤もある程度まで来たら歩の損得は関係ない」を実践したものだ。
大野七段は最初の歩を取らず、黙って△8四飛。▲7六銀に大野七段は△5四金と引き、△6四銀の動きをラクにした。
私は▲5二歩。△8一飛なら▲7四歩で下手優勢。どうするかと見ていると、△4二玉と寄った。私は反射的に▲2二歩。しかし△3三桂▲2一歩成△2五桂▲同桂△同銀と捌かれてみると、次の△5五桂が残って下手の具合が悪くなった。
実戦も△5五桂が実現し、私も反撃を試みたが、上手玉に中段に逃げ越され、もういけない。私には珍しく、未練がましく指し継いだが、最後は△5七歩と角道を止められ、万策尽きて投了した。
開口一番、大野七段が「(上手)必敗でした」と言うので私は呆気に取られた。
やはり▲7六銀まで、下手がうまく指していたらしい。▲5二歩もこじゃれた手。△4二玉は利かされのように見えて、下手が▲2二歩を打ってくることを期待していたという。この順は上記のように下手が悪くなるが、私はまんまと術中に陥ったわけだった。
▲2二歩では▲5一歩成だったらしい。△同玉なら▲4五歩△同歩▲7四歩△同飛▲2四角△同歩▲6三銀で下手勝ち。よって▲5一歩成には△5五歩と我慢するが、この2手が入れば後の展開がだいぶ違う。これは残念な敗戦だった。
上野裕和五段はまだ指導対局中である。私は1局目の敗戦がどうも納得いかず、大野七段にその将棋を並べ、教えを請うた。
Kun氏も加わり、ふたりはふんふんと眺めていたが、私が構想どおり進めていたのに急転直下敗勢になったので、「おいおいおいおい」と奇声が上がった。「中盤と終盤で別人のようだねえ」と大野七段が呆れる。
局面を中盤に戻すが、明らかに疑問手の烙印を捺されたのは、やはり66手目の▲4三銀成だった。ここは不成として△3四金を取りに行くところ。
ちなみに54手目▲5三歩を打ったあとは、▲6五歩と突く手もあったという。
67手目△6五桂には▲同歩もあるが、存外むずかしい。大野七段はちょっと考えて、▲5二歩成△7三角▲5三桂成の攻め合いを示唆した。以下△5七桂成▲6三成桂△同玉▲5三成銀△7二玉▲4三飛成で下手優勢。
そうか、4五桂から捌いていけばよかったのか。本譜は下手の攻め駒が渋滞していた。しかし上手の手にかかると、どうしてこうも下手の駒が綺麗に捌けるのだろう。大いに勉強になった。
これで今年の大野教室での対局は終わり。2012年は24回お邪魔して、対戦成績は、対大野七段・角落ち8勝20敗。ほかに合宿で角落ち2敗、超早指し戦は二枚落ち・六枚落ち3敗。そのほかに逆多面指しなどお好み対局が数局あった。
対植山七段は角落ち7勝10敗。合宿で角落ち2敗。そのほかお好み対局あり。植山七段は私との角落ちを嫌がるほど負けていない。角落ち12勝7敗・勝率.632は上手堂々の成績であろう。
上野五段の指導対局も終わったようだ。上野五段は先日、「将棋・序盤完全ガイド」を上梓した。私は棋書を買う習慣はないが、きょうは上野五段が何冊か所持しているということで、一冊購入する。もちろんサイン本である。
このあとは食事会だが、まだ時間が早い。そこでHon氏が、大野七段に10秒将棋の六枚落ちを申し込んだ。大野七段もまんざらではないふうで、それを受ける。これはおもしろいことになった。
(つづく)
7日は朝からオヤジが付き添い大学病院に行ったのだが、大事はなくて、本当にホッとした。もし両親に何かあったら、自分ひとりでは何もできないことを知る。
こんなブログを書いてていいのだろうか。ほかにやることがあるんじゃないのか…。
(きのうのつづき)
(再掲)
上手(角落ち)・植山七段:1一香、1三歩、2一桂、2二玉、3一銀、3二銀、3三歩、4二金、4三歩、5六歩、6一飛、7三桂、8四歩、9一香、9三歩 持駒:銀、歩3
下手・一公:1七歩、1九香、2四歩、2九桂、3六歩、4七歩、5四飛、5八金、6七歩、6八銀、6九玉、7五歩、7八金、8七歩、8八角、8九桂、9七歩、9九香 持駒:金、歩
(△3二銀まで)
以下の指し手。▲5五角△6五桂▲9一角成 まで、一公の勝ち。
下手は綺麗に駒が捌け、十分。ここでは▲5六飛が本手なのだろうが、飛車は4段目に利かしておきたい意味もある。そこで▲5五角と飛び出した。
植山悦行七段は当然の△6五桂。右隣では指導対局が終わり、感想戦が始まった。植山七段の講義は勉強になり、つい耳を傾けてしまうが、長く聞くと決断が鈍るので、私は▲9一角成と香を取った。もし△同飛なら▲2七香と打つ。以下△1四銀▲2三金△同銀引▲同歩成△同銀▲2四歩(▲同香成ではない)△同銀▲同飛△3二玉▲2一飛成で、銀銀桂、と持って上手玉が寄るかどうか。
だが上手には△5七金の反撃もあり、かなりむずかしい。これは香取りの構想が無謀だったかと後悔し始めていた。
右の感想戦が終わり、植山七段がこちらを一瞥する。と、「はい負けました」と植山七段が投了してしまったので、私は「エエッ!?」と奇声を上げた。
私はまだ一山も二山もあると見ていたのだが、植山七段は戦意を喪失していたようだ。もしくは私の決め方が雑で、これ以上指すと上手が逆転勝ちしてしまうため、その前に投了したのかもしれなかった。感想戦後に、
「大沢さんとは角の手合いではありません。今度は香(落ち)でやりましょう」
と植山七段の言葉だったが、意味不明だった。
きょうは生徒が少なく、ほかはHon氏とSai氏が来たくらい。大野八一雄七段は手持ち無沙汰だ。そこで私がもう一局お願いした。私は居飛車。今度はガッチリ矢倉に組んだ。
では中盤の局面を記す。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2一桂、2三歩、2四銀、3二玉、3四歩、4三金、4四歩、5五金、6四銀、7三桂、7四歩、8四飛、8五歩、9一香、9三歩 持駒:歩2
下手・一公:1六歩、1九香、3六歩、3七桂、4六歩、4七銀、5八飛、6六歩、6七金、6八角、7五歩、7七銀、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩2
以下▲7四歩△同飛に、私は強く▲7五歩。△同飛なら▲7六銀△7四飛▲7五歩で先手を取るつもり。前局の大野七段の教え「中盤もある程度まで来たら歩の損得は関係ない」を実践したものだ。
大野七段は最初の歩を取らず、黙って△8四飛。▲7六銀に大野七段は△5四金と引き、△6四銀の動きをラクにした。
私は▲5二歩。△8一飛なら▲7四歩で下手優勢。どうするかと見ていると、△4二玉と寄った。私は反射的に▲2二歩。しかし△3三桂▲2一歩成△2五桂▲同桂△同銀と捌かれてみると、次の△5五桂が残って下手の具合が悪くなった。
実戦も△5五桂が実現し、私も反撃を試みたが、上手玉に中段に逃げ越され、もういけない。私には珍しく、未練がましく指し継いだが、最後は△5七歩と角道を止められ、万策尽きて投了した。
開口一番、大野七段が「(上手)必敗でした」と言うので私は呆気に取られた。
やはり▲7六銀まで、下手がうまく指していたらしい。▲5二歩もこじゃれた手。△4二玉は利かされのように見えて、下手が▲2二歩を打ってくることを期待していたという。この順は上記のように下手が悪くなるが、私はまんまと術中に陥ったわけだった。
▲2二歩では▲5一歩成だったらしい。△同玉なら▲4五歩△同歩▲7四歩△同飛▲2四角△同歩▲6三銀で下手勝ち。よって▲5一歩成には△5五歩と我慢するが、この2手が入れば後の展開がだいぶ違う。これは残念な敗戦だった。
上野裕和五段はまだ指導対局中である。私は1局目の敗戦がどうも納得いかず、大野七段にその将棋を並べ、教えを請うた。
Kun氏も加わり、ふたりはふんふんと眺めていたが、私が構想どおり進めていたのに急転直下敗勢になったので、「おいおいおいおい」と奇声が上がった。「中盤と終盤で別人のようだねえ」と大野七段が呆れる。
局面を中盤に戻すが、明らかに疑問手の烙印を捺されたのは、やはり66手目の▲4三銀成だった。ここは不成として△3四金を取りに行くところ。
ちなみに54手目▲5三歩を打ったあとは、▲6五歩と突く手もあったという。
67手目△6五桂には▲同歩もあるが、存外むずかしい。大野七段はちょっと考えて、▲5二歩成△7三角▲5三桂成の攻め合いを示唆した。以下△5七桂成▲6三成桂△同玉▲5三成銀△7二玉▲4三飛成で下手優勢。
そうか、4五桂から捌いていけばよかったのか。本譜は下手の攻め駒が渋滞していた。しかし上手の手にかかると、どうしてこうも下手の駒が綺麗に捌けるのだろう。大いに勉強になった。
これで今年の大野教室での対局は終わり。2012年は24回お邪魔して、対戦成績は、対大野七段・角落ち8勝20敗。ほかに合宿で角落ち2敗、超早指し戦は二枚落ち・六枚落ち3敗。そのほかに逆多面指しなどお好み対局が数局あった。
対植山七段は角落ち7勝10敗。合宿で角落ち2敗。そのほかお好み対局あり。植山七段は私との角落ちを嫌がるほど負けていない。角落ち12勝7敗・勝率.632は上手堂々の成績であろう。
上野五段の指導対局も終わったようだ。上野五段は先日、「将棋・序盤完全ガイド」を上梓した。私は棋書を買う習慣はないが、きょうは上野五段が何冊か所持しているということで、一冊購入する。もちろんサイン本である。
このあとは食事会だが、まだ時間が早い。そこでHon氏が、大野七段に10秒将棋の六枚落ちを申し込んだ。大野七段もまんざらではないふうで、それを受ける。これはおもしろいことになった。
(つづく)