私の住んでいる家は下町の一軒家だが、最近はこの地域もマンションがドカドカ建って、見渡せばすっかり空が狭くなってしまった。
我が家は「特A」のターゲットなのだろう。当然ウチにも建設会社から、電話やら営業やらが来る。ポスティングも頻繁にある。週に1回は入っている。
ある日の電話。
「大沢さんのお宅ですか?」
「はい」
「向かいのお宅の駐車場なんですけど、土地活用の予定があるとかそういうの、ご存じないでしょうか?」
「は? いやそういうのは分かりません…」
しばらく話したところで、先方が話を変える。
「ところで、お宅はどうでしょうか?」
「……。あんた、ホントはそれが聞きたかったのか!」
「……」
営業も失礼なのが多い。当然アポなしで訪ねてくるのだが、「いやあ~、こういう家を見ると、マンションが建った景色を想像しちゃうんですよね」。
こんなことを言われてこちらがどういう気分になるか、まったく分かっていない。
別の営業男。工場内は機械が動いてるから入るな、と注意しているのにズカズカ入ってきて、「ああ、広い敷地ですねえ」とほざく。危ないんだよあんた!
別の会社の営業男は、断っても断っても、3回営業に来た。「もう迷惑ですから。困りますから」と言っても全然利かない(ここは「利かない」の漢字でよい)。こっちが拒絶するたびに営業男は「すみません」と平身低頭なのだが、それでも翌週にまた訪ねてきたりする。
この会社はコロコロ地域担当者が変わるようなのだが、しばしこのパターンが続いた。そしてこの会社……実名を挙げてもいいのだが、武士の情けでそれだけは勘弁してやる。この会社がいちばんしつこい。テレビでもコマーシャルを流している、そこそこ名の知れた会社なのだが、とにかくしつこい。もう10年以上、1~2か月と空けず、電話やアポなし営業を仕掛けてくるのだ。
今月の上旬だったかも、電話が来た。この地域の担当になったので挨拶に行きたい、というから私は当然断った。以下は私の憤り。
「もう困ってるんです。あのねえ、おたくだけですよ。ほかの建設会社は、2、3回断ればピタッと営業を止めますよ。だけどおたくはここ数年間ずぅっとじゃねえか。嫌がらせじゃねえか!
…どうしたらいい。ウチはおたくからの営業から逃れるために、どうしたらいい? 警察に相談しようか。ねえ、そうしようか?」
これだけ電話口で脅かしても、その日の午後に、だ…の営業男が訪ねてきたのには呆れた。
この日の電話でのやりとりをオヤジに話したら、「そんなことを言ったらダメだよ」と呆れられた。「だから向こうも意固地になって営業してくるんじゃないか」。
オヤジは暢気に構えているが、向こうは本気だ。私が彼らに最も応対しているから分かる。彼らには狂気すら感じるのだ。
それが証拠に、今月24日夕方。これから将棋寄席に行こうか、というとき、またもだい…の営業がアポなしで来た。クリスマスイブの夕方に…。バカじゃねえか!?
これは違反だろう。祝日の12月24日は、営業しちゃいけない日だろう!?
この日はオフクロが応対したが、「撃退」したふうではなかった。
そしてきのう27日の朝。またもだいと…から電話が来た。ここまで来ると、背筋に寒いものが走る。
「…あのねえ、もうおたくの電話は断ってるでしょ。なのにおたくは何年間も…こんなに断ってるのになんで分からないの!? 今月だけで何回目だよ、嫌がらせかよ! おたくだけだよ、こんなにしつこいの! もうキチガイだよ。●●だよ! オレだって営業の経験があるけど、ダイワハウスだって長谷川コーポレーションだってセンチュリー21だって、2、3回断ればそこからピタッと電話掛けてきませんよ! それなのにおたくはどうしてそうなの! バカなの!?」
「すみません、横の繋がりがないもんで」
「繋がりじゃないんだよ、前から言ってるじゃないか! 分かっててやってるんじゃないか!」
「すみません」
「すみませんじゃないんだよ。おたく、そうやって謝ってるそばから営業に来るじゃないか! 警察呼ぶと言っても来るじゃないか!
…オレね、ブログやってるんだ。これからおたくが営業に来るたびに、ブログに上げてやろうか! またしつこい営業されましたって書いてやろうか!
…おたく、田舎はどこ?」
「いやそれは…」
「どこ!!」
「九州です」
「九州の田舎から出てきたもんに、ウチをどうこうされる謂われはないねえ! そんなにマンションが建てないなら田舎に戻って、自分チの周りを営業すればいいじゃないか!!」
「……」
「いいか! 数十年後に万が一この家を建て替えることがあっても、絶対におたくには話しない。分かったか!!!!!」
最後は自分の言葉自体に激昂し、電話口の彼に罵声を浴びせて、私は一方的に受話を切った。
電話でも言ったが、私も広告代理店に勤めていたときは、1日中営業電話を掛けたこともあったから、相手の気持ちは分かるつもりである。しかしこの会社の営業攻勢は度が過ぎている。あまりにもしつこい。さすがに今年はもう電話は来ないだろうが、これだけ言ってもこの会社は、来年も何事もなかったかのように、営業してくるのだろう。ああ、また「嫌がらせ」が続くのかと思うと、憂鬱でならない。
我が家は「特A」のターゲットなのだろう。当然ウチにも建設会社から、電話やら営業やらが来る。ポスティングも頻繁にある。週に1回は入っている。
ある日の電話。
「大沢さんのお宅ですか?」
「はい」
「向かいのお宅の駐車場なんですけど、土地活用の予定があるとかそういうの、ご存じないでしょうか?」
「は? いやそういうのは分かりません…」
しばらく話したところで、先方が話を変える。
「ところで、お宅はどうでしょうか?」
「……。あんた、ホントはそれが聞きたかったのか!」
「……」
営業も失礼なのが多い。当然アポなしで訪ねてくるのだが、「いやあ~、こういう家を見ると、マンションが建った景色を想像しちゃうんですよね」。
こんなことを言われてこちらがどういう気分になるか、まったく分かっていない。
別の営業男。工場内は機械が動いてるから入るな、と注意しているのにズカズカ入ってきて、「ああ、広い敷地ですねえ」とほざく。危ないんだよあんた!
別の会社の営業男は、断っても断っても、3回営業に来た。「もう迷惑ですから。困りますから」と言っても全然利かない(ここは「利かない」の漢字でよい)。こっちが拒絶するたびに営業男は「すみません」と平身低頭なのだが、それでも翌週にまた訪ねてきたりする。
この会社はコロコロ地域担当者が変わるようなのだが、しばしこのパターンが続いた。そしてこの会社……実名を挙げてもいいのだが、武士の情けでそれだけは勘弁してやる。この会社がいちばんしつこい。テレビでもコマーシャルを流している、そこそこ名の知れた会社なのだが、とにかくしつこい。もう10年以上、1~2か月と空けず、電話やアポなし営業を仕掛けてくるのだ。
今月の上旬だったかも、電話が来た。この地域の担当になったので挨拶に行きたい、というから私は当然断った。以下は私の憤り。
「もう困ってるんです。あのねえ、おたくだけですよ。ほかの建設会社は、2、3回断ればピタッと営業を止めますよ。だけどおたくはここ数年間ずぅっとじゃねえか。嫌がらせじゃねえか!
…どうしたらいい。ウチはおたくからの営業から逃れるために、どうしたらいい? 警察に相談しようか。ねえ、そうしようか?」
これだけ電話口で脅かしても、その日の午後に、だ…の営業男が訪ねてきたのには呆れた。
この日の電話でのやりとりをオヤジに話したら、「そんなことを言ったらダメだよ」と呆れられた。「だから向こうも意固地になって営業してくるんじゃないか」。
オヤジは暢気に構えているが、向こうは本気だ。私が彼らに最も応対しているから分かる。彼らには狂気すら感じるのだ。
それが証拠に、今月24日夕方。これから将棋寄席に行こうか、というとき、またもだい…の営業がアポなしで来た。クリスマスイブの夕方に…。バカじゃねえか!?
これは違反だろう。祝日の12月24日は、営業しちゃいけない日だろう!?
この日はオフクロが応対したが、「撃退」したふうではなかった。
そしてきのう27日の朝。またもだいと…から電話が来た。ここまで来ると、背筋に寒いものが走る。
「…あのねえ、もうおたくの電話は断ってるでしょ。なのにおたくは何年間も…こんなに断ってるのになんで分からないの!? 今月だけで何回目だよ、嫌がらせかよ! おたくだけだよ、こんなにしつこいの! もうキチガイだよ。●●だよ! オレだって営業の経験があるけど、ダイワハウスだって長谷川コーポレーションだってセンチュリー21だって、2、3回断ればそこからピタッと電話掛けてきませんよ! それなのにおたくはどうしてそうなの! バカなの!?」
「すみません、横の繋がりがないもんで」
「繋がりじゃないんだよ、前から言ってるじゃないか! 分かっててやってるんじゃないか!」
「すみません」
「すみませんじゃないんだよ。おたく、そうやって謝ってるそばから営業に来るじゃないか! 警察呼ぶと言っても来るじゃないか!
…オレね、ブログやってるんだ。これからおたくが営業に来るたびに、ブログに上げてやろうか! またしつこい営業されましたって書いてやろうか!
…おたく、田舎はどこ?」
「いやそれは…」
「どこ!!」
「九州です」
「九州の田舎から出てきたもんに、ウチをどうこうされる謂われはないねえ! そんなにマンションが建てないなら田舎に戻って、自分チの周りを営業すればいいじゃないか!!」
「……」
「いいか! 数十年後に万が一この家を建て替えることがあっても、絶対におたくには話しない。分かったか!!!!!」
最後は自分の言葉自体に激昂し、電話口の彼に罵声を浴びせて、私は一方的に受話を切った。
電話でも言ったが、私も広告代理店に勤めていたときは、1日中営業電話を掛けたこともあったから、相手の気持ちは分かるつもりである。しかしこの会社の営業攻勢は度が過ぎている。あまりにもしつこい。さすがに今年はもう電話は来ないだろうが、これだけ言ってもこの会社は、来年も何事もなかったかのように、営業してくるのだろう。ああ、また「嫌がらせ」が続くのかと思うと、憂鬱でならない。