第39期女流名人位戦はこれから五番勝負が始まるが、早くも第40期の予選トーナメント表が発表されている。現在休場中の松尾香織女流初段の名前もあった。まずはめでたい。復帰後の活躍を期待したい。
昨年の3月25日、LPSA芝浦サロンにて、その松尾女流初段と指した指導対局を振り返る。
芝浦サロンには午後5時20分ごろ入った。その2週間前・3月11日に東日本大震災が発生し、その日の芝浦サロンはもちろん中止。翌週18日もその余波で中止になった。とくに18日は私の誕生日で、だからどうだというわけでもないが、担当の島井咲緒里女流二段にしっぽり教えていただくつもりだったから、これは残念だった。
この日も節電のため、室内は薄暗かった。クローズも7時半だった。3週間ぶりの芝浦サロンで多少の禁断症状はあったが、その間に大野教室にも行ったし、思ったほどつらくはなかった。いま思えば、これがサロン離れの伏線になったかもしれない。
25日の客はHon氏、Wパパ氏ら。ほかに新潟からの男性氏。
6時少し前に対局開始。横にはHon氏がいた。松尾女流初段はゴキゲン中飛車。と、手合い係の大庭美夏女流1級が、
「(棋譜)ノートは?」
と聞いてきた。
「これは下書きで…」
指導対局中に棋譜ノートを付けると読みがおろそかになると思い、棋譜はペラ紙に付け、後で清書することにしたのだ。
私は超速を選ぶ。11手目▲3六歩に、
「猫も杓子も…(超速ね)」
と松尾女流初段。この前にも、W氏に超速をやられていたらしい。
私は角を交換して▲6六角。自分で打っておいて何だが、随分早く角を手放したものだ。
△4四歩取りだから松尾女流初段は△4五歩。私の狙いが何だか分からないが、▲2四歩△同歩▲同飛△4三銀に▲3五歩と突いて、ナルホドと思った。△2三歩に▲3四歩。△2四歩に▲3三歩成と桂を取ってさらに金銀取りだ。前局の中倉宏美女流二段同様のいわゆる二枚換えで、下手も悪くない。
以下下手がハッキリよくなる順があったと思うのだが、気がついたら上手が十分になっていた。では終盤の入口の局面を記す。
上手・松尾女流初段:1一香、1三歩、1九竜、2四歩、4一銀、6一金、6三歩、7一銀、7二玉、7三歩、8一桂、8三歩、8四香、9一香、9三歩 持駒:飛、銀、歩3
下手・一公:1七歩、2二馬、3七桂、3八歩、4六銀、4七歩、5三歩、5八金、5九金、6五桂、6七歩、6九玉、8七歩、8八金、9七歩、9九香 持駒:角、桂、歩2
(△4一銀まで)
以下の指し手。▲7四歩△同歩▲2三角△3二歩▲3四角成△5七歩▲7三歩△同桂▲同桂成△同玉▲6一馬△5八歩成▲同金△5六飛▲6五桂△8二玉▲7三金△9二玉▲8三金△8一玉▲7三桂不成 まで、93手で一公の勝ち。
桂得だが下手がおもしろくない局面。ここで私は▲7四歩とアヤをつけたが、これは実戦的な好手だったと思う。しかし続く▲2三角がおかしかった。同じ銀取りなら、▲2三馬だろう。なぜこう指さなかったのか理解に苦しむ。
その後桂交換から▲6一馬と入れては、急に下手が有望になった。
松尾女流初段が金を取って△5六飛と打ったのはのちの詰みを見落としていたのかもしれぬが、ここではすでに上手の勝ちはないのかもしれない。
このあとWパパ氏と一局指して、この日は終わった。
昨年の3月25日、LPSA芝浦サロンにて、その松尾女流初段と指した指導対局を振り返る。
芝浦サロンには午後5時20分ごろ入った。その2週間前・3月11日に東日本大震災が発生し、その日の芝浦サロンはもちろん中止。翌週18日もその余波で中止になった。とくに18日は私の誕生日で、だからどうだというわけでもないが、担当の島井咲緒里女流二段にしっぽり教えていただくつもりだったから、これは残念だった。
この日も節電のため、室内は薄暗かった。クローズも7時半だった。3週間ぶりの芝浦サロンで多少の禁断症状はあったが、その間に大野教室にも行ったし、思ったほどつらくはなかった。いま思えば、これがサロン離れの伏線になったかもしれない。
25日の客はHon氏、Wパパ氏ら。ほかに新潟からの男性氏。
6時少し前に対局開始。横にはHon氏がいた。松尾女流初段はゴキゲン中飛車。と、手合い係の大庭美夏女流1級が、
「(棋譜)ノートは?」
と聞いてきた。
「これは下書きで…」
指導対局中に棋譜ノートを付けると読みがおろそかになると思い、棋譜はペラ紙に付け、後で清書することにしたのだ。
私は超速を選ぶ。11手目▲3六歩に、
「猫も杓子も…(超速ね)」
と松尾女流初段。この前にも、W氏に超速をやられていたらしい。
私は角を交換して▲6六角。自分で打っておいて何だが、随分早く角を手放したものだ。
△4四歩取りだから松尾女流初段は△4五歩。私の狙いが何だか分からないが、▲2四歩△同歩▲同飛△4三銀に▲3五歩と突いて、ナルホドと思った。△2三歩に▲3四歩。△2四歩に▲3三歩成と桂を取ってさらに金銀取りだ。前局の中倉宏美女流二段同様のいわゆる二枚換えで、下手も悪くない。
以下下手がハッキリよくなる順があったと思うのだが、気がついたら上手が十分になっていた。では終盤の入口の局面を記す。
上手・松尾女流初段:1一香、1三歩、1九竜、2四歩、4一銀、6一金、6三歩、7一銀、7二玉、7三歩、8一桂、8三歩、8四香、9一香、9三歩 持駒:飛、銀、歩3
下手・一公:1七歩、2二馬、3七桂、3八歩、4六銀、4七歩、5三歩、5八金、5九金、6五桂、6七歩、6九玉、8七歩、8八金、9七歩、9九香 持駒:角、桂、歩2
(△4一銀まで)
以下の指し手。▲7四歩△同歩▲2三角△3二歩▲3四角成△5七歩▲7三歩△同桂▲同桂成△同玉▲6一馬△5八歩成▲同金△5六飛▲6五桂△8二玉▲7三金△9二玉▲8三金△8一玉▲7三桂不成 まで、93手で一公の勝ち。
桂得だが下手がおもしろくない局面。ここで私は▲7四歩とアヤをつけたが、これは実戦的な好手だったと思う。しかし続く▲2三角がおかしかった。同じ銀取りなら、▲2三馬だろう。なぜこう指さなかったのか理解に苦しむ。
その後桂交換から▲6一馬と入れては、急に下手が有望になった。
松尾女流初段が金を取って△5六飛と打ったのはのちの詰みを見落としていたのかもしれぬが、ここではすでに上手の勝ちはないのかもしれない。
このあとWパパ氏と一局指して、この日は終わった。