きのう23日も将棋の夢を見たが、しつこくなるので、きょうはその内容を書かない。
(きのうのつづき)
私が乗った護衛艦は、「あさゆき」。いただいたパンフレットには、昭和58年12月起工、昭和60年10月進水と記されている。さらに「基準排水量…3,050t」「全長…130.0m」「幅…14.6m」「喫水…4.5m」「主機…ガスタービン4基(45,000馬力)」等々の性能が書かれていた。
錦戸亮似の彼が、何でも聞いてください、と言う。そう言われてもこちらは聞くことがない。船はお好きですか、と聞かれたが、興味本位で来ましたとは言えない。
「そうですね…横浜とか横須賀とかで船を見たことはあります」
と、意味不明の回答をするのみだった。
どうも話が滞りがちだ。こちらから何かしゃべらないと、間が持たない。
「船の色が灰色で、ずいぶん暗いですよね」
「あれは日本の海の色があの色と決められていて、その色を塗らないといけないのです」
日本の平均的な海の色が、あの鉛色らしい。確かに、冬の日本海はあんな感じではある。「護衛艦が航行中、目立ってはいけませんから」
「なるほど」
「アメリカでは、もう少し違った色になります」
沖縄の海だったら、日本の護衛艦ももう少し明るくなるのだろう。
先ほどカレーを食べたんです、と話を転じる。カレーライスは自衛隊でも人気で、航行中は金曜日に供されるという。コックさんも自衛官だそうで、その選任は個人の希望に関係なく、適性検査で選ばれるのだという。
案内の彼はまだ若手だが、東京まで航行したことがあるという。あさゆきも、先週までどこかを航行していたそうだ。
この後も私は、対象物をしつこく追いかけるアスロックランチャーや、76mm単装速射砲などの説明を受けた。
この前北朝鮮がミサイル発射したでしょう。あれなんかはどうなんです? と聞きにくいことを聞いたが、彼は思うところを率直に答えてくれた。
観光バスが来て、団体さんが乗ってくる。しかしガイドはひとりである。1対1の私は自分が優遇されている気がして、申し訳ない思いだった。
約20分のレクチャーを受け、あさゆきの見学は終了。彼も最初は緊張?していたふうだったが、次第に口調も滑らかになり、見事なガイドだった。私も大いに勉強になった。
最後は自衛官の面々に敬礼され、私も敬礼を返して、船を降りた。
再び倉島庁舎に入り、記念に100円のチョコレートアイスを買う。これが366kcal。こういう間食をするから、ブクブク太るのだ。
佐世保駅に戻るとタイミングよく、眼鏡岩行きのバスが来たので、飛び乗った。これは市内バスだから、一日乗車券を使って、タダである。
19分ほどバスに揺られ、堺木で下車。左手の町中を数分登っていくと、お寺が見えてきた。その公園の一隅に、眼鏡岩が聳えていた。高さ10m、長さ20mの扁平の岩に、大きな穴が2つくり抜かれている。裏側の墓地から登り、間近で見ると、異様な迫力だった。
公園入口の案内板を読むと、これは昼寝をしていた鬼が伸びをしたところ、足で開けてしまった、とあった。しかし本当のところは、数十万年前まだここが海だったころ、打ち寄せる波によってできた海食洞穴らしい。
ちょっと打ち捨てられたその雰囲気は、北海道東部にある、旧根北線の越川橋梁を想起させた。
帰りは西肥バスをやり過ごし、佐世保方面行きの市内バスに乗り込んだ。アーケード街の近くで降りて、中をブラブラする。きのうは閉まっていた「くっけん広場」なるものがあった。1階を覗くと、佐世保周辺の昔の街並みが、現在のそれと定点撮影されて、パネル展示されていた。こういう写真は、好きである。
アーケード街を出てしばらく歩くと、美味そうなカステラ屋があったので、一斤を2本買った。
駅前に戻り、フレスタ佐世保向かいのスーパーで、刺し身用の鯨肉を買う。去年と同じである。要冷凍で、東京に帰るまでは解けてしまうが、そこは保冷バッグを買って、少しでも遅らせるのだった。
その隣にある、「とんかつ浜勝」に入る。これが長崎最後の晩餐である。この店はアーケード街にもあったが、九州を中心に展開する、有名なチェーン店らしい。
いまは牡蠣の季節なので、「カキフライ野菜膳」なるものを頼んだが、ごはん、みそ汁、キャベツ、お新香…つまり揚げ物以外は、すべておかわり自由であった。
1杯目は麦ごはん、2杯目は白ごはんで、美味しくいただいた。これで990円は満足である。店員の教育も行き届いていて、これは繁盛するはずだと思った。
午後6時ちょうどに店を出て、長崎の旅もこれで終わり。あとは佐世保駅前から18時20分に出る、長崎空港行きの特急バスに乗るのみである。
しかし乗車時間が1時間45分とやや長い。ハイデッカーバスならまだしも、ふつうのバスならこの乗車時間はきつい。
そういえば、長崎行きの大村線18時11分佐世保発というのがあった。これの川棚着が18時47分。18時20分に佐世保駅前を出た特急バスが、川棚バスターミナルに19時08分に到着する。このルートのほうが、変化があっておもしろいのではないか。交通費もこちらのほうが、80円安い。
次に川棚に訪れるのは、早くて1年後とフンでいたから、思わぬ再訪に心の準備ができていないが、それもよかろう。
大村線に乗り、川棚で降りた。あんでるせんは第1、3日曜が定休日だから、店は暗く、ひっそりとしていた。マスターのマジックを堪能したのは1日前なのに、もう数日前のことのようだ。
まだ時間があるから近くのスーパーに行って、79円のペットボトルを買った。バスターミナルの窓口は、休日は閉まっている。ひとりベンチに座ってドリンクを飲み、特急バスが来るのを待つ。
川棚を訪れたのは1回増えて15回になったが、川棚から長崎空港に行くのはもちろん、バスに乗るのも初めてである。
あんでるせんでマジックショーを見たいけれど、場所がどこだか分からない、という人がいれば心配無用、と考える。長崎空港まで来れば、川棚バスターミナル行きの特急バスがバンバン出ている。空港まで来れば、ほとんど歩くことなしに、あんでるせんに着けるのだ。夜が遅くなっても、駅の反対側にはビジネスホテルもある。結局、本気で行きたいと思う人が行くわけだ。
定刻を4分遅れて、長崎空港行きバスの最終便が来た。バスは豪華なハイデッカー車である。これなら佐世保駅前から乗ってもよかった。
乗客は女性ばかり4人だった。
ゆったりとしたシートに腰を下ろす。無事最終ランナーに乗車して、私はなぜか「勝った…」と安堵し、ゆっくりと目を閉じた。
(きのうのつづき)
私が乗った護衛艦は、「あさゆき」。いただいたパンフレットには、昭和58年12月起工、昭和60年10月進水と記されている。さらに「基準排水量…3,050t」「全長…130.0m」「幅…14.6m」「喫水…4.5m」「主機…ガスタービン4基(45,000馬力)」等々の性能が書かれていた。
錦戸亮似の彼が、何でも聞いてください、と言う。そう言われてもこちらは聞くことがない。船はお好きですか、と聞かれたが、興味本位で来ましたとは言えない。
「そうですね…横浜とか横須賀とかで船を見たことはあります」
と、意味不明の回答をするのみだった。
どうも話が滞りがちだ。こちらから何かしゃべらないと、間が持たない。
「船の色が灰色で、ずいぶん暗いですよね」
「あれは日本の海の色があの色と決められていて、その色を塗らないといけないのです」
日本の平均的な海の色が、あの鉛色らしい。確かに、冬の日本海はあんな感じではある。「護衛艦が航行中、目立ってはいけませんから」
「なるほど」
「アメリカでは、もう少し違った色になります」
沖縄の海だったら、日本の護衛艦ももう少し明るくなるのだろう。
先ほどカレーを食べたんです、と話を転じる。カレーライスは自衛隊でも人気で、航行中は金曜日に供されるという。コックさんも自衛官だそうで、その選任は個人の希望に関係なく、適性検査で選ばれるのだという。
案内の彼はまだ若手だが、東京まで航行したことがあるという。あさゆきも、先週までどこかを航行していたそうだ。
この後も私は、対象物をしつこく追いかけるアスロックランチャーや、76mm単装速射砲などの説明を受けた。
この前北朝鮮がミサイル発射したでしょう。あれなんかはどうなんです? と聞きにくいことを聞いたが、彼は思うところを率直に答えてくれた。
観光バスが来て、団体さんが乗ってくる。しかしガイドはひとりである。1対1の私は自分が優遇されている気がして、申し訳ない思いだった。
約20分のレクチャーを受け、あさゆきの見学は終了。彼も最初は緊張?していたふうだったが、次第に口調も滑らかになり、見事なガイドだった。私も大いに勉強になった。
最後は自衛官の面々に敬礼され、私も敬礼を返して、船を降りた。
再び倉島庁舎に入り、記念に100円のチョコレートアイスを買う。これが366kcal。こういう間食をするから、ブクブク太るのだ。
佐世保駅に戻るとタイミングよく、眼鏡岩行きのバスが来たので、飛び乗った。これは市内バスだから、一日乗車券を使って、タダである。
19分ほどバスに揺られ、堺木で下車。左手の町中を数分登っていくと、お寺が見えてきた。その公園の一隅に、眼鏡岩が聳えていた。高さ10m、長さ20mの扁平の岩に、大きな穴が2つくり抜かれている。裏側の墓地から登り、間近で見ると、異様な迫力だった。
公園入口の案内板を読むと、これは昼寝をしていた鬼が伸びをしたところ、足で開けてしまった、とあった。しかし本当のところは、数十万年前まだここが海だったころ、打ち寄せる波によってできた海食洞穴らしい。
ちょっと打ち捨てられたその雰囲気は、北海道東部にある、旧根北線の越川橋梁を想起させた。
帰りは西肥バスをやり過ごし、佐世保方面行きの市内バスに乗り込んだ。アーケード街の近くで降りて、中をブラブラする。きのうは閉まっていた「くっけん広場」なるものがあった。1階を覗くと、佐世保周辺の昔の街並みが、現在のそれと定点撮影されて、パネル展示されていた。こういう写真は、好きである。
アーケード街を出てしばらく歩くと、美味そうなカステラ屋があったので、一斤を2本買った。
駅前に戻り、フレスタ佐世保向かいのスーパーで、刺し身用の鯨肉を買う。去年と同じである。要冷凍で、東京に帰るまでは解けてしまうが、そこは保冷バッグを買って、少しでも遅らせるのだった。
その隣にある、「とんかつ浜勝」に入る。これが長崎最後の晩餐である。この店はアーケード街にもあったが、九州を中心に展開する、有名なチェーン店らしい。
いまは牡蠣の季節なので、「カキフライ野菜膳」なるものを頼んだが、ごはん、みそ汁、キャベツ、お新香…つまり揚げ物以外は、すべておかわり自由であった。
1杯目は麦ごはん、2杯目は白ごはんで、美味しくいただいた。これで990円は満足である。店員の教育も行き届いていて、これは繁盛するはずだと思った。
午後6時ちょうどに店を出て、長崎の旅もこれで終わり。あとは佐世保駅前から18時20分に出る、長崎空港行きの特急バスに乗るのみである。
しかし乗車時間が1時間45分とやや長い。ハイデッカーバスならまだしも、ふつうのバスならこの乗車時間はきつい。
そういえば、長崎行きの大村線18時11分佐世保発というのがあった。これの川棚着が18時47分。18時20分に佐世保駅前を出た特急バスが、川棚バスターミナルに19時08分に到着する。このルートのほうが、変化があっておもしろいのではないか。交通費もこちらのほうが、80円安い。
次に川棚に訪れるのは、早くて1年後とフンでいたから、思わぬ再訪に心の準備ができていないが、それもよかろう。
大村線に乗り、川棚で降りた。あんでるせんは第1、3日曜が定休日だから、店は暗く、ひっそりとしていた。マスターのマジックを堪能したのは1日前なのに、もう数日前のことのようだ。
まだ時間があるから近くのスーパーに行って、79円のペットボトルを買った。バスターミナルの窓口は、休日は閉まっている。ひとりベンチに座ってドリンクを飲み、特急バスが来るのを待つ。
川棚を訪れたのは1回増えて15回になったが、川棚から長崎空港に行くのはもちろん、バスに乗るのも初めてである。
あんでるせんでマジックショーを見たいけれど、場所がどこだか分からない、という人がいれば心配無用、と考える。長崎空港まで来れば、川棚バスターミナル行きの特急バスがバンバン出ている。空港まで来れば、ほとんど歩くことなしに、あんでるせんに着けるのだ。夜が遅くなっても、駅の反対側にはビジネスホテルもある。結局、本気で行きたいと思う人が行くわけだ。
定刻を4分遅れて、長崎空港行きバスの最終便が来た。バスは豪華なハイデッカー車である。これなら佐世保駅前から乗ってもよかった。
乗客は女性ばかり4人だった。
ゆったりとしたシートに腰を下ろす。無事最終ランナーに乗車して、私はなぜか「勝った…」と安堵し、ゆっくりと目を閉じた。