一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

台風の日も将棋(前編)

2014-10-07 00:02:16 | 大野・植山教室
5日(日)は、埼玉県川口市にある「大野・植山教室」に行った。前日に行く手もあったのだが、TBSテレビ「オールスター感謝祭」を見るために、行くのは断念した。
5日は朝から雨だったが、雨の日こそ将棋日和である。午後1時半に入ると、大野八一雄七段が二面指しをやっていた。ほかに自由対局1局が見える。しかしやはり、生徒の出足は悪いようだ。
そこへFuj氏が来た。いつもより遅いが、何かあったのだろうか。
奥の部屋では植山悦行七段が三面指しの真っ最中だったが、まずは大野七段に教えていただく。
角落ち戦。私は2筋の歩を換え、大野七段は△6四歩。私は受けずに▲3六歩。数手後△8五歩~△6五歩とされたが、これは想定内である。私は▲7七銀~▲5七銀~▲7九角とし、△6二飛に▲8八飛として、面白い形勢になったと思った。
しかし大野七段に中央から動かれ、▲5七銀取りを受ける▲5八歩、△6六歩に▲6八歩で、凹まされてしまった。
さらに△4七竜に▲4八歩。私も▲8一飛成と侵入したが、これがどのくらい利いているのか分からない。
△3七金▲同桂△同竜に▲3八歩。二段目に歩が4つも並んでしまった。しかも玉は5九である。シェルター囲いとも呼べそうなひどい形だが、ここまで屈服すると、却って攻め込まれない。
大野七段は△6四竜と回って▲6六銀取りに当ててくるが、私は▲6七歩と空気穴を開けて受ける。ずーっと苦しかったが、これで好転したと思った。
△5四桂の銀取りに私はさして考えず▲5五金だが、これを数秒見ていた大野七段が、突然投了してしまった。
これは意外で、△5三竜と引かれたあと、どう指していいのか分からなかった。

当初は△5三竜に▲6五桂を考えていたが、△5二竜に次の手が難しい。ぐずぐずしていると△6六桂▲同歩△5五竜がある。といって▲6五桂で▲3五角も△4四銀と受けられ、こちらも難しい。どうも下手に決め手がないようなのだ。
思うに大野七段は、▲6七歩あたりで戦意を喪失してしまったのかもしれない。何か、キツネにつままれたような勝ちだった。
続いて植山七段に教えていただく。右にはWatanabe氏が飛車香落ちで挑んでいる。Watanabe氏は級位者だが、飛車香落ちとは、すでに有段の力があるということだ。私たちは駒を並べたが、平手の局面のまま、ストップしている。通常は角落ちなのだが、今回はそのまま平手でお願いすることにした。「たまには平手の勉強もしないとね」と植山七段。
左にはShin氏が入る。と、植山七段が
「あ、これ、きのうの局面じゃないですか」
と言った。見ると、Shin氏の盤上に、ある局面が残されていた。「これ、私の勝ちだったんだよなア」
話を聞くと、これが前日の植山―Shin戦で、植山七段が負けたのだが、よく考えたら終盤勝ちだったと言うのだ。

この局面で、Shin氏は自信満々に▲3二桂成とした。
これで受けなしとみた植山七段は敵玉を詰ましにいったが、わずかに詰まず、Shin氏が勝った。
ところが植山七段はその夜の就寝後、夢の中で、△3二同銀で残していることを発見したという。
確かにそうで、△3二同銀に▲2四銀は、△2二玉以下、2一飛が利いて妙に詰まない。
「Shinさんが堂々と指すんで騙されちゃいましたよ」
と植山七段はボヤきまくる。Shin氏は苦笑いするのみ。上手が下手に騙されたとは妙な話だが、それにしても夢の中でまで将棋を考えているとは、さすがに棋士である。とても私たちにそんな情熱はなく、これは私たちが束になってかかっても、敵わないはずだと思った。
さて対局。私は四間飛車。対して植山七段は△4四歩~△4五歩と伸ばしてきた。植山七段は、対振り飛車には急戦策が多いが、本局は趣向を凝らしてきた。
私は▲8八飛と回り、▲8六歩△同歩▲同飛。△8四歩と受けさせて悪くはないと思ったが、そこから具体的によくする順が見つからなかった。
中盤、△9三桂の銀取りに私は▲8四歩。▲8四銀と突っ込みたかったが、重すぎて指せなかった。

以下の指し手。△8五桂▲同飛△8一飛▲8三歩成△5六歩▲同歩△7七角成▲同桂△3三桂▲8二と△2一飛▲9一と△5七歩▲同金△6八角▲6六角△7六銀▲5八金引△7七角成▲同角△8五銀…
以下、植山七段の勝ち。
(つづく)
コメント (2)
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