24日(月・振替休日)は、年末恒例の「将棋寄席」があった。これは将棋ペンクラブの会員有志が芸人となって、演芸場でネタをやるものである。回を重ねて今回が9回目であった。
将棋寄席といえば、「12月28日・浅草木馬亭」が定番だったが、冒頭に記したように、今年は12月24日開催、場所も「お江戸日本橋亭」に変更になった。
どういう理由で変更になったのかは分からぬが、場所の日本橋はともかく、開演日が24日とは、ペンクラブもずいぶんな賭けに出たものである。さすがにこの日は、「都合がある」という人が多いのではなかろうか。もっとも私には一切関係なかったが…。
24日は、かなり危険な年賀状を数枚書き、そろそろ出ようか、というところに建設会社のアポなし営業が来て、ひどく気分を害しつつ、私は家を出た。
「お江戸日本橋亭」は東京メトロ日本橋駅A10出入口からすぐらしい。しかし自宅最寄駅からだと、JRで神田駅に出たほうが早いようだ。
神田といえば、立ち食い蕎麦屋が数軒ある。寄席を楽しむ前に蕎麦でもたぐっていきたい気分である。粋だねえ。店は久しぶりに「小諸そば」がいい。
京浜東北線に乗ってそんなことを考えていたら、神田駅に止まった電車が、ドアを閉めて発車してしまった。
あっ、しまった…。ボーッとしてて、降りるのをうっかりしてしまった。
まあよい、次の東京駅からでも日本橋に行ける。東京で下車、八重洲口に出る。きょうはクリスマスイブだが、オフィス街ということもあって意外に地味だ。これが丸の内側なら、街ももっときらびやかだったろう。
現在午後5時47分。寄席の開場はたしか6時だったから、開演は6時半だろう。開場直後に着くのも味が悪いから、これから蕎麦をたぐって向かえばちょうどよい。しかし小諸そばが東京駅近辺にあるだろうか。
神田方面に歩いていたら、道路の反対側に小諸そばがあったので、横断歩道を渡り、入る。
小諸そばは芝浦にもあり、LPSA芝浦サロンに入る前にはよく腹ごしらえをしていた。今回はそれ以来だから、かなり久しぶりだ。
この支店は食券の自販機がなく、入口のレジで注文して、おカネを払う方式だった。メニューには「二枚もり」があり、芝浦店と同じ290円だった。デフレの時代とはいえ、この値段が各店で定着しているようで、ありがたいことではある。
時計を見ると6時5分前(5時55分)である。まずまず予定通りだが、蕎麦をいまからゆでているようで、若干の時間を要した。
出された蕎麦はゆでたてだったので、しこしこつるつるで、美味かった。立ち食い蕎麦屋も「富士そば」や「ゆで太郎」、駅構内の「あじさい」などいろいろあるが、小諸そばがいちばん味がいい。
ところで食事中、暖簾が下げられた。休日ということで、6時までの営業だったらしい。私は滑り込みセーフだったわけだ。
さて、お江戸日本橋亭に向かう。日本橋駅に着いて、しばらく歩くとA10出入口があった。しかしそこからが分からない。
近くにコンビニがあったので聞いてみると、「すぐそこを右です」と教えてくれた。
お江戸日本橋亭は、ビル群の一角にあった。なぜこんなところに寄席が…?と思うがそれは逆で、昔はこのあたりに寄席があるのが自然で、それが後にビル群となったため、寄席が異彩を放つようになってしまったのだ。
この関係、ウチとその周りの環境に似ている、といえなくもない。
お江戸日本橋亭は、周りが総ガラス張りで、下駄箱が見えた。現在6時17分である。まあまあの時間であろう。
奥の受付に行くと、窪田義行六段の姿があった。ちょうど来たところらしい。挨拶をしようかと思ったが、窪田六段は私のことを知らないだろうから、止めた。
木戸銭2,000円を払うと、受付の旦那が「もう2つめ(の演目)が始まってるから」と、予約料金の1,800円を適用してくれ、200円のおつりをくれた。
…ウン? そ、それはありがたかったが、寄席は6時半からじゃないのか!? あ! まさか…開場はもっと前で、開演は6時からだったのか!? きっとそうだ!!
やってもーた…。私は顔をひきつらせながら、寄席のドアを開けた。
(つづく)
将棋寄席といえば、「12月28日・浅草木馬亭」が定番だったが、冒頭に記したように、今年は12月24日開催、場所も「お江戸日本橋亭」に変更になった。
どういう理由で変更になったのかは分からぬが、場所の日本橋はともかく、開演日が24日とは、ペンクラブもずいぶんな賭けに出たものである。さすがにこの日は、「都合がある」という人が多いのではなかろうか。もっとも私には一切関係なかったが…。
24日は、かなり危険な年賀状を数枚書き、そろそろ出ようか、というところに建設会社のアポなし営業が来て、ひどく気分を害しつつ、私は家を出た。
「お江戸日本橋亭」は東京メトロ日本橋駅A10出入口からすぐらしい。しかし自宅最寄駅からだと、JRで神田駅に出たほうが早いようだ。
神田といえば、立ち食い蕎麦屋が数軒ある。寄席を楽しむ前に蕎麦でもたぐっていきたい気分である。粋だねえ。店は久しぶりに「小諸そば」がいい。
京浜東北線に乗ってそんなことを考えていたら、神田駅に止まった電車が、ドアを閉めて発車してしまった。
あっ、しまった…。ボーッとしてて、降りるのをうっかりしてしまった。
まあよい、次の東京駅からでも日本橋に行ける。東京で下車、八重洲口に出る。きょうはクリスマスイブだが、オフィス街ということもあって意外に地味だ。これが丸の内側なら、街ももっときらびやかだったろう。
現在午後5時47分。寄席の開場はたしか6時だったから、開演は6時半だろう。開場直後に着くのも味が悪いから、これから蕎麦をたぐって向かえばちょうどよい。しかし小諸そばが東京駅近辺にあるだろうか。
神田方面に歩いていたら、道路の反対側に小諸そばがあったので、横断歩道を渡り、入る。
小諸そばは芝浦にもあり、LPSA芝浦サロンに入る前にはよく腹ごしらえをしていた。今回はそれ以来だから、かなり久しぶりだ。
この支店は食券の自販機がなく、入口のレジで注文して、おカネを払う方式だった。メニューには「二枚もり」があり、芝浦店と同じ290円だった。デフレの時代とはいえ、この値段が各店で定着しているようで、ありがたいことではある。
時計を見ると6時5分前(5時55分)である。まずまず予定通りだが、蕎麦をいまからゆでているようで、若干の時間を要した。
出された蕎麦はゆでたてだったので、しこしこつるつるで、美味かった。立ち食い蕎麦屋も「富士そば」や「ゆで太郎」、駅構内の「あじさい」などいろいろあるが、小諸そばがいちばん味がいい。
ところで食事中、暖簾が下げられた。休日ということで、6時までの営業だったらしい。私は滑り込みセーフだったわけだ。
さて、お江戸日本橋亭に向かう。日本橋駅に着いて、しばらく歩くとA10出入口があった。しかしそこからが分からない。
近くにコンビニがあったので聞いてみると、「すぐそこを右です」と教えてくれた。
お江戸日本橋亭は、ビル群の一角にあった。なぜこんなところに寄席が…?と思うがそれは逆で、昔はこのあたりに寄席があるのが自然で、それが後にビル群となったため、寄席が異彩を放つようになってしまったのだ。
この関係、ウチとその周りの環境に似ている、といえなくもない。
お江戸日本橋亭は、周りが総ガラス張りで、下駄箱が見えた。現在6時17分である。まあまあの時間であろう。
奥の受付に行くと、窪田義行六段の姿があった。ちょうど来たところらしい。挨拶をしようかと思ったが、窪田六段は私のことを知らないだろうから、止めた。
木戸銭2,000円を払うと、受付の旦那が「もう2つめ(の演目)が始まってるから」と、予約料金の1,800円を適用してくれ、200円のおつりをくれた。
…ウン? そ、それはありがたかったが、寄席は6時半からじゃないのか!? あ! まさか…開場はもっと前で、開演は6時からだったのか!? きっとそうだ!!
やってもーた…。私は顔をひきつらせながら、寄席のドアを開けた。
(つづく)